■Q&A

  過去に受けた患者さんからの質問に対してお答えしたものを、Q&A方式で載せました。  それぞれの文章は 当院に受診した場合に参考になると思われる方には、印刷したものをお渡ししています。


                                                
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Q&A 目次
1. 花粉症と眼薬(お兄ちゃんの目薬、もらっても大丈夫?)
2. 流行り目といわれ困っています。(はやり目と登校禁止)
3. なみだ目とドライアイ(涙が多いのにドライアイって?)
4. 目の前を黒いものが飛びます。(飛蚊症について)
5. 生まれつきの涙目(出生後から涙が止まりません)
6. コンタクトレンズの定期検査
7. 緑内障が心配です
8. 近視と老視(メガネをかけると近くが見えにくくなります)
9. 結膜下出血(しろめが真っ赤です)
10. 糖尿病眼合併症(糖尿病で目が心配です)
11. 学校視力ABCD(子供の視力1)
12. めいぼ、めばちこ、ものもらい(麦粒腫)
13. 花粉症の眼病予防
14. 近視手術(レーシックって何ですか)
15. 眼の打撲 (どの程度のぶつけ方なら眼科受診すべきでしょうか)
16. 弱視(じゃくし)とは
17. 子供の目つきがおかしい(斜視って何)
18. 眼に悪い目薬・その1「充血をとる目薬」
19. 親の白内障手術いつにする
20. まぶたのぴくぴく
21. くろめにできもの
22. 目に良い食べ物
23. 視力の発達
24. 遠視って何ですか?
25. 眼圧が高いって?
26. チカチカと光ります(光視症)
27. くろめの周りが白いです
28. プールの後の洗眼と目薬
29. 仮性近視とは?
30. ドライアイ10カ条
31. 眼底出血
32. 目を悪くするメガネ
33. 黄斑上膜
34. 物が二つに見えます。
35. 視神経乳頭陥凹って?
36. めまいの原因が知りたい
37. “さんりゅうしゅ”って
38. 子供のコンタクトレンズいつから
39. 目薬の基礎知識
40. 目薬のさし方
41. 眼痛時は温めるべきか冷やすべきか
42. 涙点プラグって何?
43. 異物が入ったのに視力検査?
44. 目のマッサージ
45. 目の救急処置その1(異物)
46. 多焦点眼内レンズ
47. スポーツするにはコンタクトレンズが良いのか?
48. 黄斑円孔って?
49. 結膜弛緩症って?
50. 目の救急処置その2(薬物)
51. 斜視の手術は怖くない
52. 涙道がつまった?
53. 近視の予防法はありますか?
54. まぶたに白いものがあって痛い
55. 内反症(ないはんしょう)って?
56. 3D映像が小さい子には危険って?
57. 妊娠しているのですが、目薬は大丈夫ですか?
58. モノビジョンって何ですか
59. 白内障の予防法
60. 再発性角膜びらん
61. 中心性網膜炎
62. 高眼圧症の管理
63. 星状硝子体症
64. 心因性視力視覚障害





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1.Title  花粉症と眼薬(お兄ちゃんの目薬、もらっても大丈夫?)

  私の息子(兄弟:5才と3才)の眼のことでお尋ねします。先日上の子に、くしゃみが連発して鼻水が出て眼が赤くなり涙が出たので病院を受診したところ、花粉症だと言われました。 そのとき、内服薬と点鼻薬それに目薬をもらい、つけていたら少しよくなりました。しばらくして今度は、下の子が同じように赤くてなみだ目になりました。鼻の症状はあまりないの ですが、上の子にもらった目薬をつけても問題ないでしょうか?(37歳主婦)    

  基本的には、あまり良いことではありません。どの診療科を受診したかがわかりませんが、耳鼻科や小児科を受診して、抗アレルギーの目薬をもらうことがよくあります。 このお子さんの場合には、症状が改善していることから、花粉によるアレルギー結膜炎であった可能性が高いと考えられます。しかし、同じように充血して涙が多い場合に、 アデノウィルス結膜炎などの伝染性疾患やぶどう膜炎という炎症の病気であるなど、異なる病気の場合があります。アレルギー結膜炎でないのに、抗アレルギーの目薬を使っても 効かないと考えられますし、診断を難しくさせるばかりか、有害になる可能性もあります。また、使用中の目薬には、使用した人の結膜の常在細菌が入り込んでいる可能性があります。 その常在菌は別の人にとっては、有害であることも想像されます。病気が同じであったとしても自分以外の人が使用したことのある目薬を使うことはよくないと言えます。 また、アレルギー結膜炎でステロイドの点眼薬が処方されている場合があります。この場合にはステロイド薬に反応して、眼圧が上がり、点眼薬による副作用としての緑内障が 起こっていることがあります。ステロイドの点眼を使用している場合には、定期的に眼圧を測定しておく必要があります。同じような症状に見えても、正しく診断してもらい、 病気にあった自分自身の治療薬(目薬)を処方してもらうことと、治療中は定期的な観察が重要です。    

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2.Title  流行り目といわれ困っています。(はやり目と登校禁止)

  7歳の子供ですが、目が真っ赤なり、目やにが出ていて眼科を受診しました。人にうつる結膜炎といわれました。登校を禁止されて困っています。 以前にも結膜炎になったことがありますが、すぐ治りましたし登校禁止にはなりませんでした。どうして学校へ行ってはいけないのでしょうか?また、 どこが違うのですか?(32歳女性)    

  人から人にうつる結膜炎は以前から「はやり目」といわれていました。伝染性(人にうつる)の結膜炎には、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎の3つがあります。 これらの原因は、ウィルスです。前2者の原因ウィルスはアデノウィルスであり、最近ではアデノウィルス結膜炎と呼ばれるようになってきました。アデノウィルスは、 急性結膜炎の代表的な原因である細菌とは異なり、非常に強い伝染力を持つとともに時に重症な結膜炎を引き起こします。アデノウィルス結膜炎にかかってしまった患者さんの 涙には大量のアデノウィルスが存在し、乾いた局面でも2週間以上生息して病原性を発揮します。ウィルスの付着したタオルで目をこすったり、ウィルスが付着しているものを 触った手で目をこすったりすると、1週間から10日間の潜伏期を経て、アデノウィルス結膜炎を発症します。伝染しないようにかなり気をつけていても、家族中で発病したり、 たくさんの患者さんが出て眼科病棟が閉鎖に追い込まれたりすることがあるほど、強い伝染力を持っています。したがってはやり目になってしまった場合には、適切な診断と 治療をしてもらい、許可が出るまでは学校など人の集まるところは避け、自宅療養を続けてください。        

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3.Title  なみだ目とドライアイ(涙が多いのにドライアイって?)

  最近、涙がよく出て困っています。いつもうるうるしているわけではないのですが、外に出て冷たい風にあたったり、パソコンをやっていたりすると急に涙が出ます。 眼科に行って、涙の通り道に水を通してもらったところ、つまっていないので心配ないといわれました。また、別の眼科ではドライアイともいわれました。何故、涙が 多くなるのにドライアイなのでしょうか?(30歳女性)    

  涙は、まぶたの上やや外側のほうで作られて、目元から鼻の奥に抜けていきます。涙は、眼に入ったゴミを洗い流しているだけではなく、眼の表面の栄養をしていたり、 微生物から眼を守っていたりと、非常に重要な役割をしています。したがって、涙が少ないと眼の健康が保てなくなりますが、逆に涙が多くなっても大変不快なもので、 まぶたの荒れの原因にもなります。涙が多くなる原因は、大きく二つに分けて考えることができます。一つ目には、あなたが検査してもらったように、涙道(るいどう) と呼ばれる涙の通り道が詰まってしまう場合、二つ目には眼に何らかの炎症があって、結果的に涙が多くなる場合です。今回は後者のようです。結膜炎や強膜炎、ぶどう 膜炎といった炎症性の病気などでも涙が多くなることがありますが、充血を伴うことが多いですし診断がつき易いと思います。ご存知のように花粉症などのアレルギー結膜炎でも、 涙が多くなります。内反症(ないはんしょう)や睫毛乱生(さかまつげ)などで、まつげが眼に当たっていたり、異物が入っていたりしても、涙がよく出ます。また、 ドライアイの場合でも重症でない場合には、反射性分泌といって刺激を受けたときに出る涙は、増加することがあるので、ドライアイでも流涙を自覚することがよくあります。 ドライアイの治療をすると、今感じている症状が治る可能性があると思います。        

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4.Title  目の前を黒いものが飛びます。(飛蚊症について)

  1ヶ月前のことですが、急に目の前に黒いものが見えるようになりました。初めのうちは蚊でもいるのかと思っていましたが、ずっと消えません。 当初は細かいものもたくさん見えていたような気がするのですが、今は、大き目の輪のように見えるものが、1つだけ見えます。痛くも痒くもなく、見え方も悪くないので、 放置していますが、医療機関に行ったほうがよいでしょうか?(41歳女性)    

  この症状は、蚊が飛んでいるように見えることから、飛蚊症(ひぶんしょう)と言います。実際には、シャボン玉のように見えたり、ゴミのように感じたり、 人によって見え方はいろいろです。視線を動かすと動いて見え、明るいところでは目立ちますが、暗いところではわかりにくくなります。硝子体(しょうしたい) という組織に生じた濁りをそのように感じる現象です。40歳以上で初めて出現した飛蚊症には、90%が病気ではない理由によるもの、10%は失明する可能性もある 重症の病気のまえぶれであるもの、という統計結果があります。ですから質問者の場合にも、病気の始まりである可能性もあります。病気の場合でも多くは、 痛くも痒くもありません。他の症状があるとすれば、見え方が少し悪くなる程度のことが多いです。網膜剥離(もうまくはくり)、硝子体出血(しょうしたいしゅっけつ)、 ぶどう膜炎などが代表疾患です。早めに眼科を受診することをお勧めします。飛蚊症の多くは病気ではないので、恐れずに受診して、病気でないことを確かめてもらっては いかがでしょうか。また、過去に飛蚊症を自覚し病気でないと診断してもらっていた場合でも、今まで見えていたものとは違うものが突然見えるようになった場合には、 改めて精密検査を受けたほうがよいと思います。病気が見つかってもすぐに治療することで事なきを得ることがよくあります。 

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5.Title  生まれつきの涙目(出生後から涙が止まりません)

  生後3か月の乳児です。生後すぐからの涙目で、産婦人科から眼科を紹介され、今も通院しています。生まれながらに涙道がつまっているとのこと、いずれ針を通すと 言われていますが、まだやってもらえません。このまま通院していてもよろしいでしょうか?早く通していただいた方がよいのではないでしょうか?(28歳女性)    

  このお子さんは先天鼻涙管閉塞症のようです。涙は、まぶたの上の方で作られ、まばたきにより目の表面全体を潤します。目の表面に広がった涙は、 目元の瞼にある上下の小さい穴(涙点といいます)から、細い管を通り鼻の奥に運ばれていきます。涙点→涙小管→涙嚢→鼻涙管→下鼻道という順序です。 涙嚢部以降の涙道を鼻涙管と呼びます。普通は胎生期に開くはずの鼻涙管の末端が、閉鎖したまま生まれてしまったものです。生まれてすぐからの涙目の原因にはこの他に、 内反症といってまぶたが内側に反ってしまっているためにおこるものや、まれですが涙点閉鎖などもありますので、よく鑑別していただいてください。先天鼻涙管閉塞症は、 5人から10人ぐらいに一人ほどいる病気で、外来ではよく遭遇します。教科書的には、6~7か月ごろまでに自然に開通することがあるとされており、私自身も様子を見ているうちに、 自然治癒した症例を数人経験しています。ですから、この主治医の先生が言われていますように、もう数か月間めぐすりや涙嚢部のマッサージなどで様子を見られてはどうでしょうか。 7か月過ぎても全く変わらず流涙を認めるときや、涙嚢炎と言って涙道に細菌感染した場合などは、早急に先天鼻涙管閉塞開放術(涙道ブジーなど)を行うことがよいと思います。 もちろん、眼科医の中でも生後3か月ほどで解放術を施行される先生がいらっしゃるのも事実ですが、今の主治医の先生にそのお子さんについて早く処置した方がよいかどうか十分 説明を聞いたうえでお決めになられたらよいと思います。        

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6.Title  コンタクトレンズの定期検査

  先日、目が痛くなって近くの眼科で診てもらったら、くろめに傷が付いているといわれ、コンタクトレンズ装用を中止するように言われました。 また、その際に定期検査を受けるようにと厳しく指導されました。コンタクトレンズは20年以上使っていますが、そのように厳しく指導されたのは初めてです。 メガネは使っていませんでした。定期検査は大切なのでしょうか。また、どれくらいの間隔で、受診すればよいのでしょうか。(41歳女性)    

  コンタクトレンズ(以下CLと略します)は、目の表面にのせる医療用具です。正しく使用していても、角膜に傷がついたり、重症の結膜炎をおこしたりしますし、 知らぬうちに角膜だけが年老いてしまうこともあります。当院でも、初診患者さんで20年ぶりに起こったCLトラブルによりCL装用中止となり、メガネを持っていないために その日から仕事ができなくなった方や、30歳代なのに60歳代程度の角膜になっている方に遭遇します。傷ついた角膜に運悪く病原菌が入って失明した方が、日本人でも数人 発見され、社会問題になっています。これには、CLクリニックの中でもCL安売り販売所となっている施設が、多数あることが関係しています。眼科的な保険診療をしながら、 実際には雇われている医師が眼科専門医ではなく、コンタクトレンズ処方をする際にも、管理の仕方や定期検査の重要性を全く指導しないのです。CLは、一部の特殊な場合を除いては、 常に使用しない方が目に良いと考えられます。角膜は大気中から酸素をもらっていますが、CLをすると、慢性の酸欠状態になります。メガネを多用して、CLを付ける時間をなるべく短く することも大切です。また、CLをしていると、痛みに強くなり(悪くいえば鈍感になり)多少傷がついてもわからなくなることがよく起こります。自覚症状がなくても定期検査をして、 傷がないか、そのCLを装着し続けてよいかを指導してもらってください。間隔は、状態によってですが、年に3~4回程度でよいかと思います。もちろん、頻繁にトラブルを起こす方や 基礎疾患のある方は、二週間に1回という短い間隔にするなど、定期検査を引き受けてくれる眼科専門医にお尋ねください。CLは正しい指導と管理のもとで使用すればすばらしい 医療用具となりますが、正しく使用しないと失明するような病気を起こしうるものであることを忘れないでください。      

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7.Title  緑内障が心配です

  先日、眼が乾いてドライアイのような気がしたので、眼科を受診しました。やはりドライアイだったのですが、そのとき、医師から緑内障の疑いがあると言われて、 次回に緑内障の精密検査をするように勧められました。眼圧は高くありませんでしたし、見にくいことはないのですが、精密検査を受けたほうがよいのでしょうか?(42歳女性)    

  緑内障には、いろいろな病形があるのですが、最も多いのがご質問者のように眼圧が高くなく、自覚症状に乏しい、正常眼圧緑内障と呼ばれるものです。15年以上前は、 眼圧が高くなること(眼が硬くなること)が緑内障の基本と思われていましたが、そうではなくなりました。40歳以上の方では、最近の統計によると20人に1人が緑内障であると 言われています。初期には眼の異常をまったく感じないため、別のことで眼科を受診して偶然発見されるか、人間ドックの眼底写真で異常を指摘され発見される場合がほとんどです。 緑内障は、気がつかないうちに視神経が障害を受けて、見える範囲(視野)が次第に狭くなってくる病気です。視野障害はかなり進行しないと自分で気づくことはありません。もちろん、 急激に眼圧が非常に高くなり、視力が低下し、数日放置すると失明してしまうような急性緑内障やその他の緑内障も、頻度は少ないですがあります。緑内障の精密検査として、 最も重要なものは眼底検査です。散瞳(目薬で瞳を拡げる)して詳しく視神経の状態や網膜の状態を調べます。また、視野検査や再度の眼圧検査、隅角検査も重要です。 緑内障と診断されても、すぐに失明してしまうことはありません。多くの場合には、目薬の治療で進行をとめることができます。複数の目薬や飲み薬、レーザーの治療などによっても、 進行を食い止められない場合には手術治療をする場合もあります。注意すべきことは、おきてしまった視野障害はどんな治療をしても取り戻せないことです。早期に診断して、 早期に治療することによって進行しないようにすることが重要です。ご質問者の場合も、是非早めに検査をお受けになることをおすすめします。  

