医療法人とつか眼科

名古屋市南区にある眼科クリニック。とつか眼科。

TEL.052-613-4001   〒457-0808 名古屋市南区松下町1丁目1番地

疾患Q&A

125. はやり目の感染予防  201710

   小学校6年生の息子がはやり目と言われました。どこでもらってしまったのでしょうか? 学校へ行かずに自宅で目薬を点けています。家族にも感染すると言われて、タオルは別にしています。他にはどんなことに気をつければよいでしょうか。(40歳、母)

 はやり目は、アデノウイルスという病原微生物の感染で、日本全国いたる所で時に集団発生します。手指などを介して患者さんの涙がつきますと、乾いた局面でも2週間ウイルスが生き続けるという報告や、濡れ雑巾などでは1ヶ月以上、感染源となりうるという報告があります。とても強いウイルスです。盛り場へ行かずに自宅療養するのは、感染を広げないようにするためですが、友人知人をご自宅へ呼ばないようにしてください。患者さんが眼を触った後に手をよく洗い消毒することも大切ですが、お家の中はウイルスが巻き散らかされていると考えていただき、ご家族もご自分の手を通じて感染する危険があると認識してください。洗顔やお化粧などの前には、よく手を洗って消毒をしてからにしてください。タオルの共有はやめ、紙タオルなどの使い捨て製品を使用してください。患者さんの涙がついてしまったところは、熱湯をかけてください。このウイルスは100度のお湯であれば5秒で失活すると言われます。65度程度のお湯であれば5分ほどつけてください。熱湯をかけられないところは拭けるところであれば、70%以上の濃度のエタノールで拭いてください。一度乾いてからもう一度拭く、いわゆる二度拭きが良いとされています。患者さんの入浴はご家族の最後にして、バスタブのお湯は廃棄して、乾いた布で拭き上げてからアルコールを噴霧してください。もしくはなるべく熱いお湯をかけ続けるのも効果があると思います。日光消毒も効果はあるといわれますが、不確実と思われます。重症の場合には、完治するのに1か月以上かかる場合がありますが、後遺症はほとんど残さずに必ず治りますので、安心してください。

124. 白内障手術を受けるときに考えること  201709

   白内障の手術をするかどうか迷っています。以前から近くの眼科に通っています。読書が好きなのですが、文庫本がメガネをかけても少し見えにくくなって来ましたので、手術を受けようと思い予約しました。ピントがどうのこうのと言われ、どうしたら良いか分からなくなりました。日常は、メガネをかけていません。読書や新聞を読む時、必要な時には老眼鏡を使っています。(65歳、女性)

 白内障の手術を受ける際の考えるポイントを、記載します。
1)まずいつ手術をうけるべきか?
日常生活で困ることがなければ慌てる必要はありません。慎重に考えてください(緑内障や他の病気