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8.Title  近視と老視(メガネをかけると近くが見えにくくなります)

  もともと近眼だったので、遠くはメガネをかけないと見えにくかったのですが、最近はメガネをかけていると近くが見えにくくなりました。遠くは、そのメガネでよく見えますし、 メガネをはずせば近くもよく見えるのですが、メガネを作り直した方がよいでしょうか?(47歳男性)    

  老視(老眼)を感じ始めたようです。近視(いわゆるきんがん)とは、近くはよく見えますが、遠くがよく見えない屈折状態のことです。他に疾患のない近視の場合は、遠用眼鏡 (遠くがよく見えるメガネ)をかければ問題なく遠方を見ることができます。一方、老視とは、調節力の減退です。これは、20歳代から始まります。正視である(近視も遠視も 乱視もない)高校生でいえば、遠方がよく見えて、近距離も目の前8㎝のところまでピントを合わせることができます。この遠くから近くまでピントを合わせる力を調節力と呼びます。 この調節力は20歳代から徐々に落ち始めて、40歳代後半になると近くでピントの合う距離が読書できる距離(33㎝)を超えてしまうのでこれを、老視(老眼)と呼んでいます。 近視の方では、メガネ(遠用眼鏡)をかけた状態で、正視の方と同様に考えることができます。すなわち遠用眼鏡をかけた状態では、年齢とともに近くが見えなくなっていきます。 この質問者の方のような近視の方は、メガネをかければ遠くがよく見える一方で、45歳を過ぎるとメガネをはずさないと近くがよく見えません。これは、老化現象であり、 病気ととらえなくても良いと思います。ただ、調節力の減退にも個人差はあります。また、強すぎる遠用眼鏡を使用していると、遠方は何不自由なく感じていても、近くが 病的に見えにくく感じたり疲れやすくなったりしますので、遠用眼鏡が正しい度数かどうかや、単に屈折状態や調節力の問題だけであって、ほかに病気がないかどうかも 眼科を受診して調べてもらってください。さて、この方の対処法についてですが、もともと近視の方は、メガネをはずせば近くがよく見える状態ですから、ある程度は近視が 老視を相殺してくれると考えることができます。眼科を受診して、別の病気がないとなった上でのことですが、しばらくはこのまま遠用眼鏡をかけて、近くが見にくい時にははずして 裸眼でやっていただく、もしくは、遠くを少し見えにくくしても許される状況であればメガネの度を少し弱くすれば、かけたままでも近くが見やすくなります。    

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9.Title  結膜下出血(しろめが真っ赤です)

  目がちかっとしたような気がして、鏡を見たらしろめが真っ赤になっています。充血しているというより、絵の具を塗ったようにべたっとした赤さです。今は、痛くもかゆくも ありません。一年前にも同じようになった記憶があるのですが、放っておいてよいでしょうか?(42歳女性)    

  結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)のようです。これは、結膜の血管が切れて出血するものです。直径1mm程度の大きさの場合もあれば、しろめ全体が真っ赤になり盛り上がるほどの 大きさになる場合もあります。原因は、多くの場合機械的な刺激で、例えば目を打撲したときや、寝ているときや汗を拭うときなどに目をこすったりするためではないかといわれています。 これ以外に、血液の病気や常用薬(心筋梗塞後や脳梗塞後に血液をサラサラにするお薬など)のために血液が固まりにくくなっている場合に起こり易いです。最近の研究では、 結膜弛緩症(しろめのかわがたるんだ状態)があると結膜下出血が起こり易いといわれます。糖尿病や高血圧などによる血管異常をあげる報告もありますが、全く思い当たることがない 場合もよくあります。ほとんどの場合、ご質問者のようにしろめが赤い以外には症状はありませんが、時に異物感を生じることがあります。様子を見ていれば1週間程度で消失することが 多いと思いますが、結膜下出血だと思っていたら結膜炎や他の病気の場合もありますので、念のため眼科を受診した方がよいでしょう。頻繁に生じる場合は血液の病気が隠れていることが ありますし、結膜弛緩症がある場合には手術の適応になることがあります。1年以内に職場検診や市民検診などの健康診断や、内科などを受診して血液検査を受けていない場合には、 全身検査(血液検査や血圧のチェックなど)をお受けになって基礎疾患がないかどうか診てもらうこともお勧めします。    

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10.Title  糖尿病眼合併症(糖尿病で目が心配です)

  骨折で入院した際に、糖尿病と言われてしまいました。今は、内科に通院しており、目のことは言われていませんが、知り合いの人に糖尿病で失明した方がいて眼科に行くように 勧められました。現在は目の症状は全くありませんが、眼科を受診した方がよいのでしょうか?(38歳男性)    

  糖尿病患者さんは全国で700~800万人ほどいて、毎年3000人以上が糖尿病のために失明しているといわれます。 糖尿病からくる目の病気は、糖尿病網膜症、白内障、 眼筋麻痺、角膜障害、虹彩・毛様体炎、屈折異常、調節障害、緑内障、虚血性視神経症などがありますが、このうち最も注意が必要なのが糖尿病網膜症です。網膜症は、 眼球の奥底(眼底)すなわちカメラでいえばフィルムに相当するところに、小さい血管のこぶができたり点状出血したりすることから始まります。痛くもかゆくもなく、 視力も全く悪くならないまま、出血は次第に増加していき、増殖性病変に移行します。さらに進行して硝子体出血や網膜剝離になります。このころになると見えにくさを 感じるようになります。増殖性変化を示す前からレーザー光線の治療をすると進行が抑えられますが、この時期を逸するとレーザー治療はできなくなり手術しか手がありません。 ただし、手術しても視力が元のように戻らない場合もよくあります。このように網膜症は始まっても自覚症状がでるのはかなり病気が進行してからになるため、長い間気づかれません。 失明寸前になって初めて気づくと言っても過言ではありません。糖尿病が中途失明者の原因の第1位となってしまうのはこのためです。したがって、糖尿病がある方は、 自覚症状が全くなくても定期的な眼科受診が必要です。まずは、眼科を受診して網膜症やその他の眼合併症がないかどうか、またどのくらいの間隔で通院が必要か、 詳しく診断してもらってください。        

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11.Title  学校視力ABCD(子供の視力1)

  小学校3年生の息子が、学校で視力検査を受けました。去年は、AとBだったように思いますが、今年はBとCとなっていて、医療機関への受診のお勧めがありました。 本人は特に何も言っていませんし、見えにくそうに思いませんので、放置しておいてよいでしょうか。それともお勧めに従い、眼科?を受診した方が良いでしょうか? (37歳二児の母)   

  学校での視力検査は、照度などの検査環境を整えたり厳密な検査をしたりすることは難しいため、最近では『見え方検査』などと呼ばれる傾向にあり、眼科で行われる正式な視力検査 ではありません。しかし、大まかな視力を判断するには適切な眼科検診の一つと考えられています。この『見え方検査』では、1.0以上をA、0.9~0.7をB、0.6~0.3をC、0.3未満を Dと表記することになっています。またカッコ内に記載されている視力は、眼鏡やコンタクトレンズをつけた状態で測定した視力です。お母様からのお話からですと、 昨年は右目が1.0以上で左目が0.7以上だったのに、今年には右目が0.9~0.7へ落ち、左目が0.6~0.3へ落ちてしまったようですね。かなり大雑把に言うと、 教室の黒板の字が見えるには両眼で0.7以上あれば良いとされます。ですから、このお子さんの場合には、右目だけで0.7以上はあるので、おそらく両眼では0.8以上は見えるのでは ないかと想像されます。ですから、学校生活ではあまり困ることは無いかもしれません。しかし、はじめにも述べましたように、『見え方検査』は正確な視力検査ではありませんので、 是非、眼科を受診してください。実際に視力検査を行うともっと見えなかったり、視力低下の原因としてさかまつげや結膜炎が関係していることがわかったり、別の病気が見つかったり することもよくあります。また逆に、非常に良い視力であることや、心因性視力障害といってこころの問題がかかわっていることが見つかる場合もあります。 お住まいの地域によって多少異なるかもしれませんが、基本的には両眼ともAもしくは(A)の場合を除いては、受診のおすすめが配られることになっていると思います。 お察ししますと、昨年は眼科を受診しなかったようですね。早めに対処すればよくなる病気もありますので、お子様の健康状態にも関心を持っていただき、学校での 『見え方検査』や定期健診の結果を有効に利用してください。    

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12.Title  めいぼ、めばちこ、ものもらい(麦粒腫)

  1週間ほど前に右目が痛くなって、鏡を見たら上まぶたが腫れて赤くなってきました。少し痛みは和らいできたように思いますが、しこりがあるようでなかなかひきません。 メンボだと思うのですが、放っておいてよいでしょうか。1年前に下まぶたにできた時には、眼医者に行ってもらった眼薬ですぐ治ったのですが、今回はその目薬をつけても 治らないのです。またコンタクトレンズをつけているのですが、中止した方が良いでしょうか。(23歳女性)    

  いわゆる“ものもらい”のようですね。正式には麦粒腫(ばくりゅうしゅ)といいますが、“めいぼ”“めばちこ”など地域によっていろいろな呼び名があるようです。 麦粒腫は、まつげの根元にある汗腺や脂腺もしくはまぶたの内側のマイボーム腺という組織に細菌が感染してできるおできです。抗菌剤の内服や抗菌剤の点眼により、治療します。 お薬だけで治ることもよくありますが、お薬でよくならない場合には切開して膿を出します。早いうちのほうが、また、過去に抗菌剤を使用していない場合のほうが、 治り易いと思います。つまり、頻繁に抗菌剤の点眼を使用していると耐性菌が発生しやすいので、むやみに抗菌点眼を使用していないほうが効き易いと考えられます。時に、 医療機関で処方された目薬をずっととっておいて時々使用している方がいらっしゃいますが、目薬も古くなるとその中で雑菌が繁殖しますので、かえって危険です。 その都度病状にあったお薬を処方してもらい、一時的にでも使用しなくなった目薬は捨てましょう。また、コンタクトレンズは、ある病気があってその治療目的で使用している 場合を除いては、健康な目に使用するものですから、目の調子が悪い場合には使用しないでください。麦粒腫が何度もできる場合には、特に高齢者の場合には悪性腫瘍のことがあるので、 注意が必要です。麦粒腫とよく似ているもので、霰粒腫(さんりゅうしゅ)という肉芽腫性の炎症疾患があります。この場合には、ステロイドの点眼や注射が有効です。 逆にステロイドの点眼は細菌やウィルスの感染を誘発しますので、自己判断せず、眼科を受診して的確な診断と正しい治療をお受けになってください。     

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13.Title  花粉症の眼病予防

  私は、4~5年前から花粉症なのですが、4月のこの時期、目がかゆくて涙も出てきて困ります。鼻水や鼻詰まりは少ないほうだと思います。いつもは市販の目薬を使用して、 ひどい場合に眼科を受診します。カップをつけての洗眼もやってはいるのですが、コンタクトレンズを使っているので毎日はできません。内科の先生から花粉症予防のお薬を もらうこともありますが、目のかゆみが強いです。何か良い予防法はありませんか?(29歳主婦)    

  地域により若干の違いがありますが、この原稿がサイトに載る3月は、スギ花粉症が猛威をふるっているかもしれませんね。ご質問の予防法ですが、これだけでよいという ものはありません。まずは、やや遅いかもしれませんが花粉がたくさん飛びだす2週間ぐらい前から抗アレルギー剤の内服や点眼を始めておきます。 ただ、実際にスギ花粉は11月には飛び出す準備が完了しているということですから、例年の症状の強弱と花粉の量を参考にして、主治医の指示に 従ってください。ご自身の対策としては、花粉症情報を入手して大量に飛散する日には外出を控えてください。やむを得ず外出するときには、マスクとアイガード(保護メガネのこと、 眼鏡の上からかけられるタイプもあります)を装着し、特に目の場合には、花粉を浴びる前から抗アレルギーの点眼をしておくと症状が軽くて済みます。市販の点眼薬の中には、 充血を取る作用のものがあり、長期間連用すると逆に充血しやすくなってしまうので、このタイプのものはお勧めできません。また、ステロイド剤を点眼している場合には、 眼圧のチェックが必要です(この眼科Q&A1「花粉症と眼薬」参照)。洗眼については、やはり市販のカップを目にあてて行うものは涙の成分 以外の不必要な薬液が入っていることや目の周りの皮膚の細菌などをかえって眼の中に入れてしまう可能性が考えられますのでこれもお勧めしません。洋服を玄関前で払ってから 帰宅してよく顔を洗って、人工涙液(涙の成分以外には不要なものが入っていない点眼薬)をたくさんつけて眼の中に入ってしまったと考えられる花粉を洗い流すことをお勧めします。 それでも症状が悪化していく場合には、眼科を受診しなおして強い治療に切り替えてもらってください。    

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14. Title  近視手術(レーシックって何ですか)

  最近、芸能人やスポーツ選手などで近視のレーザー手術を受けた方のお話を耳にします。レーシックというものらしいです。私自身も、かなりの近視なのですが、手術を受けたほうが よいでしょうか。普段は、使い捨てソフトコンタクトレンズを使っていてよく見えるのですが、時々購入しなくてはなりませんし、はめはずしが面倒です。眼鏡はなるべく 掛けたくありません。また、子供(13歳)も近視で今回コンタクトレンズを作ったのですが、子供でも手術が可能でしょうか。(42歳女性)    

  屈折矯正手術とは、近視や遠視、乱視などの屈折異常を治す手術の総称です。レーシックというのは、屈折矯正手術のうちレーザーで行う手術の中心で、1999年に、プロゴルファーの タイガーウッズ氏が受けて以来、日本でもかなり有名になってきました。レーシックの詳細については、また別の機会にお話しできるかと思いますのでここでは省略しますが、 短時間で終わり、両眼同時期に手術が可能です。入院の必要もありません。ただこの手術の適応となるのは20歳以上で視力が安定していること、 その他いくつかの基準が設けられています。したがって、お子さんには適応になりません。また、国民健康保険は使えませんので、手術前の診察から手術、手術後の経過観察まで すべてが自費の診療になります。日本でこの手術が認可されたのはまだ2006年10月の話ですが、すでに日本でも年間20万件ぐらいは行われているようです。アメリカでは年間250万件 ぐらいとの話を耳にします。非常に短時間で済みますし、実績もありますから、コンタクトレンズ(以下CLと略す)装用で問題がある場合には一度考えても よいかと思います。ただ、やはり手術ですから頻度は少ないですが合併症はあります。長期経過後の合併症もありますので、くれぐれも慎重に考えてください。施設の選択も重要です。 手術の合併症については、日進月歩の激しい分野なこともあり正確な頻度が不明です。説明会を利用して、手術を担当してくれるドクター個人の経験年数と、レーシック手術のみでなく 他の屈折矯正手術の経験や屈折矯正手術以外の眼科手術の経験も参考にしてください。最もお勧めの方法は、日頃から診察を受けている眼科専門医から紹介してもらうやり方です。 著名な眼科医自身も手術を受けている方がいらっしゃいますので、かなり安全な手術となっていることは事実ですし、私のクリニックでもCLで頻繁に 問題を起こす方には薦めています。しかし手術治療であることに変わりはありませんから、CLでの生活に何ら不都合を感じてみえない方にはお勧めしていない のが現状です。    

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15.Title  眼の打撲 (どの程度のぶつけ方なら眼科受診すべきでしょうか)

  子供の眼の打撲のことで教えてください。7歳と4歳の子供がいるのですが、兄は少年野球をしていてよく目をぶつけます。先日グローブが当たったそうですが冷やしただけで 放置していたら次の日見えにくいと言い出したので、眼科受診させました。眼の中に出血しているといわれ、かなりの重症でした。すぐ受診させるべきだったと反省していますが、 子供ですからよく目をぶつけることがあります。どの程度のぶつけ方なら受診させる必要があるのか教えてください。(36歳母)   

  大変よい質問です。基本的に強く眼をぶつけた場合には早めに眼科を受診したほうがよいと思います。私のいる名古屋市では教育委員会と学校医(眼科)会の決め事でそのよう に勧めています。鋭利なものではなく鈍的に眼をぶつけた場合には、外見上なんともなさそうに見えても瞳の周りが傷ついて眼の中に大量に出血したり、水晶体という組織 (カメラで例えるとレンズの部分)がずれてしまったり、眼底(眼の底の部分、カメラに例えるとフィルムに相当する部分)に穴が開いたり出血したりします。眼の中に出血すると 多くは見えにくくなりますし、安静が必要になります。また、眼球内には重度の障害がなくても打撲によって、眼の周りの薄い骨が折れることがあります。この場合は眼を動かすと 痛かったり、二重に見えたり、ぶつけたのは眼だけのはずなのに鼻血が出ることがよくあります。この怪我の場合は鼻をかむと症状が悪化しますので、ご注意ください。ほかには、 まゆ毛の外側を強打した場合には、視神経の周りの骨に影響して極端に視力が低下してしまうことがあります。外傷性視神経症といいますが、薬物治療や時に手術などの治療をすぐに 始めないと永久の視力障害が残ることがあります。子供に限らず、眼をぶつけて痛むときや見えにくいときもしくはかなりまぶたが腫れたときなどは、早めに眼科受診をお勧めしますが、 中でも見え方がおかしい場合(ぶつける前より見えにくいときや両目で見ると二重に見えるときなど)は可及的速やかに医療機関を受診してください。        

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16.Title  弱視(じゃくし)とは

  5歳の子供のことで教えてください。来年小学校に上がるので就学前健診を受けたところ、視力が悪いからとのことで、眼科受診を勧められました。精査したところ、 弱視といわれました。めがねをかけても0.5しか見えないとのことです。弱視というのはどういう意味でしょうか。また、よく見えるようになりますでしょうか。 遠視とも言われ、眼鏡をかけ続けて治療するといわれました。放置しておいてはいけないのでしょうか。(27歳母)    

  弱視とは、医学的には斜視や遠視、乱視、左右眼の屈折状態が著しく異なる場合、疾病によるもの、などが原因で視力が正しく発育しなかった場合をいいます。 視力は生まれながら持っている機能ではなく、獲得していく機能です。通常は3歳で、8割方の子供は大人と同じように矯正すれば1.0以上見えます。 弱視という言葉には医学的弱視とは別に、発育障害のみでなくその後の疾病等も含めて何らかの理由で両眼とも視力不良の場合、生活上問題となる0.04以上 0.3未満のものを社会的弱視もしくは教育的弱視と呼ぶ場合がありますから、少し紛らわしいですね。ご相談者の場合には、遠視のために視力がうまく発育 していないようです。放置してはいけません。軽度の遠視の場合には放置しておいても視力が発育することもありますが、現状では視力の発育が不良です。 このような弱視では、両眼視(遠近感や立体感など)もうまく発育していません。教科書的には小学校低学年で、視力の発達はほぼ終了してしまいます。大人に なってから治そうとしても治せません。医学的弱視を治すのは視力の発育が終了するまでの期間だけです。幸い遠視のみのようですから、眼鏡をかけさせる、 もしくはその上に健眼の遮蔽を加えれば、徐々に視力が出てくると思います。将来的にはメガネをはずせる場合もありますし、コンタクトレンズという手もあります。 治せるのは今の時期だけですからしっかりと治療してください。頑張ってください。      

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17.Title  子供の目つきがおかしい(斜視って何)

  子供の目つきが変です。今1歳3ヶ月で、健診では異常を言われていないのですが、祖母から目つきが変だといわれました。気にしてみると、どうも左目が中に入ってしまうように 思います。斜視というものでしょうか。物をつかんだり追いかけたりしますから、よく見えているように思うのですが、見えていないのでしょうか。自然に治りますか。(27歳母)    

  片方の目は視線が正しく目標とする方向に向いているのに、もう片方の目が内側や外側、あるいは上や下に向いている状態のことを斜視と言います。俗に「やぶにらみ」や 「ロンパリ(一方の目でロンドンを見ているのにもう片一方の目でパリを見ているという意味と思われます)」などと言われます。 内側によっていれば内斜視、外側に離れていれば外斜視、上を向いていれば上斜視、などと呼びます。斜視には眼鏡で治るもの、弱視に伴うもの、麻痺性のもの、 原因不明のものなどいろいろな種類があります。眼鏡で治るものの代表が、調節性内斜視という状態です。その多くは、強い遠視のために内斜視となってしまうもので、放置すれば 斜視が治らないだけでなく弱視になってしまいます。早期に発見して、遠視を矯正するメガネをかけてさせておけば、内斜視も弱視も治ります。まずは、医療機関を受診して、 本当の斜視なのかどうか診断してもらうとよいでしょう。斜視のように見えて斜視でないものを偽斜視と言いますが、乳幼児では鼻が低いため内斜視のように見える偽内斜視も多いです。 このお子さんもその可能性が高いように思います。偽斜視であれば異常ではありませんから何の問題もありませんが、乳児でははっきりしない場合もあります。 正しく診断できない場合には視力がしっかり測れる3歳ぐらいまで経過観察が必要となることもあります。    

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18.Title  眼に悪い目薬・その1「充血をとる目薬」

  眼が赤くなったので、眼科に行ったら、結膜下出血と言われました。また、いつもさしている市販の目薬が良くないとも指摘されました。赤みがとれますし、さすと気持ちがいいので、 目薬は若いころからずっとほぼ毎日使用しています。ただ、最近、今回のように出血することが多くなりました。目薬なのに眼に良くないとはどういうことでしょうか?目医者さんの 目薬では充血がとれませんし、気持ち良くないので、出血が引いたらまた市販の目薬を使い続けようと思いますが、いかがでしょうか。(52歳男)    

  良い質問です。結膜下出血については、しろめが真っ赤になってしまうものですが、前述の結膜下出血を参考にしてください。市販の目薬の中には、 充血を取る作用のあるものが多くあります。テトラヒドロゾリンやナファゾリンなどが入っている目薬です。これらの物質の薬理作用は血管を収縮させるものです。ですから、 点眼後には充血がとれるというより、白い目になります。毎日のようにさし続けますと、目薬の効果がきれてきた時には何の目薬もさしていなかった頃よりももっと充血が目立つように なります。血管が弛緩してしまうためです。連用し続けることによって、結膜の血管は収縮と弛緩を繰り返しますので、破れやすくなることは想像しやすいと思います。 このような理由で今回のように結膜下出血をきたした可能性があります。診察した先生はそのことを指摘されたのだと思います。充血を取る目薬をやめると一時期は、 かなり充血が目立ちますがしばらくすると元に戻りますので、眼科医と相談して、中止後にその充血が病的かどうか調べてもらって対処するのが良いと思います。ただ、 長い年月点眼していた場合には短期間で治るのは難しいこともあります。薬局で簡単に購入できる目薬でも、点眼し続けることによって副作用ともいうべき状態が出ることがありますから、 長期の連用はやめたほうが良いと思います。今回ご紹介した血管収縮剤は、カップを用いて目を洗う洗眼剤にも入っている場合がありますので、これも常用するのはおやめ下さい。    

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19.Title  親の白内障手術いつにする

  母親から、通院中の眼科で白内障の手術を勧められたと、相談されました。同居していませんし、その眼科の先生から詳しく聞いていませんのでどの程度なのかよくわかりませんが、 受けさせるべきでしょうか。視力がどれくらいになったらしてもらうべきでしょうか。高血圧や何かで内科にも通院していて、薬を飲むのが大変だといっていますが、 見た目は健康そうな69歳です。私が聞くとそれほど見えにくいとは言っていないのですが。(44歳娘)    

  白内障は、お年をとればどなたでもかかる病気で、目の中の水晶体という光を集める組織が混濁します。先天性や薬剤性などもあり、赤ちゃんにもおきる病気ですが、 一般的には高齢者に多いです。手術時期は高齢者の場合には、他の眼の病気のために白内障の手術をしなければならない場合を除くと、本人がどのくらい日常生活で困るかで 決めるとよいと思います。例えば、現在の日常生活であまり不自由を感じていなければ手術を受けるのは1カ月延ばしにして、あわてる必要はないと思います。 運転手さんなどで雨の日の矢印信号が見えないなど、職業上支障をきたす場合には、逆に視力が(1.0)以上あっても、手術を早くした方がよいと思います。白内障の手術は 10年以上前と比べて合併症の少ない、短時間で終わる手術となっていますので、寝たきりの方や全身的には重症の病気をお持ちの方でさえも、行われるようになっています。 ですが、眼の中をいじる手術であることに違いはなく、手術さえしなければ少しは見えていたのにと思うような、予期せぬ重篤な合併症が手術中もしくは手術後に起こることも 頻度は稀ですがあります。まず、お母さまがどれくらい不自由に感じているかを具体的に聞いてみてください。正しいメガネをかけても新聞の字が読めないとか、 好きな趣味がやりにくいかどうかなどです。担当の先生にも、他の病気が関係するから早くやるべきなのかなども、詳しく聞いてみてお決めになるのが良いと思います。    

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20.Title  まぶたのピクピク

  1か月ほど前から、右側の上まぶたがピクピクけいれんします。疲れた時になるように感じます。左はなりません。長く続く時もありますが、気づくと止まっていたりします。 原因は何でしょうか。顔面神経麻痺なのですか。痛みはないのですが、最近パソコンをしすぎたせいか、視力が下がったように思います。眼科に行った方がよいでしょうか。 簡単に止める方法はありますか。(27歳女性)    

  眼瞼けいれんのようです。まぶたの筋肉が、意志とは関係なくピクピクけいれんしてしまうものです。多くの場合は、原因は不明です。顔面神経麻痺とは全く違う病気です。 小児の場合には、チックやヒステリーなどの心因反応が原因の場合があります。他には、角膜や結膜の異物や傷など何らかの刺激感が原因となる場合もあります。薬剤の副作用の 場合もあります。片側性の顔面のけいれんに伴うものもあり、これは表情を作る顔の筋肉を動かす神経が、脳内の血管に圧迫されて起こるとされますが、時に脳腫瘍や血管のコブなどが 原因となっている場合があります。いずれにしても、眼科と神経内科を受診して原因を調べることがよいと思います。原因が見つかればそれに対する治療を行い、原因不明の場合には 経過観察することが十年前までは多かったように思います。近年はある薬剤を注射することによって、劇的に改善することが知られています。ボツリヌス毒素と呼ばれるものです。 名前から想像すると特殊な治療のように思いますが、心配ありません。重篤な合併症も報告されておりますが、頻度的には稀であり、米国では、特発性眼瞼けいれんの場合には、 他の治療に先行してまず行われる治療となっているそうです。3~4か月に1回打ち続けなければならない方もいますが、初期にこの治療をすると完全に症状が出なくなってしまうことが 報告されており、私自身も経験があります。まずは、正しく診断をしてもらい、適切な治療をお受けになることをお勧めします。    

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21.Title  くろめにできもの

  半年ほど前から、何となく充血するように思っていましたが、くろめに白っぽいできものがあります。眼科を受診すると翼状片(よくじょうへん)と言われました。 その先生は放っておけばよいと言われましたが、時々充血しますし、重い感じがします。人から変な目で見られているような気がして早く取ってしまいたいのですが、放って おいても治りますか。ガンになってしまうことはないのでしょうか。(39歳女性)    

  翼状片は、よくある良性疾患です。多く見られるのは鼻側の眼球結膜(しろめ)から、角膜(くろめ)の中央に向かってのびる三角形様の血管が入ったできものです。 瞼裂班というしろめのできものが大きくなっていって角膜に侵入してくるものもありますが、多くの場合は原因不明です。紫外線との関連や粉塵などの機械的刺激が誘因として考えら れており、戸外で陽を浴びることの多い仕事をする方に多く見られます。角膜異物などのケガや病気のあとにできるものは偽翼状片として区別されます。良性の変性疾患ですから 誤診がない限り悪性化することはないと思います。逆をいえば鑑別疾患として悪性腫瘍のこともまれにはありますし、経過観察は必要です。放置しておいて治ることはまずありません。 通常は、数年から数十年を経て角膜中央に進展します。瞳孔領(瞳の真ん中)近くに及ぶと視力が低下します。視力が低下してから手術するのは少し遅いと考えます。切除したところにも 白い瘢痕が残ることがあり、視力障害が永久に残ってしまう場合があるからです。手術自体は難しくありませんが、再発することが時にあります。報告者によってまちまちですが 10~40%程度です。ある程度経過観察した後に、どうしても気になるようであれば、切除してもよいと思います。まずは、しばらくの間信頼できる先生に経過観察していただくのがよい でしょう。抗炎症剤などの点眼で、充血が引いているとあまり目立たないこともあります。    

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22.Title  目に良い食べ物

  仕事で1日中パソコンを見ています。最近、遠くも近くも見えにくくなってきたので、友人に相談したところ、ブルーベリーのドリンクを勧められました。 彼女はそれを飲みだしてからすごく見やすくなったと言います。ブルーベリーは目に良いのは知っていたのですが、少し値段が高くてどうしようか迷っています。 私のような症状の場合、効果がありますか。他に何か、目に良い食べ物がありますか。教えてください。(40歳女性)    

  大変よい質問ですが、難しい質問です。お話からすると、比較的軽い遠視だったのではないかと思います。目の調節力は、成人以降次第に低下しますので、「遠くも近くも見えにくい」 という具合になってしまったかと想像します。まずは、眼科に行って正しく診断してもらうことが必要と思います。目に良い食べ物としてのブルーベリーですが、抗酸化物質の ポリフェノールの中のアントシアニンという物質が多く含まれています。これが目に良い理由ですが、医学的にエビデンスが確立しているとは言えない、即ち日常で人の目に効果が あるかわからないと思います。最近では、同じアントシアニンが含まれているものでもカシスのほうが良いという説もあります。有名な眼科医の受け売りですが、目に良い食べ物を考える より、体に良い食べ物を考えるほうがよさそうです。抗加齢医学として考えると、抗酸化物質は良さそうです。最近ではポリフェノールの中のレスベラトロールという物質が良いそうで、 ピーナッツの皮や赤ワインに多く含まれているとのことです。失明原因としての上位を占める加齢黄斑変性の予防にはルテインやアスタキサンチンが有効とされています。また、ビタミン A、C、Eも重要とされています。しかし体に良い食べものがどれかを医学的エビデンスとして確立するには、検討項目が多すぎて単純にこれが良いと結論しにくいと思います。 健康食品としての何らかの商品を探すより、毎日野菜とフルーツを摂取することがよいことは明白と思いますし、私自身はそのように患者さんに説明しています。    

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23.Title  視力の発達

  生後3か月の赤ちゃんがいます。いたって健康で身長や体重は順調に成長しています。首が据わってきて縦抱きができるようになったのですが、私のほうをあまり見てくれません。 友人の子は4カ月なのですが、あやすと他人の私のほうをじっと見つめてくれるし目でものを追うので、目がよく見えているように感じるのですが、 私の子は目が見えているのか心配です。まだ見えていないのでしょうか?赤ちゃんはいつ頃から見えるようになるのでしょうか?(28歳女性)    

  視力は、持って生まれる力ではなく、生後に獲得していくものとされています。当然大人と同じような正確な視力は、3~4歳ごろにならないと測ることができません。乳幼児の視力は、 眼振という目の揺れを測定することや、縞の指標を見せて注目するかどうかを見たりすることで測定します。これらのデータをまとめた教科書によれば、おおよそ生後1か月で0.03、 3か月になると0.1、6か月で0.2、1歳ごろに0.3~0.4となるとのことです。3歳では8割方の子が1.0以上の視力が出るようになります。ですから質問者のお子さんの場合には 0.1ぐらいは見えているのではないかと思います。0.1というのはCの字がたくさん並んでいる視力検査表でいえば、一番上の大きな指標の切れ目がわかる程度のものです。 その程度の視力ですから、お母さんの顔をじっと見つめていないからといって見えていないとはいえません。あまり心配しなくてもよいかと思います。 もちろんくろめが極端に大きかったり、瞳が白く光って見えたり、瞳のかたちがおかしいなど外見上明らかに異常に見える場合には、眼科受診をしてください。 成長は人によって早い遅いがあります。視力の発達もそうです。3か月では目でものを追いかける追視という機能が見てとれるようになる時期ですから、それがあれば少なくとも 片目は見えていると考えてよいでしょう。大事なのは、3歳児検診です。3才での視力検査は大変重要です。この時期に見えていないで放置されると弱視になる可能性が生じます。 これについては、別の機会に書きたいと思います。    

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24.Title  遠視って何ですか?

  最近目が疲れて見えにくくなりました。1年ほど前から近くが見えにくくなってきて、老眼の始まりだと思い、メガネ屋に行ってメガネを作りました。近くはメガネをかければ見える のですが、裸眼では遠くも近くもよく見えなくなってきました。眼科で見てもらったところ、遠視と言われ、常時メガネをかけている必要があるといわれました。遠視って何ですか? よく見える目とは違うのでしょうか?時々メガネをかけるのではダメでしょうか?(43歳女性)    

  近視いわゆる近眼の方がわかりやすいので先に説明します。近視では遠くのものがよく見えません。遠方の物体は網膜(カメラのフィルムに相当する部分)より手前で焦点を結んでしまう ためです。ですから、近くの物体では焦点が合い、よく見えます。これに対して、遠視は、焦点を結ぶ位置が網膜より後ろにあるため、遠くの物も近くの物もよく見えません。ただし、 読書をする時のように調節という機能を無意識で行いますから、軽い遠視の場合には、遠くの物はよく見えます。しかし、遠方を見る時からすでに調節を使ってしまうので、近くの物を 見るときには調節能の限界が来てしまい、近くがよく見えないということになります。つまり軽度の遠視では、どちらかというと遠くがよく見え、近くが先に見えなくなるので、 老眼が早く来たように感じます。強度の遠視では、近くも遠くもよく見えないため、子供のうちからメガネを常用するようになります。ご相談者の場合には、比較的軽度の遠視と 考えられます。調節力の旺盛な成人以前は自慢するほど遠くがよく見えていたかもしれませんね。医師に勧められたように遠視の眼鏡を常用するのがよいです。そうすればしばらく 老眼鏡(近用鏡)を必要としないと思います。この遠用鏡は常用せずに時々掛けるのはお勧めしません。常用しにくくなりますし、かけていないときには、絶えず調節力を使うことを 余儀なくされるため目が疲労しやすくなり、頭痛や肩こりの原因にもなります。    

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25.Title  眼圧が高いって?

  会社の健康診断にて、眼圧が高いと指摘されました。眼科で精密検査をしましたら、右目が24、左目が25と言われました。健康診断では、右目が25で、左が22だったので、 右の方が悪いと思っていたのに反対の結果でした。今のところ、緑内障ではなく、定期検査を受けるように言われました。眼科での検査でも、空気がプシュッとでる機械で測った場合と 先生が測った場合とが違っていました。眼圧って何でしょうか?こんなに数値が違うものでしょうか?どんなことに注意すればよいでしょうか?(28歳女性)    

  眼球は、名前の通り球状をしていてある程度の弾力性があります。この眼の硬さが、眼圧です。通常は水銀柱 (mmHg)で表示され、正常値は10mmHg〜21mmHg(日本人の上限値は20mmHg) とされます。空気を噴射する非接触型の眼圧測定器は、簡便であり眼に接触しないため衛生的である反面、測定誤差が大きいとされます。通常は、3回測ってその平均値を眼圧値とします。 眼科医が機械を使って測定した眼圧は、点眼麻酔が必要で眼に接触しなければなりませんが、比較的信頼性が高い数値とされます。眼圧は、緑内障などの病気がない方でも日内変動が 3〜6mmHgありますから、測る時間によっては数値が変ります。また、1~2mmHg程度は測定誤差もありますから、 その時々の値が違っても心配ありません。調査結果によれば、横になっている姿勢の方が座っている姿勢より高いことや夏より冬の方が高くなり易いこと、近視の方は高くなり易いこと、 角膜が厚い方は高く出易いことなどがわかっています。運動やアルコール摂取は一過性に下がり、カフェインや大量の飲水は上げる可能性があります。血圧が上がると眼圧も上がると されますが、10mmHgに対して1mmHg以下程度しか上がらないとの報告があります。私の外来で高眼圧の方にお話していることは、 毎日わざわざ大量の飲水をするとかずっと倒立し続けるなど、通常は考えにくい生活を行わなければ極端に眼圧に影響することは少ないと考えて、あまり生活上制限することは無いと しています。    

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26.Title  チカチカと光ります(光視症)

  数日前から、時々チカチカと光が飛んでいるように見えます。誰かに懐中電灯を照らされたわけではありませんし、明りの方を見た時ではありません。 右目の上の方に見える気がするのですが、見ようとすると消えてしまってよくわかりません。痛くもかゆくもありませんし、見えにくさも感じません。1日の中でも、感じる時と感じない 時があります。目の病気でしょうか、それとも脳梗塞の前触れでしょうか。(28歳女性)    

  光に照らされていないのに、キラキラもしくはチカチカやピカピカと光が飛んでいるように感じる現象を光視症と言います。網膜の急激なひずみによって電気信号が伝わり、 光視症として感じるものが、網膜剥離の前兆とされます。特に飛蚊症が直後に起こった場合には、要注意です。しかし、多くの場合は生理的な硝子体の動きによる網膜の牽引によるもので 心配ありません。ぼんやりと見ているとキラキラが激しく動いているようにみえるものは自分の網膜血管の白血球像である場合があります。頸動脈閉塞性疾患による網膜の虚血による 場合や、急性視神経炎でも出ることがあるようです。音に誘発される光視症では視神経障害の可能性が考えられます。脳腫瘍などの圧迫性病変では、視野欠損に先行して光視症が生じる とされます。数分から数十分続くギザギザ様の光は、片頭痛の一症状として有名です。てんかんや一過性脳虚血発作でも起こるとされます。抗マラリア薬などの薬の中毒でも光視症が 起こるそうです。このようにいろいろな場合があり、病気でないことが多いかも知れません。ですが、時に重症の病気であることがありますから、早めに眼科を受診して精密検査を 受けることをお勧めします。この場合には点眼薬により瞳を拡げて眼底を詳細に検査しますので、検査後は見えにくくなりますから、自動車を運転して受診しない方が良いと思います。    

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27.Title  くろめの周りが白いです(老人環と若年環)

  私の65歳になる父のことです。本人から言われて気付いたのですが、くろめの周りが白くなっています。両眼とも同じような感じです。痛くもかゆくもないといいますし、私が見る 限りでは、充血もしていません。見えにくさも訴えません。本人は去年までこんなことはなかったと言います。何か病気でしょうか。次第にくろめが全部白く濁ってしまうのでしょうか。 放置しておいてよいのでしょうか。(35歳女性)    

  これは老人環といわれるもので、心配ありません。角膜(くろめ)の周りに脂質成分が沈着して白色ないし黄白色の環状混濁をきたすものです。角膜の上方または下方から始まり進行 すると全周に及びます。70歳以降では、90%に認められるとされます。年齢とともに角膜の周りに目立つようになりますが、決して中央までは至りません。したがって、視力が落ちる ことはありません。見た目上の問題以外にはこれによる症状は全くありません。したがって、治療の必要も全くありません。ただし、50歳未満に老人環が見られた場合には、全身的な 脂質代謝異常との関連があり、狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患の危険性が高いとされています。また、新生児にも青色強膜や巨大角膜、無虹彩症などの先天異常に合併して 見られることがあります。40歳以上に見られたものものを老人環、それ以前のものを若年環や胎生環と呼んでいるようです。老人環と似ているものに角膜潰瘍の瘢痕である場合があり ます。念のために受診して確定診断をしてもらうことは言うまでもありませんね。    

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28.Title  プールの後の洗眼と目薬

  小学校の保健だよりで、泳いだ後の目洗い(洗眼)は長くしない方が良いと書いてありました。以前はプール後にはよく目を洗ってとなっていましたし、自分の子供 (小学校3年生)には泳いだ後に洗眼してから、さらに市販の子供目薬を使っていました。小学校では、ゴーグルをしてもよいことになっているのでまだよさそうですが、 スイミングスクールでは高学年にならないと、ゴーグルの着用を認めてもらえないようです。泳いだ後は実際にはどうすればよいのでしょうか(38歳女性)    

  プール後の洗眼は、目の周りや目の中に入った汚物を取り除くために推奨されてきました。しかし、以前からわかってはいたことなのですが、大量の水道水で目を洗うとくろめや しろめの表面に傷が付きます。これは、目の表面を覆っている涙の成分が、水道水とは異なるからです。最近、水道水による洗眼で目に傷がつくことを発表されたことが報道で大きく 取り上げられたことから、一般に周知されてきて学校現場でも洗眼に対する考え方が変わってきました。現在では、プール後の洗眼は、数秒程度行えばよいと思います。 ゴーグルをしっかりしていて目に水が入らなかった場合には、洗眼なしでもよいと思います。一方、ゴーグルなしで潜ったり、目を開けて泳いだりした場合には、軽く洗眼することが 勧められます。目薬を使用するとすれば、洗眼の代わりに涙液に組成の近い防腐剤抜きの生理食塩液を大量に点眼することもよいと考えられます。しかし、防腐剤抜きの点眼は高価ですし、 使い捨てのものになりますから、常に清潔な生理食塩液を点眼することは現実には困難です。また、抗菌の目薬や用途の不明な目薬を頻繁に使うことは、かえって弊害となることが 考えられますから、お勧めできません。健康な方の場合には、プール後はさっと洗眼するのみでよいと思います。    

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29.Title  仮性近視とは?

  小学校3年生の男の子なのですが、学校の視力検査で右C左Cをもらってしまいました。2年生のときには右A左Aでした。学校から帰ると外で遊ばずに、ゲームばかりやっています。 勉強は全くやらずに、漫画もそれほど読んではいないと思います。眼科を受診すると「仮性近視」と言われ、寝る前に目薬をつけて通院しています。目薬を初めてすでに半年になる のですが、あまり良くなりません。メガネを作るべきでしょうか。(35歳女性)    

  光に照らされて仮性近視という言葉は日本にしかない言葉で、偽近視(pseudomyopia)の俗称のように扱われていると思います。偽近視とは、 本来は中毒や外傷などで起こる一過性の近視をさしますが、日本では近業によって生ずる偽近視が近視発生の初期もしくは前段階と考えられています。近業では、 水晶体の厚さを調節している毛様体筋という筋肉の緊張が続くために、一時的に近視の状態になるとされています。眼科では、調節麻痺剤の点眼をして近視の状態が改善されることで 診断されます。偽近視と診断されれば、目薬や生活改善などで治る可能性があります。しかし、偽近視は学童の数%にすぎないという報告や、ほとんどないとする説もあります。 2~3ヵ月間目薬を続けても効果が出ない場合には、偽近視とは考えにくいですから、必要に応じてメガネを処方してもらった方が良いと思います。メガネを作る時期としては、 偽近視でないと判断され、学童であれば黒板の字が見えにくくて授業の理解に支障が出る前がよいでしょう。基本的には、両眼の視力が0.7未満になった頃が一つの目安です。 過矯正のメガネは近視を悪化させる可能性がありますから、メガネ屋さんに行く前に眼科で正しく処方してもらってください。外で遊ぶ子供は、家の中だけで遊ぶ子供よりも近視の発生が 少ないという報告もありますし、家の中でゲームばかりをさせることは近視の発生に関してだけでなく、運動能力の発達にも影響すると思います。    

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30.Title 

  以前からドライアイで、時々眼科へも通院しています。日常パソコンを使うことが多く、すごく目が乾いて疲れます。目薬を使うと、その時には一瞬うるおう感じがするのですが、 すぐに乾燥してきます。眼を閉じていると楽です。眼科医からは、決して重症なドライアイではないと言われるのですが、すごくつらいのです。日常生活では何か気をつけることは ないでしょうか。(30歳女性)    

  パソコンやコンピューターゲーム、携帯電話、テレビなど、現代人は目を酷使しています。その結果ドライアイ患者さんは増加しているといわれます。私が自分のクリニックで、 いつもお勧めしているドライアイ10カ条をお教えします。
1.仕事上止むを得ないパソコンの使用以外はなるべくパソコンはやらない:ネットショッピングやホームページの閲覧など、仕事以外で長時間パソコンの前に座っている方も多いと 思います。仕事以外での使用を控えてください。
2.携帯電話のメールはやめる:相手の時間帯を選ばず便利なものですが、直接話すことを多くしてはどうでしょうか。
3.読書は、1行読んだらまばたきを入れてから改行する:まばたきは3秒に1回程度をお勧めしていますが、読書やパソコンでの作業時には1行もしくは2行ぐらいでまばたきを入れる タイミングとしてみてください。
4.パソコンは画面を眼の高さより低くする:伏し目で見るようにすると蒸発する涙の量が減って効果があります。
5.エアコンを調整する:風が直接目に当たらないように風向きを調整したり、湿度を下げすぎたりしないようにしましょう。
6.画面を見続ける場合には30分に1回5分間の休憩をとる:休憩時に目薬を入れるなど、やり続けないことが大切です。
7.適切なメガネをしっかりかける:見えにくい状態では余計に目が疲れますし、眼鏡は保湿の効果も期待できます。
8.周囲が乾燥していれば携帯式加湿器を利用する:オフィスなど自分でエアコンを調整できないところで役立ちます。
9.規則正しい生活をする:不摂生はどんなことにも影響しますから十分な睡眠も心がけましょう。
10.眼科を受診する:ドライアイ以外の病気も隠れているかもしれませんし、目薬以外の良い治療法もありますからしっかり通院してアドバイスを受けましょう。    

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31.Title  眼底出血と言われました

  72歳の母のことでお尋ねします。3か月ほど前に右目が見えにくくなって、眼科を受診すると眼底出血(がんていしゅっけつ)と言われました。どうやら血管が詰まって出血したと いうことでした。いろいろと検査されて、現在も通院していますが、一向に良くなりません。治療は飲み薬と白内障の目薬だけです。持病もありませんし、血圧もそれほど高くありません でした。何が原因だったのでしょうか。このままでよくなるのでしょうか。教えて下さい。(37歳女性)    

  眼底出血とは、文字通り眼の底に出血したことを言います。代表的には、糖尿病や高血圧症、貧血、妊娠、など全身の病気から起こるものや、静脈が閉塞して出血する網膜静脈閉塞症、 網膜細動脈瘤という血管のコブが破裂して出血するもの、網膜裂孔に伴うもの、黄斑変性によるもの、外傷によるものなどがあります。この中でも、頻度の高いものが網膜静脈閉塞症 (もうまくじょうみゃくへいそくしょう)で、質問者の病気はこれだろうと推測します。網膜静脈閉塞症は、網膜中心静脈というおおもとの静脈が閉塞するものと一部分のみが閉塞する ものに分かれます。いずれにしろ、静脈内の血液の流れが非常に悪くなり、染み出るように出血するものです。動脈硬化が主要原因と考えられていて、高血圧、糖尿病、高脂血症などの 全身疾患を伴っていることが多いとされます。出血が比較的早期に消退するものとそうでないものがあります。黄斑という網膜の中心部分にむくみが生じると、著しく視力が低下したり ゆがみが出たりします。造影剤を入れて眼底写真を撮る蛍光眼底造影検査を行って治療方針を決定します。止血剤などの内服薬で様子をみていきますが、視力が改善しない場合もあります。 黄斑部のむくみが続く場合には、ステロイドや抗がん剤を注射したり硝子体手術をしたりしますが、危険もあります。数年経過したのちに、大出血をきたしたり網膜剥離の原因になったり することがあるため、その予防としてレーザー治療をすることがあります。比較的予後が良い病気ですが、あまり改善しないようであれば、ある程度のリスクを理解した上で注射を含めた 手術的な治療をお受けになってはいかがでしょうか。    

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32.Title  メガネをかけると目が悪くなる?

  小学校5年生の男の子ですが、黒板の字が見えないと言っています。学校健診で受診のお勧めにしたがって、眼科を受診したときには、近視なのでメガネが必要と言われました。 ただ、メガネを作ることに、夫が反対しています。夫は小学生の時から近眼と言われ、メガネをかけ出したそうです。そこからどんどん進み、何度もメガネを作り変えたそうです。 高校生のころになるべくメガネをかけないようにしてから、近眼が進まなくなったと言います。なるべくメガネをかけさせないほうがよいのでしょうか。(34歳母)    

  近視(近眼)は、近くのものはよく見えるのに対して、遠くのものが見えにくい状態です。眼科で精密検査をして近視といわれ、メガネの装用を勧められたのであれば、作られたほうが よいかと思います。旦那さんの場合がどのようであったかは、正確にはわかりません。近視の進行は、人によって様々ですが、学童期には進むことが多いようです。近視が進んでいた 時期とメガネを作り変えていた時期が同じ時期であったのではないでしょうか。つまり、メガネを装用しようがしまいが近視は進行したのではないかと想像します。もっとも、先のこの 携帯サイトの「偽近視」に書きましたように、本当の近視ではないのにメガネをかけたり、自分にとっては強すぎるメガネを作ったりしてしまうと、近視の進行 を助長すると考えられます。適切な度数のメガネをかけさせることは、近視の進行には関係しません。学童で最も大切なことは、学校生活に支障がない程度見えるようにすることです。 メガネを作らないでいると、授業がわからなかったり、その子の身体能力や運動能力を低く評価されたりすることにもつながりかねません。我々医療従事者・教育関係者・親御さんなど 児童の周りが積極的に、その子がよりよい学校生活を送れるように、視力の面でもサポートすべきと思っています。もちろん、遠視や弱視ではメガネのかけさせ方が全く違いますから、 正確な診断と指導が大切です。信頼できる眼科医の助言に従ってください。    

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33.Title  眼の底に膜って?

  先日健康診断を受けたところ、眼の項目で要精密検査となりました。眼科を受診すると「黄斑上膜」と言われました。何でも眼の底に膜が張っているとのことです。 原因は不明とのことでした。何ら症状はないのですが、どんな病気なのでしょうか。ひどくなれば手術が必要とのことですが、放置していてよいのでしょうか?日常生活で注意することが ありますか。教えてください。(42歳男性)    

  眼をカメラにたとえますとフィルムに相当するところが、網膜と言います。この網膜の中心部分が黄斑部(おうはんぶ)で、視力をになう大事な眼の底の部分です。文字通り、 この黄斑の上に膜組織ができてきたものを黄斑上膜(おうはんじょうまく)と呼びます。黄斑前膜、網膜上膜、網膜前膜などいくつかの名前がありますが、ほぼ同義語としてよいです。 この病気は、本当の意味での原因はわかりませんが、網膜の前にある硝子体というゲル状の組織に年齢性の変化が起こり、さまざまな細胞が増殖したり細胞外の成分が集まったりする ことにより膜状の組織が形成されるものです。全く誘因のない特発性とされるもののほかに、眼の怪我や病気や眼の手術などに続いて起こる続発性のものがあります。膜が厚くなって くるとゆがみやひずみなどを自覚したり、視力が低下したりします。ですから定期的に検査を続けていけばよいでしょう。ゆがみやひずみがひどくなったり、視力低下が進行したりした 場合には手術治療を行います。これは、硝子体手術といって、眼の中に器具を入れて行うもので、増殖した膜を剥がしてきます。ある程度の侵襲や危険がありますし、手術が成功しても 見え方が完全に良くならない場合もありますから、手術時期については様子を見ながら慎重に決定していくのがよいでしょう。似たような病気に黄斑円孔(おうはんえんこう)というものが ありますが、別の機会に記述したいと思います。    

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34.Title  物が二つに見えます。

  以前から近視と乱視があって、メガネをかけています。最近、物が二つ見えるときがありました。もう一度見直したところ一つになりました。少しお酒を飲んでいましたし、 明瞭に記憶していないのですが、今は、二つに見えませんし、全く何ともありません。何か病気の始まりでしょうか?以前から頭痛持ちで、よく頭が痛く なります。友人に相談したところ、脳腫瘍の始まりではと言われ、急に心配になってきました。(44歳女性)    

  右眼と左眼は、わずかに位置が違うところから物を見ています。このことによって遠近感や立体感を感じるわけです。斜視が出た場合や、 脳腫瘍や動脈瘤・脳出血など中枢神経系の異常または末梢神経の病気や眼の周りの筋肉の病気もしくは神経と筋肉の間の病気や眼の周りの骨の骨折などで眼球運動障害になった場合、 物が二つに見えるようになります。これを複視といいます。ですから、複視の症状があった場合には、早急に眼科を受診して原因検索してもらうことをお勧めします。複視の中には 乱視などの屈折異常が主因の単眼性のものがあります。この場合には片方の眼だけでみると複視を感じ、両眼で見ると複視はなくなります。この単眼性のものはあまり心配する必要は ありません。まずは、複視を自覚した場合に、片眼ずつ隠してみてください。また、普段メガネをしていらっしゃればメガネをかけた状態で試してください。片眼ずつ隠して見ると一つに 見えて、両眼で見ると複視になるという場合には、上述したように命に危険があるような病気が隠れていることがあります。ご相談者の場合には、もともと斜視が潜在していた可能性が あり、それが顕在化してきたのではないかと推測しますが、これだけのお話ではよくわかりません。眼科受診をお勧めします。    

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35.Title  視神経乳頭陥凹って?

  会社の健康診断を受けたところ、目のところでひっかかりました。「視神経乳頭陥凹」と書いてあり、要精密検査となっています。これは何のことですか。病気の始まりでしょうか。 メガネをかければよく見えますし、目は痛くもかゆくもありません。眼科を受診する必要がありますでしょうか?メガネ屋さんはよく行くのですが、眼科は何となく怖い気がして、ほとんど 行った記憶がありません。何か気をつけることがありますか、教えてください。よろしくお願いいたします。(50歳男性)    

  これは、健康診断時に行った眼底写真からの診断です。視神経とは、眼球の奥底の網膜(カメラのフィルムに相当するところ)と、脳をつなげる部分で、視神経乳頭は視神経の網膜上の 出入り口です。眼底写真で、あなたの眼の視神経乳頭のへこみが普通より大きかった、という結果です。ですから正確には、視神経乳頭陥凹拡大と表しますが、この所見が見られた場合 には緑内障の可能性がありうるということです。視神経乳頭付近の緑内障性変化としては、陥凹が生理的範囲を超えて大きい、陥凹した乳頭の辺縁部に切痕がある、視神経線維層の欠損が 広い、乳頭出血がある、乳頭周囲網脈絡膜委縮がある、などがありますが、それらの所見のみでは緑内障の診断は困難なこともあります。視野検査や精密眼底検査、眼圧検査、 隅角検査などを行う必要があります。緑内障(このサイトのNo.7をご参考になってください)と聞くと怖い気がしますが、まだ決まったわけではありませ ん。早めに眼科を受診して、緑内障なのかどうかを診断してもらってください。ただ、眼科専門医の診断にても、緑内障という診断を確定できずに緑内障疑いとなることもよくあります。 こういう場合には、いろいろな診断機器を用いて定期的に眼科通院を続けて、早期発見に努めることが重要です。緑内障は、末期になるまで自覚症状が全くない場合が多いです。また、 治療をしても病気の進行を遅らせることはできても改善させることは難しい病気です。つまり症状が出てから診断されるようでは手遅れになることがあります。是非、早めに眼科受診して ください。    

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36.Title  めまいの原因が知りたい

  半年前からめまいをよく起こすようになりました。数秒から数分ぐらいなのですが、ぐるぐる回って吐き気したこともありました。血圧のお薬を頂いている内科の先生に診てもらい、 MRIを撮ったのですが、異常なしと言われました。お薬を頂いていますが、よくなりません。ふとした瞬間にめまいを感じ、立っているのが怖くなります。何が原因なのでしょうか? 友人から耳鼻科を受診するように勧められたのですが、まだかかっていません。眼の奥がときどき痛くなるので目からきているのではないかと思っています。教えてください。(48歳女性)    

  めまいの原因を特定することは難しい場合がありますね。私自身はめまいを専門とはしていませんが、臨床の現場では半分ぐらいは原因が特定できないのではないかと思います。 めまいと一口にいっても、ぐるぐる回るように感じる回転性のものか、フワフワするような浮動感なのか、立ちくらみに近いような感覚いわゆるめまい感なのかに大別されると思います。 また、持続時間が短いか長いかも鑑別には役立ちます。回転性めまいの大多数は、三半規管や前庭といった内耳の障害と考えられます。これにはメニエール病や前庭神経炎、 良性発作性頭位めまいなどが入ります。ただ、一部には脳血管障害などでも回転性めまいを起こすことがあるので、注意が必要です。非回転性のものでは、小脳失調、メニエール病の 慢性期、薬物中毒などがあります。いわゆるめまい感の場合には、起立性低血圧や不整脈、不安神経症、眼科的疾患などが挙げられます。ご質問者の場合には良性発作性頭位めまいかも しれません。主治医の先生と相談して、神経内科的疾患の鑑別の後、耳鼻咽喉科も受診してみてはいかがでしょうか?その際には、どのような種類のめまいなのか、時間的にはどうか、 どんな時に起きたかなど、今までの症状を説明できるようにしておくことが大切です。それでも原因がわからないようでしたら、眼科や整形外科(頚性めまいというものもあります)も 受診してみてください。眼科的疾患でめまいを起こす病気はあまりないのですが、メガネがあっていない場合や斜視が出た場合にはいわゆるめまい感を感じることがあります。 また、眼球運動をみることは眼科医の仕事の基本ですから、何らかのヒントが得られるかもしれません。    

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37.Title  “さんりゅうしゅ”って

  先日、右眼にメンボみたいなものができました。以前はよく左目にできたのですが、今回は痛くありませんし、腫れもたいしたことがなかったので、様子をみていました。 1ヶ月待っていてもよくならず、少し大きくなったので眼科を受診しました。「さんりゅうしゅ」と診断され、目薬をもらいました。 メンボとは違うものと言われました。「さんりゅうしゅ」って何ですか。1週間ほど目薬をつけたのですが、良くなりません。お医者さんからはしばらく様子を見てから 治らなければ手術すると言われたのですが、放っておいてはダメでしょうか。以前メンボを切った時にすごく痛かったので。(30歳男性)    

  霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、まぶたにある脂(あぶら)の腺が詰まって溜まってしまったもので、皮膚にできるニキビのようなものです。麦粒腫(いわゆるメンボ)は、 細菌が感染したできものですから、基本的には違うものです。麦粒腫は痛みを伴いますが、霰粒腫はあまり痛くありません。ただ、二次的に感染を起こすことがあり、 この場合には痛くなったり赤くなったりして、麦粒腫と鑑別できなくなります。霰粒腫は目薬で治ることも多いですし、放置しておいても自然に消失してしまうことがあります。 その先生が言われたように、目薬でしばらく様子をみるのがよいでしょう。あまり目立たず手術したくなければする必要はありません。ただ、まぶたの外側や中側に破れることが ありますから、経過はみてもらう必要があります。治療方法としては、目薬以外にステロイドを注射する方法があります。何度もできて切開した方は一度試してみる価値があります。 目薬にしても注射にしても霰粒腫ができてから早期の方がよく効きます。手術は、局所麻酔でまぶたの裏側もしくは皮膚側から、切開して内容物を出します。麻酔がよく効けばあまり 痛くありませんが、感染を起こした急性期では痛いこともあります。通常は後々まで傷口が目立つことはありません。薬物治療でよくならず、長期間経過したもので大きさも目立つものは 手術したほうがよいと思います。高齢者では時に悪性のもの(癌)と見分けがつかない場合もありますから、注意が必要です。    

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38.Title  子供のコンタクトレンズいつから

  小学校5年生の男の子のことです。近眼でメガネをかけています。サッカー部なので、毎日のように練習します。メガネだと危ないので、はずしてやらせています。 ボールが見えにくそうなので、コンタクトレンズをつけようかと考えていますが、何歳ごろから可能でしょうか。どのようなレンズにしたらよいでしょうか。教えてください。(41歳女性)    

  コンタクトレンズ(以下、CLと略します)は、政令で定める高度管理医療機器クラスⅢです。クラスⅢとは、不具合が生じた場合人体へのリスクが比較的高い範疇であり、 CLや眼内レンズ、人工呼吸器などが該当します。最近の統計によれば、日本人のCL装用人口は2008年で1,500万~1,800万人ともいわれ、国民の10人に1人がCLを装用していると 推測されています。同じ頃の調査で、CLによる眼障害は10%に生じることがわかっています。即ちCLをすると10人に一人は病気になるということです。CLの眼への影響として重要な ことは低酸素状態になることが挙げられます。慢性的な酸欠状態が続き、気付かないまま角膜障害や結膜炎を起こしていると予想されます。成長過程であることも考え合わせますと、 CLは、小中学生特に小学生にはなるべく使用しないことを勧めたいと思います。何歳と明確には限定できませんが、CLに関する知識を正しく認識できるまでは、装用させない方がよいと 思います。やむを得ない事情があれば、1日交換使い捨てソフトCLをそのときだけ使用する方法をお勧めします。CLによる眼障害を考えますと、メガネで問題なければCLは常につけない方が 眼に良いわけです。ただ、眼障害を起こした患者さんのほとんどが、定期検査を受けていない方達であることもわかっていますから、正しく装用すれば問題ない場合の方が多く、 眼の悪い方にとりましてCLは非常に有用な矯正手段です。総じて、CLを常用するのであれば必ず眼科専門医による定期検査を受け、その都度自分に合ったCLの種類や使用方法を決めて もらう必要があります。また、何らかの症状があれば、必ずCL装用を中止して、様子を見ることが大切です。    

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39.Title  目薬の基礎知識

  先日、目やにがひどくなって眼科を受診した時に、目薬の使い方について叱られました。1年前に受診して結膜炎と言われて処方された目薬を、かなり余っていたので、 時々使っていたのです。まだ余っているのですが、これを使ってはいけないのでしょうか?今までは、目やにが出るとこれを使って、よく効きました。娘の眼が赤くなった時にも 使ってみたらよくなおりましたし、もったいないと思います。(45歳女性)    

  目薬の基礎知識についてお話します。通常1本の目薬には5ml入っていて、これは約100滴分あります。1滴は50μlです。眼の中に入る量は30μlとされていますから、 正しく目に入れば1滴で十分に効く量です。 多くの目薬には防腐剤が含まれていますのである程度は腐りませんが、点眼によって涙が逆流したり、先端がまつ毛についたりすることから汚染されていきます。したがって、 開封前は正しく保管していれば裏側に記載されている消費期限まで問題ありませんが、開封後は1ヶ月以上になったら破棄することをお勧めします。目薬の種類によっては、 1週間ほどで効果がなくなるものや2.5mlしか入っていなもの、15mlも入っているもの、使用前に粉を溶かして作製するもの、使用直前によく振る必要があるもの、 冷蔵しておかないといけないものなど色々あります。また、飲み薬と同じように病気によって使用する目薬が違います。ですから自己判断で目薬を使うと病気を悪化させたり、 病気を新たに作ったりしてしまいます。抗菌の目薬はかなり濃度の濃いものが多く、最近の抗菌点眼剤はよく効きますが、2週間も同じ目薬を使うと耐性菌が生じるとされています。 正しく使用していても副作用が起こることもよくあります。緑内障の目薬では、まぶたが黒くなったりまつ毛が長くなったり、喘息を悪くしたり心臓を悪くするものもあります。 ステロイドの点眼では、緑内障になってしまったり感染症を誘発したりします。アレルギーの目薬では眠くなったりすることもよくあります。眼表面は非常にデリケートですから、 目薬を使うことでくろめやしろめの表面に傷がついてしまうこともよくあります。ですから目薬を使用している最中は、必ず眼科医の診察をお受けになってください。    

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40.Title  目薬のさし方

  母親が緑内障で眼科に通院していています。次回の受診予約日まで目薬が足らないということで、母親のかわりにもらいに行った際に、主治医の先生から目薬の消費が非常に速いので、 さし方を見るように言われました。母が点眼するところを見ると、目薬の先端がまつ毛にくっついてしまっている感じで、3~4滴以上入れているように見えます。どのように教えれば よいでしょうか。(40歳女性)    

  ご高齢の方では、よく起こる問題です。前回の「目薬の基礎知識」で書きましたように、目薬はしっかり目に入れば1滴で十分に効くように設計されています。一度に3滴さすことで 問題が起こるかというと、1滴分以外は外に流れ出てしまうため眼のふちがただれる以外には特に問題ありません。ただ、緑内障の目薬は自費で購入すると考えますと1本2000円~3000円 するものが多いので、もったいないと思います。また、目薬の先端がまつ毛についたり、目のふちにくっついたりしますと、薬自体が汚染されますので、よくありません。目からある程度 離して、うまく1滴させれば問題ないのですが、ここでは“げんこつ法”をお教えします。まず、点眼前に手を洗います。片手でげんこつを作って、顔を上に向けます。 げんこつの人差し指の付け根もしくは近位指節間関節あたりで下まぶたをひきます。もう片方の手で目薬を持ち、げんこつの上に添えて目薬を滴下します。このやり方で、 先端部分は2cm程度は目から離れていると思います。1滴で入らなければ2滴、3滴とたらしてかまいません。ただ、まぶたについてしまった液は良く拭き取ってください。 緑内障の目薬の中には、点眼後5分してから洗顔をしなければいけないもの、冷蔵保存が必要なものがありますので、確認したほうがよいです。また、1日1回で済む目薬も多いですが、 これを1日複数回つけても意味がないばかりか重篤な副作用を起こす物がありますから、1日の点眼回数についてもよくご確認ください。    

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41.Title  眼痛時は温めるべきか冷やすべきか?

  先日、目が痛かったので温めていました。少しも痛みが引かないばかりか、もっと痛くなったので、眼科を受診したところ麦粒腫といわれました。眼科医から冷やした方がよいと 言われました。私は腰痛持ちで温めるとよくなりますし、目を使いすぎて痛くなったら蒸しタオルをあてておくようなこともしてきました。そのような製品も売られています。 目が痛い時には、冷やした方がよいのでしょうか。それとも温めた方がよいのでしょうか。教えてください。(43歳男性)    

  患部を温めたり冷やしたりすることを、温罨法・冷罨法と呼びます。古くからある民間療法ですが、現代の西洋医学的には、必ずしも確かなエビデンスを出しにくいところだと思います。 大雑把にいえば、温めることによる効果は、血管が拡張して血液の循環がよくなることです。ですから、急性期の炎症性疾患は悪化する可能性があると思います。 麦粒腫は細菌による急性化膿性炎症ですから冷罨法の方がよかったということになります。また、打撲による腫れや痛みの急性期には、冷罨法は非常に効果的であると思います。 角膜びらんのような傷の痛みにも有効です。ただし、慢性的な炎症には温罨法によって新陳代謝が促進されて、改善効果があると考えられる状態があること、また、マイボーム腺梗塞と いう瞼の脂が詰まるような状態では、ホットパックによってよくなることが知られています。では、急性期の炎症性疼痛時には常に冷やせばよいかというと、そうでもありません。 閉塞性の血管炎では、冷罨法により急性期の炎症を抑制する方向にもっていけたとしても、血液の流れは悪くなるように思います。虚血性視神経症という有名な眼の病気では、 側頭動脈炎を合併することがあり、こめかみの痛みが特徴とされます。この場合に痛いからという理由で顔面を冷やせば、重篤な視力障害を助長させる可能性があると思います。 しかし、抗炎症作用により、血管が閉塞しにくくなるかもしれませんし、であるとすれば疾病の予防として良い対症法となりえます。つまりよくわからないということです。 ですから状態によって温罨法がよい場合や冷罨法が良い場合のどちらもがあること、またどちらがよいのかわからないことも多いので、眼痛時に必ず行うべき方法は状態に左右されると いうことです。その都度、担当の医師に聞くのが最善かと思います。    

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42.Title  涙点プラグって何?

  ドライアイで通院しています。目薬をもらってさしていますが、シパシパして充血しますし、乾燥して時にはゴロゴロします。涙点プラグというものを勧められました。 どの様なものなのでしょうか。ネットで検索すると液体のものもあるようなのですが、どのように違うのでしょうか。ずっといれっぱなしでも良いのでしょうか。(28歳女性)    

  私たちの涙は、まぶたの上のほうで作られて、目の表面を潤したのちに瞼の内側にある涙点という小さい穴を通って、鼻の奥に流れていきます。涙点は、瞼の内側の上下に一つずつ 両側にありますから合計4か所あります。涙点プラグは文字通り、この涙点に差し込むためのシリコンで出来た詰めものです。ドライアイの患者さんに対する治療方法の一つで、 涙の排出口である涙点をプラグで閉鎖することにより、涙を多く眼表面に保持しようとの意図で行われます。目薬や日常生活の対策でも改善しにくいドライアイの患者さんでは、 試してみる価値があります。重症のドライアイでない場合には、通常上の涙点か下の涙点のどちらか一方のみに挿入します。片眼のみに挿入することもよくあります。ただしその適応は 症状だけで決めるものではなく、主治医の判断によります。適正な位置に挿入できたとしても、その後も管理が必要なものです。プラグを入れればドライアイが治って、 なんら放置しておけばよいというものではありません。プラグがしろめやくろめにあたって異物感を感じたり、涙があふれやすくなったりすることもあります。汚れてきて感染のもとに なったり、涙点が変形してしまったりすることも稀にはあります。プラグを入れると涙も溜まりますが、老廃物なども溜まりやすくなりますので、涙液タイプの目薬をたっぷりつけて 時々眼にたまったものを洗ってあげるような感じでケアするのがよいでしょう。液体のものというのは、液体コラーゲンプラグと言われ、涙点以降の排水口である涙小管というくだに 液体を注入します。これについては、いずれ詳しくお答えする事にします。どちらにしましても挿入後も定期的な通院が必要となります。    

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43.Title  異物が入ったのに視力検査?

  先日、目にゴミが入って眼科に行きました。痛かったので早く取ってほしかったのに、視力検査をさせられました。結構良く見えましたが、痛みのために見えにくくても当たり前だと 思います。なぜ、摘出前に視力検査を行うのでしょうか?結局は、くろめに鉄粉が刺さっていたので、取ってもらったのですが、始めから視力検査などせずに、摘出してもらうことは できないのでしょうか?視力検査したことで、窓口で払うお金も増えたと思います。納得がいきません。教えてください。(35歳男性)    

  私たちの眼は小さいながら非常に優れた機能を持っています。最も大切な機能が、見えるということです。もし、視力を測定せずに異物を摘出したとします。そして摘出後に視力の 低下がわかったとします。すると、その見えにくさは、摘出する前からある病気によるものか、異物が刺さったために刺入部が混濁して見えにくくなったのか、異物を摘出したところから 微生物が入り込んで潰瘍などが生じた結果の見えにくさなのか、等々、判断がつかなくなってしまう危険があります。また、目の表面は、角膜や結膜という粘膜であり、非常に デリケートな組織です。病気を治すために使用した目薬により、かえって角膜に傷をつけてしまうことはまれではありません。ですから目薬を使用して角膜を治療する場合には、 まず、視力という眼の機能を正確に把握してから、始まります。事前に視力を測定しておかないと、病気が進行したために視力が下がったのか、目薬が悪い影響を与えて見えにくく なったのか、などの判断がつかなくなってしまう可能性があるからです。角膜は、外界からの光を通すように透明な組織となっています。異物が刺さってしまうとよほど浅い場合を除いて、 その部分の透明性が失われます。濁りは次第に薄くなってはいきますが、完全には元に戻りません。濁り方によっては、不正な乱視が出現し、最終的に視力が下がってしまうことも あります。眼表面に刺さった異物は早期に摘出して、治療してください。また、その後の視力経過も重要ですから、完治するまで通院されることをお勧めします。    

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44.Title  目のマッサージ

  私は眼が疲れたり、少し痛かったりするとよくマッサージをします。眼を閉じておいて眼球の上から眼を揉みほぐしたり、撫でるようにするものです。マッサージをすると気持ちが 良いですし、何となくよく見えるようになった気がします。友人にそのことを話したら、やめた方が良いのではないかと言われました。眼のマッサージは疲労回復に良いと聞いたことが ありますが、あまり良くないのでしょうか。教えてください。(47歳女性)    

  私たちのご存知のように人間の眼球は2~3cmほどの直径をしています。小さいながらこのスペースに、見えるための微細な構造を収めています。したがって、わずかな形態状の変化でも 病気を誘発する恐れがあります。まず、眼球を圧迫しますと、眼内圧が上がります。それにより眼圧が一時的に高くなりますから、緑内障を持っている方は悪化させる危険があります。 また、眼底にある血管の循環が悪くなる可能性もあります。痒みのため頻繁に眼をこするアトピー性皮膚炎では白内障や網膜剥離になり易く、その原因はこするためと考えられています。 ですから頻繁なマッサージにより白内障や網膜剥離になり易くなる可能性があると思います。さらに、眼心臓反射といって、眼球の圧迫により心臓の働きが抑制されて徐脈(脈が 遅くなること)になります。つまり、眼球をマッサージすることで病気を誘発する場合がかなりあると思われます。絶対にしないでください。ただし、眼科医からの指示で目の マッサージをする必要がある場合を除きます。これは、治療として眼球マッサージをしなければならない病気、例えば網膜動脈閉塞症や緑内障の手術後で必要な場合などがあるためですが、 比較的まれな状態です。一方で眼の周りにはツボがたくさんあると言われます。眉毛の所や頬骨の上の部分はマッサージしても良いです。骨の上の所です。骨のすぐ上の部分は マッサージしても良いと思いますが、その内側で眼球に圧力がかかるようなマッサージは、医師の指示以外では行わないで下さい。    

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45.Title  目の応急処置その1(異物)

  先日、目にきりこが刺さりました。仕事上時々刺さってしまうのですが、今までは目を強くつぶったり、こすったりして取れていました。今回は全然取れずに、ごろごろしていました。 爪楊枝で取ろうとやってみたのですが、うまく行かず、痛みが強くなってしまいました。眼科に行ってとってもらったのですが、まだ、痛みがあります。日頃からよく入ってしまうので、 自分で取る場合にはどのようにすればよいでしょうか。また、応急処置としてはどうすればよいでしょうか。教えてください。(23歳男性)    

  キリコつまり金属などの削りかす、多くの場合は小さな鉄片異物が、入ってしまう時のことですね。自然に排出されない場合には、角膜(くろめ)上に突き刺さっているか、 まぶたの裏側に刺さってしまっていることが多いです。できれば眼科を受診して、正しく診断してから摘出してもらうことに越したことはありませんが、やむを得ない場合には 洗眼をお勧めします。薬局で売っている生理食塩液を、寝ている状態で、角膜上から流してください。ドボドボ流してしまうイメージです。その後は、抗菌剤の目薬をさしておき、 可及的速やかに眼科を受診することです。深夜で眼科の救急医療機関がなく、薬局も開いていない場合には、水道水をゴムホースからかけることで生理食塩水代わりに使用することも 可能です。しかし、水道水を長い時間(数分以上)目に入れ続けますと、角膜に傷がつきますので、やむを得ない場合のみと考えてください。異物の勢いが非常に強い場合には、 角膜を貫いて眼球内に入ってしまう場合もあります。この場合には、目を洗うことでかえって怪我を重症化させる危険があります。爪楊枝など道具を使って取ろうとはしないでください。 鉛筆の先端や楊枝の先端で眼を突くと、角膜を穿孔してしまうことがあります。鉄片異物を角膜の中央部分に刺してしまうと、摘出しても一生視力が改善しない場合があります。 異物が眼に入る可能性のある作業をするときには、必ず防護メガネを着用してください。また、異物が角膜に刺さっている場合には、速やかに摘出してもらうようにしてください。 時間が経ちますと錆が角膜内に浸潤していき、摘出時の侵襲が大きくなります。摘出前後は冷やした方が痛みは少なくて済みます。温めたり、飲酒したりすることにより強い痛みになる ことがあります。    

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46.Title  多焦点眼内レンズ

  私の母親が白内障手術を受ける予定です。まだ63歳で活動的なのですが、見えにくいと言って一人で決めてきてしまいました。なんでも、多焦点眼内レンズというものを入れるそうです。 医療機関から頂いた説明書によれば、手術後はメガネを使わずに、遠くも近くも見えるようになるのだそうです。ただ、夜は運転しない方が良いと書いてありますし、不快なものが見える 場合もあるようです。40万円弱と高額で保険がきかないようなのですが、以前からある眼内レンズと比べてどうなのでしょうか。手術に心配はないのでしょうか。また、見えにくいと いうことはないのでしょうか?(35歳男性)    

  多焦点眼内レンズは、10年以上前に一時使用されていたのですが、結果があまり良くなかったために、ほとんど使用されなくなっていました。この2~3年前から新しいタイプの 眼内レンズが出現し、少しずつ症例が増加してきています。多焦点レンズは、手術後にメガネをかけなくても遠方と近方との二か所にピントが合うように設計された眼内レンズです。 これに対して、今までのレンズを単焦点レンズと呼び、これを入れた場合には遠くか近くかのどちらかがよく見えるのが普通です(手術前に決めます)。この多焦点眼内レンズを用い る場合にも、白内障の手術方法自体には、基本的に変わることはありません。ただ、乱視が強い場合には適応にならない場合や、単焦点レンズを用いる場合には問題にならないような 手術中のわずかなトラブルでも、多焦点レンズを挿入できなくなってしまう場合があったります。多焦点眼内レンズを入れられた方は、メガネをかけなくても遠くや近くが見えるように なるわけですが、これには大脳の機能が関係するため、よく見えるようになるまでに時間がかかることがあります。また、夜間には電灯などの灯りがやや誇張されて見えます。 しばらくは光の輪がかかって見えたり、ギラギラが気になったりすることがあります。このために、夜間の運転を職業とするタクシーのドライバーさんにはあまりお勧めしません。 多焦点眼内レンズには遠くも近くも見えるための工夫がされているために、単焦点レンズや病気の無い眼で正しくピントがあった距離の像と比較すると、わずかに焦度が落ちると 言われます。これらの理由ため、右眼と左眼を交互に隠して見え方を比較したり、電灯などを見てどんな感じに見えるのかなどを頻繁にチェックするようなやや神経質な方は、 不満が出やすい可能性がありお勧めできません。料金については、おおよそ35万円弱の施設が多いと思われますが、先進医療が認められている施設で手術をお受けになると、 生命保険から全額保険金が戻る場合もあります。    

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47.Title  スポーツするにはコンタクトレンズが良いのか?

  息子は、少年野球をやっているのですが、近眼のためメガネをかけています。小学校6年生です。コーチから危ないとの理由でコンタクトレンズを勧められました。 スポーツするにはやはりコンタクトレンズのほうが危なくないのでしょうか。プロ野球の選手でもメガネをかけている方がいると思いますが、よくないのでしょうか。 教えてください。また、小学生でコンタクトレンズをさせるのは心配です。いかがでしょうか。(35歳の母親)    

  非常に多い質問です。お母様の感じている通りで、結論から言えば、野球はメガネのほうが良いです。これは、メガネには、眼を打撲から守る働きがあるからです。硬いボールが 当たったりすることでレンズが割れることはもちろん考えられます。しかし、そのような場合にもしメガネをかけていなければ、眼球そのものがボールの外力を直接受けるために 重篤な怪我になってしまいます。メガネが眼を怪我から守ってくれることにはエビデンスがあります。是非今のままメガネ装着で野球をやらせてください。プロの野球選手も その考えがあってのことだと思います。もちろんメガネがしっかり目に合っていて激しい動きをしてもずれないようなものにするべきです。眼鏡処方箋を眼科でもらってから眼鏡店に 行って、スポーツ用にとお伝えすれば多数の商品を勧めてくれると思います。また怪我から眼を守る以外に、ある程度の遮光も重要で、有害な紫外線から眼を守る働きもあります。 この意味もあり、私のクリニックでは、屈折異常のない児童つまり裸眼でよく見える子供にも眼鏡装用をお勧めしています。スポーツ全般にメガネをお勧めしていますが、 柔道の寝技やレスリングなど、顔が頻繁にこすれるようなスポーツでは眼鏡が凶器になりかねないために、メガネをお勧めできない場合もあります。コンタクトレンズ(以下CLと略します) は、やはり小学生にはお勧めしません。このQ&Aの38「子供のCLいつから」にもありますように、正しくCLの知識が持ち、装着も正しく行え、 緊急時の対処法を理解してから始めることをお勧めしています。ご参考にしてください。    

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48.Title  黄斑円孔って?

  1ヶ月ほど前から右眼の中心部分が見えにくく、黄斑円孔と言われました。早めに手術をと勧められました。どんな病気なのでしょうか。今まで目の病気は、したことがなくて 手術と聞くと心配です。手術以外の治療はないのでしょうか。入院が必要とのことですが、手術は難しいのでしょうか。(55歳女性)    

  私たちの眼は、注目したところはよく見えますが、それ以外の周りの部分はぼんやりとしか見えない構造をしています。カメラに例えるとフィルムに相当することころが網膜であり、 その中心部分を黄斑と呼び、視力をつかさどる最も重要な神経細胞の集まりです。特発性黄斑円孔とは、文字通り黄斑部に、月にあるクレーターのような円形の小さい孔が開いてしまう ものです。50歳~70歳代に好発し、発症頻度は1万人に0.3人程度と推測されています。原因は、硝子体の加齢性変化が考えられていますが、男性より女性に多く、その原因は不明です。 早期の場合には視力もよく、自然治癒することもあります。以前はこの病気には治療方法がないと考えられていましたが、20年ほど前から手術治療でよくなることがわかってきました。 しかし、黄斑円孔を発症して時間がたつほどに手術成績が悪くなります。つまり、手術しても1回で治らなかったり、治っても視力がよくならなかったりします。2年以上経過したと考え られる場合には、手術適応にならないと言われています。ですから、ご質問者の場合には早めに手術をお受けになることをお勧めします。手術は、通常長時間は必要とせず、手術中の 痛みはあまりありません。1週間程度の入院が必要で、術後うつ伏せ姿勢をとることがややつらいです。手術後半年ほどで白内障が進行しやすくなるために、白内障手術を同時に行う 場合も多いです。外傷で生じた黄斑円孔は、外傷性黄斑円孔と呼び、自然治癒する症例が多くあり、発症後3~4か月程度はすぐに手術をせずに経過観察することもあります。    

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49.Title  結膜弛緩症って?

  70歳になる母親のことなのですが、ずっと前から涙が出ると言って、ハンカチでいつも涙をふき取っていました。眼科にも通院していたのですが、いつも同じドライアイ用の 目薬でした。先日別の眼科で診てもらったところ、「結膜弛緩症」と言われました。どのような病気なのでしょうか。目薬で改善しないようであれば、手術することもあると 聞いたのですが、重病なのでしょうか。また、ずっと前からドライアイではなかったのでしょうか。(45歳男性)    

  結膜弛緩症とは、ゆるんだ結膜組織が主に下まぶたの上にはみ出てしまっている状態です。余剰な結膜は加齢性変化や炎症などを背景に生じると言われ、高齢者の異物感や流涙、 うっとおしさなどさまざまな訴えの原因になります。その理由としてはまず、このはみ出た結膜組織が瞬きで挟まることによる機械的な障害があります。余剰な結膜組織が角膜や 瞼縁部分に接触しますから、まつ毛が触っているような感覚であったり、物が入っているような感じがしたりします。下まぶたの上には本来わずかに涙がたまるスペースがあります。 この部分を余剰な結膜組織が占拠するために涙がさらにこのはみ出した結膜組織の上に載るために、正常な涙の量を異常に多いと感じます。これが流涙症の原因となります。また、 正常に涙が広がりにくくなるところからドライアイを増悪させたり、ドライアイそのものの原因ともなります。ご相談者の場合には以前からあったドライアイに結膜弛緩症が合併して きたのではないでしょうか。ドライアイのみでも、反射性流涙と言って刺激を受けた時の涙分泌が多くなっていることもあります。結膜弛緩症は高齢者には非常に多い病気で、 症状の面から言いますと多彩で悩ましい病気ですが、強い視力障害の原因になることはほとんどなく、手術も難易度の高いものではありません。しっかり診断がついたようですから、 しばらくこれに対して治療してもらい、どうしても症状の改善が見られないようであれば、手術してみることも良いと思います。手術の種類にもいろいろありますから、詳しく聞いて みるのが良いと思います。    

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50.Title  目の救急処置その2(薬物)

  先日、息子が運動会の時に、地面に引いてあるラインの粉を触った手で目をこすってから、充血して痛がったため、慌てて眼科を受診しました。お医者さんから少し目に傷がついたが 心配ないということでほっとしましたが、診療所へ行くよりも前にすぐに目を洗っておいた方がよいと教えられました。こういうときには、すぐに目医者さんへ行って目薬をつけた方が よいと思っていましたが、間違いでしょうか。後で調べてみると、運動場の白い粉は消石灰で失明することもあるとありました。本当でしょうか。他にも日常生活で目に入れると 大変なことになる物質があれば教えてください。(26歳女性)    

  薬物が眼に入って問題になるのは、化学薬傷つまり薬物によるやけどです。アルカリや酸による障害です。強酸も重症になりますが、強アルカリでは治療後にも障害が進行してしまい、 失明状態になることもまれではありません。以前は、運動場のラインは水酸化カルシウム(消石灰)が使用されていましたので、これは強アルカリとなるため、重症の眼障害になることが ありました。しかし最近では、炭酸カルシウムが使用されていますから、失明することはないと考えます。身近にある注意すべき薬物は、セメントやモルタル、カビ取り剤、などが 強アルカリとなるため、要注意です。また、パーマ液や脱毛剤・毛染め液もアルカリとなります。バッテリー液やトイレ用洗剤の一部が強酸である場合がありますから、これも 注意してください。これらの物質が目に少しでも入ってしまった場合には、そのお医者さんが言われたように、眼科を受診するよりも先に、眼を良く洗って下さい。緊急時は水道水で 良いですからホースなどで目の上から水を流してください。水をかけながら目をパチパチまばたきしたり、周りに付着していると思われる物を手でこすり落とすつもりでやってください。 セメントやカビ取り剤などでは、特に大量に、数分間は洗って下さい。その上で速やかに医療機関を受診してください。この初期の洗眼がしてある場合としてない場合では全くその後の 経過が違います。    

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51.Title  斜視の手術は怖くない

  以前から、目の向きがおかしいのではないかと家族から言われていました。最近は、目がすごく疲れるようになって、眼科を受診すると、間欠性外斜視という診断でした 。私は、右目が外へ向くように思うのですが、両目とも手術するのがよいと説明されました。両目とも外の筋肉を後ろにずらすそうです。右目が悪いのにどうして両目とも手術するの でしょうか?30~40分程度と言われましたが、少し痛い場合もあるとのこと、また、手術後に目が赤くなるとのことですが、どんな感じなのでしょうか。しばらくすると、また外斜視が 再発する場合があるともいわれました。手術を受けた方がよいのでしょうか? 手術のトラブルなどもあるかと思うと心配です。(30歳男性)    

  間欠性外斜視は、斜視の中でも非常に多い形です。整容面で治したいと思っている場合、外斜視になることが多くて複視を自覚する場合、疲労の原因になる場合などには、 手術治療が勧められます。通常は局所麻酔ですが、多少痛みを感じる場合がありますので、年齢的には小学校の高学年にならないと全身麻酔が必要です。まず、しろめの一番上の皮(結膜) を切開して、眼球を動かしている筋肉を露出します。外斜視では、外側についている筋肉を元の位置から切り離して、斜視の角度に応じて後ろ側にずらして縫合します。 結膜を元通りに縫合すれば終了です。水平方向の眼の運動を制御している筋肉は外側と内側の二つがあります(外直筋と内直筋)。間欠性外斜視の場合には、両眼の外直筋を後ろにずらす 場合と、片眼の外直筋を後ろにずらしかつ内直筋を内側にずらす場合とがあります。これは、外斜視の種類に基づいて決まります。いずれにしろ、筋肉をずらすだけですから、数週間 充血することを除けば、それほど心配はありません。ただし、針糸が眼球を穿孔してしまったり、縫合糸がすぐに切れてしまったり、というような術中術後の合併症がまれにはあります。 また、間欠性外斜視の手術後は、子供の場合には再発といいますか戻りが出やすいですが、成人の場合には小児より少ないとされます。ただし、再手術をしなければならなくなる場合は 多くありませんし、再手術をすることになったとしてもそれほど心配の無いものです。斜視の種類によっては、非常に難しいものや、手術後に別の斜視が出現するものなどもありますから、 手術治療のリスクについては、十分に説明を聞いてからお受けになってください。    

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52.Title  涙道がつまった?

  数年前から涙がよく出て、いつも涙がたまっている感じがしていました。先日思い切って眼科を受診しましたら、涙の抜け道がつまっているとのことです。その時には、 水を鼻の方に流すとのことで、目もとに注射針を打たれました。口の中に水が流れたか何度も聞かれたのですが、よくわかりませんでした。なみだ目を治すには、まず、 水が通る状態にならないといけないのでしばらくの間、チューブを入れておく必要があると聞きました。またあんなに痛いかと思うと少しくらい涙が出ても、このままにして しまおうかと思うのですが、だめでしょうか。(45歳女性)    

  涙は、目の表面を潤した後に、鼻の奥から口へ抜けていくようになっています。まばたきの度に眼の表面の老廃物を外へ出すことにより目を清潔にしているのです。 この涙の抜け道が涙道です。涙道がつまるといつも涙がたまっている状態になり、時には頬の上や目じりや目もとに涙があふれてきます。涙道がつまったままにしておくと、 時に細菌感染を引き起こし、目もとがひどく腫れて赤くなり痛みが出ます。これを涙嚢炎と言います。急性の涙嚢炎では、直ちに治療しないと細菌が眼の奥に行ってしまう場合が あり危険です。慢性の場合は、急性期のように痛くなったり赤くなったりしませんが、時に急激に悪くなって急性涙嚢炎となります。ですから、涙嚢炎となっている場合には治療すべき です。涙嚢炎になっていないもしくはなったことがない涙道閉塞の場合には、放置していらっしゃる患者さんもいらっしゃいますし、全員が涙嚢炎になってしまうわけではありません。 ただし、その可能性はありますから、一度しっかりと治療されてはいかがでしょうか。説明をお受けになったようにチューブを入れる方法や内視鏡で治す方法、メスを入れて骨を削って 涙道を再建する方法などがありますが、麻酔をしっかりして行えば我慢できないような痛みが出ることはありません。チューブを入れる方法はそれほど大変ではありませんし、 初期の治療方法としてお勧めです。チューブを入れることにより、再びつまってしまうことを防ぐ目的で行われ、数ヶ月間の留置後にチューブを抜きます。    

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53.Title  近視の予防法はありますか?

息子は小学校4年生なのですが、近眼がどんどん進んで困っています。2年生でメガネをかけ出して、1年前も2年前もメガネを作り変えたのですが、今年も学校健診でひっかかり、 用紙をもらってきました。メガネをかけても右C左Cとなっています。どうしたらよいでしょうか。近眼が進まないようにするために気をつけることはありますか。毎日のように コンピューターゲームをやっています。いくら注意してもやめません。やはりこれがいけないのでしょうか。(40歳女性)    

  以前に「仮性近視(No.29)」に書きましたように、近眼の本当の原因はわかりません。ただし、一般的には遺伝要因が70%ほどで、環境因子が30%程度と 言われます。やはり、近くを見て行う作業(ここでは近業と呼びます)が多いと、近視を進める可能性があります。また、強すぎるメガネをかけると近視を進める原因になります。 まず偽近視がないかどうか(No.29参照)を診断してもらい、適切なメガネを作ることです。現在装用中のメガネでよいかどうか判断してもらい、必要に応じて作り変えてください。 近視のメガネは、遠方を見易くするためのものですから、度数にもよりますが近業をするときに裸眼で見えているなら、常時かけさせる必要はありません。遠くを見ることが必要な 場合のみの装用がよいでしょう。また、家での勉強やゲームなどの近業の場合には、30分に1回の休憩をさせて、その時には遠くの景色や星などを眺めさせるとよいです。この場合、 遠くをぼんやり眺めるのではなく、遠くのもの(裸眼で見て判別できるかどうかぎりぎりのもの)をしっかりと見つめていることが大切です。また、昔から言われているように正しい 姿勢や明るさも大切で、本やゲーム機器に極端に近い姿勢にならないように指導してください。暗すぎて見えにくいと結局は距離が近くなってしまいます。やはり、ゲームや漫画などは、 できるだけ時間や曜日を決めるなど制限することが良いと思います。高齢者がかける老眼鏡のように近くを見易くしたメガネを、近業時にかけさせる方法があり、いくつかの国で大規模な 調査も行われましたが、現実には近視の進行を予防できるほどの効果は無いようです。    

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54.Title  まぶたに白いものがあって痛い

3日前から、右目の下まぶたに白っぽくて少し黄色みがかった突起のようなものができて、ごろごろ痛みます。もう少し小さいものは、時々できているような気がするのですが、 ここまで大きくはありませんでした。また、こんなに痛いのは初めてです。普段はコンタクトレンズをつけているのですが、やめたほうがよいでしょうか。つけていたほうが痛くない ような気がします。どんな目薬をつけるのが良いでしょうか。(37歳女性)    

  マイボーム腺梗塞かもしれません。マイボーム腺というのは、上下のまぶたに数十個縦に並んだ、脂の腺のことです。その分泌腺の開口部は、まつ毛の生え際より少し目に近い側の まぶたの縁に並んでいます。そこから出る脂が涙に上手に混じることにより、涙がきれいに角膜や結膜上にひろがり、眼表面を清潔にしたり潤わせたりすることに役立ちます。 ドライアイに密接に関係していると言われて、最近特に注目されている組織です。このマイボーム腺内の脂がかたまってきたものをマイボーム腺梗塞と言います。自然に排出されて 元通りに治ってしまうこともよくあります。しかし、ある程度の大きさになって突出してくると、眼表面にあたりますのでゴロゴロしたりチクチクしたり、時には角膜びらんの原因 ともなります。薬局で目薬を購入するよりも、まずは眼科を受診して正確に診断してもらうのが良いでしょう。似たような病変でよくあるものとしましては、ツァイス腺嚢腫、稗瘤種 などがあります。小さなマイボーム腺梗塞であれば、点眼で治療して治ってしまう場合もあります。大きなものでは、針で穿刺して圧迫して開口部を塞いでいる塊を圧出することで治癒 することが多いです。何度もできる場合には、マイボーム腺機能障害があると思います。原因としては加齢性の変化や細菌の影響などが言われていますが、はっきりとはまだわかりません。 コンタクトレンズ(以下CLと略します)をしていたほうが良いかどうかについては、一般的には病気の目にCLをしないほうが良いとされますが、一時的にCLが角膜を守る場合もあります ので、担当医の指示に従ってください。    

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55.Title  内反症(ないはんしょう)って?

1歳になる息子ですが、よく涙目になります。時々メヤニが多くなって眼科を受診すると、内反症と診断されました。まつ毛が黒目に当たっているとのことで、様子を見ていって、 あまり改善しないようなら手術が必要だと言われました。手術しないと治らないのでしょうか?いつもは息子もあまり気にならないようで、こすったり触ったりしていません。 メヤニが出なければそのままでも良いのではないかと思っていました。現在は少し涙っぽいだけなので、放っておいてはいけませんでしょうか?(29歳女性)    

  内反症(ないはんしょう)とは、まつ毛やまぶたが目の内側に倒れ込んで、まつ毛が角膜にあたり傷がつくものです。まつ毛だけが内側に倒れているものが睫毛内反(しょうもうないはん)、 まぶたまで倒れ込んでいるものを眼瞼内反(がんけんないはん)と呼び、総称して内反症といいます。乳幼児では軽度の睫毛内反は珍しくない病気です。乳児では多くの場合経過観察で よいと思います。まつ毛が硬くなってきて、角膜の傷が重篤な場合には、視力の発達に影響がありますので手術が必要になります。手術は古くは故意にやけどを作って瘢痕化させるものが ありましたが最近はあまり行われていないと思います。皮膚を切開するものが一般的ですが、乳幼児の場合には全身麻酔が必要になります。角膜の傷が重症でなく視力の発達にも影響が ない場合には、数か月に1回程度は眼科専門医に経過観察していただくのが良いと思います。手術治療が必要になる場合は少ないです。一方、高齢者になると眼瞼内反が多くなります。 これはまぶたの構造を保っている支持組織が加齢により緩んできてしまうものです。まぶたが内側に倒れないようにテープで固定しておくのも治療方法の一つですが、長期にテープを 使用すると皮膚がただれることや外見上格好が悪いことなどから、根治療法としては手術治療となります。乳幼児の内反症とは違って自然に治ることはありません。切開して緩んだ組織を つなげ直す手術や糸で縛ってしまう手術があります。どちらも局所麻酔で済みますし、後者であれば非常に短時間で済みます。    

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56.Title  3D映像が小さい子には危険って?

3D映像が見られるTVに買い替えようと思っています。すごくきれいな映像を楽しみにしているのですが、友人から小さい子にはあまり見せない方がよいと聞きました。うちには2歳と 4歳の子供がいるのですが、見せてはいけないのでしょうか。何か視力の発達に影響が出るのでしょうか。何歳ぐらいになったら良いのでしょうか。詳しく教えていただければと 思います。(32歳女性)    

  3D映像は、立体的に見えてとても臨場感あふれる映像が作り出されます。この原理は、私たちの眼の立体視という機能を使っています。左右それぞれの眼はわずかに位置が異なる ことから、片目づつを隠して景色を見るとほんの少し見え方が違うことに気付くと思います。現代の3D映像は偏光フィルターもしくは液晶シャッターを用いて左右眼に別々の映像を 投影することで、この立体視を作っています。この無理に作りだされる立体映像が、目のピント合わせ(調節)と寄り目の機能(輻湊)とのアンバランスを引き起こし、眼精疲労を生じると されています。日本では、5歳の健康な子供が立体映画を見た後に急性内斜視となり、結果的に手術治療を要した症例がいます。ひと昔前よりは、立体映像の作り方も見え方の アンバランスを少なくするように改善されてきていますので、この症例のような事例が起きる可能性は少ないと思います。ですが、両眼視機能が発達段階にある未就学児童(6歳以下)や、 斜視(No.17)を自覚している方、3Dを見ていてすごく疲れを感じる方などは、注意を要すると考えられています。ですから、あなたのお子さんたちには、 長時間3D映像を見させることはしない方がよいと思います。どうしてもという場合には、斜視の有無や屈折の異常などをお近くの眼科医に診てもらって、相談されるのがよいと思います。    

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57.Title  妊娠しているのですが、目薬は大丈夫ですか?

先日、ものもらいが左目にできて、近くの眼科にかかり目薬をもらいました。抗生物質の目薬と炎症を抑える目薬ということでした。現在妊娠3か月なのですが、目薬を使っても 問題ないでしょうか。その先生に伺いましたところ、多分大丈夫だろうということでしたが、妊娠は初めてのことで、心配しています。本当のところはどうなんでしょうか。また、 出産した後も母乳で育てようと思っていますが、その時にも目薬を使っても大丈夫でしょうか。詳しく教えてください。(33歳女性)    

  まず、妊娠初期(2か月まで)には、薬の催奇形性(子供に奇形を作ってしまうこと)が問題になりますが、目薬は量的に微量であることや全身への移行は少ないことから、催奇形性は 非常に少ないと考えられています。また、目薬で奇形が生じたとする例は現在まで報告されていません。ただ、完全に安全性が証明されているわけではありません。それ以降の時期には 胎児への移行が証明されている薬剤もありますが、目薬は内服薬に比べて非常に微量ですからおそらく問題ないと思われています。ただし、自律神経(交感神経や副交感神経)に作用する 薬剤やプロスタグランディン製剤や炭酸脱水酵素阻害剤は、避けたほうが良いとも言われます。授乳への影響もいくつかの薬剤では証明されていますが、実際上問題になることは少ないと 考えられています。ただし、自律神経に作用する薬剤は避けたほうが良いかもしれません。まとめますと、絶対に安全だと言える目薬はありませんので、妊婦さんには必要最小限の 目薬にしたほうが無難かと思われますが、現実にはほとんど問題にならないと考えられています。したがって今回の目薬は必要であれば使用してよいと思います。ただし、目薬には 使用期限がありますが、開封後は汚染されていきます。開封した目薬を1か月以上は保管しないようにしてください。    

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58.Title  モノビジョンって何ですか

先日知り合いのお母様が白内障手術をお受けになった時に聞いた話なのですが、術後に眼鏡を使わずに遠くも近くも見えるようにしたとのことです。その方の手術はモノビジョン法と いうそうですが、どういうことでしょうか?新しい手術方法なのでしょうか。私の父が白内障手術を受けた時には、両眼とも遠くが見える状態になって、近くを見る時には現在も老眼鏡を使っています。(33歳、女性)    

  ご存知のように通常の眼内レンズ(白内障手術時に使用する水晶体の代わりをするもの)を入れると、ピントは固定されてしまうため遠くも近くも両方ともが同時に見えるようにはなりません (お父上はそのピントを遠くにしたと考えられます)。したがって、術後には最低一つ以上の眼鏡を使用しなければならないことになります。これに対して、モノビジョンとは、片方の眼を 遠くが見えるようにして、もう一方の眼を近くが見易い状態にして、両眼で見ると近くも遠くも見やすい状態にするという、調節力の衰退(老眼)を補うやり方をいいます。ただし、効き目が 深く関係してくるので、モノビジョンができる人とできない人がいます。術前のしっかりした検査を行い、できるかどうかの判断が必要です。最近では多焦点眼内レンズという片眼だけで 近くも遠くも見えるようにする手術方法もあります(Q&A46参照)ので、手術前に詳しく説明を聞いてください。白内障手術時に使用する眼内レンズの片眼のみを多焦点レンズにするという 前述したモノビジョンの変法を行うこともあります。また、コンタクトレンズやメガネを使用している患者さんの初老期の治療に応用したりすることもあります。いずれにしてもできる人と できない人がいますので、コンタクトレンズやメガネでの応用は試せばよいですが、手術治療に応用する場合には術前のしっかりした検査や説明を聞いてください。    

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59.Title  白内障の予防法

私の父が最近見えにくくなったといって、眼科を受診しました。すると、白内障との診断でした。まだ父は49歳なのですが、白内障とはショックです。昨年、祖母が白内障の手術を受けた ところですが、白内障はお年寄りがなるものだと思っていました。父ももちろんそうですが、私も今から予防しておきたいと思います。父は目薬をもらって帰ってきましたが、他にも 白内障の予防があれば教えてください。(25歳、女性)    

  白内障の予防法として、6つご紹介します。1.紫外線対策:紫外線は白内障の原因となることがわかっています。外出時のサングラスや眼鏡が大切です。帽子や日傘は単独では十分な 効果が期待できないとされています。海や雪山などでは紫外線被曝量は特に多くなるため、必ずサングラスをかけるようにしましょう。2.禁煙:禁煙によって白内障発症リスクが低く なると報告されています。白内障症例の20%は喫煙に起因しているとされ、禁煙は白内障の予防に極めて重要です。3.飲酒:過剰飲酒は白内障になりやすいとされていますが、適量の 飲酒では白内障のリスクを軽減するという報告があります。適量飲酒であっても蒸留酒やワインがよいとされビールは効果がないそうです。特に赤ワインなら女性なら1杯、男性なら 2杯までは効果がかなり期待できるようです。4.糖尿病の予防:糖尿病による白内障は合併する頻度が高く、白内障にならないためにはまず糖尿病の予防をすることが重要とされています。 日本において糖尿病は増加傾向ですから、気を付けてください。5.薬物による予防:ピレノキシン(商品名で言えば、カリーユニやカタリン)やグルタチオン点眼は、初期の白内障予防に 効果があるとされています。ただ、目薬で白内障が治るものではありません。あくまで進行を遅くさせるものです。6.サプリメント:ビタミンCやビタミンEは単独では効果が期待できない ようですが、マルチビタミン・ミネラルであるCentrumの長期投与が白内障予防に期待できそうな感じです。食事の不足分をサプリメントで補うのが基本ですが、低栄養(偏食)、喫煙者、 高度紫外線曝露者などでは、サプリメントの役割が期待されています。    

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60.Title  再発性角膜びらん

先日、朝方右眼に激痛がして、眼科を受診すると「再発性角膜びらん」と言われました。半年前ごろに、植木いじりをしていた時に右眼のくろめを傷めたことがあったのですが、主治医の 眼医者さんは、これが原因だということでした。実は、今回が3度目なのです。こすったりぶつけたりなど全く何もしていなかったのに、急にくろめがえぐれてしまうものなのでしょうか。 その日は眼帯をして帰り、今は目薬をつけています。当日はものすごく痛くてたまらなかったです。何か予防法はないのでしょうか。(40歳、男性)    

  再発性角膜びらんは、植物の葉や紙片、手指、爪などが原因で角膜に傷をつけてしまった場合に、数週間から数ヵ月を経て角膜びらんが再発するものです。このようなケガによるものが 最も多いですが、それ以外にも、角膜ジストロフィー・感染症・薬物障害・糖尿病などの全身疾患によると考えられているものなどもあります。びらんになった角膜が治った状態にあっても、 角膜の内部で接着障害が起きているために、まばたきやわずかにこすれたというような角膜への刺激が引き金になって、角膜がはがれてしまう病気です。通常は初めのケガと同じ部位が びらんになることが多いとされ、夜間から早朝特に起床時にはがれることが多いようです。治療法は、就寝前の眼軟膏点入と角膜保護薬などの目薬を使用することです。軟膏を入れて眼帯を したり、重症例ではソフトコンタクトレンズをつけたままにすることもあります。外科的治療法としては、一度角膜上皮を剥がしてしまう治療が以前からありますが、術後の疼痛が強いです。 また針やレーザーを使って角膜に小さな傷を数か所わざと作って、接着効果を期待するものやレーシックの時に使用するレーザーで角膜を切除する手術もあります。しかしながら外科的治療法は、 この病気の真の原因が不明なこともあり、角膜ジストロフィーという病気や糖尿病角膜症などで広範囲で難治性の場合に限られます。予防方法として確立されているものはありませんが、 再発予防には1ヵ月以上の軟膏点入が有用とされています。    

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61.Title  中心性網膜炎

少し記憶が定かではないのですが、3ヵ月ほど前に右目が急に見えにくくなりました。右目だけでみると中心が暗くなって小さく見える様な感じでした。よく行く目医者さんから、「中心性 網膜炎」と言われ、自然に良くなることが多いと言われたのですが、まだ、よく見えません。何が原因なのでしょうか。飲み薬をもらって飲んでいます。あまりストレスに感じないようにと 言われましたが、他に何かよい治療法はないのでしょうか。(42歳、男性)    

  中心性網膜炎、正確には中心性漿液性網脈絡膜症と言います。脈絡膜という網膜(カメラに例えるところのフィルムの部分)の下の組織から浸出液がしみ出てきてしまい、網膜の中心部分にむくみを 引き起こす病気です。患者さんのような働き盛りの男性に多いとされています。ストレスやステロイド薬との関係をいわれますが、今のところ真の原因はわかっていません。患者さんのように 見ている中心部分が暗く感じたり少し黄色く見えたり、小さく見えたりひずんで見えたりすることが多いです。蛍光眼底造影検査という、色素を静脈から注射して眼底を造影して複数の写真を 撮ることにより、診断を確定します。急性の中心性漿液性網脈絡膜症では、比較的予後がよいです。自然に回復していき、半年ほどで全く正常に回復することが多いと思います。ただ、網膜の むくみが長い場合にはかなりの視力低下を残してしまうこともあります。また、一度治っても数ヵ月~数年で再発することがあります。治療方法としては、レーザー治療があります。適応が あればレーザー治療で自然経過よりも早く治りますし、再発もしにくくなるという報告もあります。ただし、蛍光眼底造影検査でしみ出てくるところが網膜の中心部分に近い場合には、レーザー 治療ができません。飲み薬では著効するものはまだないようでうすが、循環改善剤やビタミン剤を処方される場合が多いと思います。他には、光線力学療法という別の病気で発展してきた 治療方法をこの病気に応用する方法なども試されています。特に慢性化してしまった場合には、考慮されるべき治療方法ではないかと思っています。    

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62.Title  高眼圧症の管理

先日、目にできものができて眼科を受診したところ、ものもらいと診断されました。それは治って良かったのですが、眼圧が高いと言われました。3回通院したのですが3回とも22~26 mmHgで、少し高いので定期的に検査が必要と言われました。緑内障ではなく治療の必要はないと説明を受けたのですが、やはり心配です。簡単に眼圧を下げる方法が有れば教えて ください。(42歳、男性)    

  眼圧とは眼の硬さのことで、日本人の正常値は、10mmHg~20mmHgとされ、この値の中に90%の人が入ります。ただし、日内変動や季節変動があります。また体位やその他に影響が あって、変動がみられます。詳しくは、この携帯電話サイト原稿No.25(とつか眼科ホームページQ&A25)をご参考になってください。1日の中では5mmHg程度の変動があります。ですから、 その先生が言われるように定期的に測っていかれることをお勧めします。教科書的には25mmHgを超えるようになると緑内障が出現しやすいと言われています。ですから、通院中に25mm Hgを超えることが多くなれば、眼圧を下げる目薬を使うことをお勧めします。日本人に最も多い緑内障の型は正常眼圧緑内障といい、眼圧が高くない正常眼圧のタイプと言われています。 従いまして、高い眼圧のみをあまり気にすることはありません。それよりは視神経の形を良く見てもらってください。緑内障による視神経障害はいかなる治療をしても戻らないため、緑内障 治療は、障害が進行しないようにする方法しかありません。エビデンスのある唯一の治療が眼圧を下げることです。このために緑内障が疑われる場合には、確定診断に至らなくても少しだけ 高い眼圧を予防的に下げておくという考え方もあります。視神経の形から全く緑内障が疑われない場合には、定期的に眼圧を測って高くなりすぎていないかを調べてもられば良いと考えます。 ただし、空気で測る機械の値のみではなく医師の顕微鏡で眼圧を測ってもらうことと、眼圧検査は角膜の厚みが影響していることがありますので、この影響が無いかどうか確かめてもらうこと をお勧めします。    

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63.Title  星状硝子体症

健康診断で眼科の項目に精密検査が必要とされ、眼科を受診しました。すると、星状硝子体症(せいじょうしょうしたいしょう)と言われました。眼の中に黄色いものが多数あると言うこと ですが、そのまま放置してよいと言われました。自分自身は、見にくくもありませんし、全く自覚症状はありません。眼の中の写真を見せていただきましたところ、黄色い物質が無数にあって なぜ見えにくくないのか疑問に思うほどでした。原因は何でしょうか。治療法を考える必要はないと言われましたが、何か気をつけることはありますか?(55歳、男性)    

  星状硝子体症とは、硝子体(水晶体の後ろから網膜までの間のスペース)に、カルシウム(リン酸塩)を主体とする結晶が、無数に浮遊した状態です。眼を動かすと硝子体ゲルが動きますので、 この黄色いつぶつぶも動きます。光で照らして診察すると、この硝子体内の混濁が満点の星空の様に見えることから、星状硝子体症の名前があるとされています。原因はわかっていませんが、 糖尿病や高脂血症との関連があるとする報告もあります。しかし、そうでないとする意見もあります。片眼性のことが多いですが、両眼性の方もいらっしゃいます。稀な病気ではなく、人口の 2000人に1人~200人に1人いると言われています。その先生がおっしゃるように治療の必要はありません。自覚症状もほとんどないことが多いです。注意する点は、他の病気、例えば糖尿病 網膜症や網膜上膜(この携帯サイト原稿Q&ANo.33を参照)などで、硝子体手術が必要になった場合には、その手術は少し難しくなるということです。これは、星状硝子体症の方の 硝子体は、年齢で起こる変化が起きにくいためです。それ以外は、特に気にする必要はありません。自然に消えてしまうことはないようで、眼底写真をとられると、その度に要精査となる 可能性がありますが、特に心配ありません。    

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64.Title  心因性視覚障害

小学校5年生の女児です。学校の健診で受診のお勧めをもらい、眼科を受診したところ、心の問題の可能性があると言われました。学校では昨年まで両眼ともAだったのですが、今回急に 両眼ともCをもらいました。眼科の視力検査でも0.3と0.4とのことでした。何回か受診したのですが、特に目の病気は無いとのことで、心の問題から来ているという説明でした。特に思い 当たる節は無いのですが、どんなことが考えれれるのでしょうか。どのようにすべきか教えてください。(40歳、女性)    

  視力の低下を説明するに足りる器質的病気が無く、視力低下の原因として精神的心理的要因を考慮しなければならない状態を「心因性視覚障害」と言います。小中学校の高学年の女の子に 多いとされていますが、男の子でもあります。発症の原因はその子を取り巻く心理的環境にあるとされます。家庭環境や学校生活、塾や習い事、などです。親との関係や兄弟との関係、 友人関係、先生との関係などさまざまな人間関係も考えられます。中にはメガネをかけることにあこがれているということがきっかけの場合もあります。いずれにしろ、もっと自分に 注目して欲しい、さびしい、つらい、などというような心理的ストレスが原因となって、視力障害という形でSOSを発信していると考えられます。視力低下のわりに日常生活では全く 不自由そうにしていないことも特徴の一つです。しばらく通院しているうちに視力が戻ることが多く、これは通院に通い子供とのスキンシップが増えることがよい効果をもたらしている ように思います。お子さんと色々とお話しして悩みを聞いてあげることもよいと思います。しかし、心因性視覚障害が疑われる患者さんの中には、本当の眼の病気が見つかることがあり ますので、器質的疾患の原因検索は、しっかりと行われなくてはいけません。複数回通院して、網膜電図や視覚誘発電位といった眼科的電気生理学的検査や、CTやMRI検査などの頭部の 画像診断も時に必要です。また、心因性視覚障害であるにもかかわらず、長期間にわたっても視力改善が得られない場合には、児童精神科医や心理カウンセラーなどとの連携も考える必要 があります。    

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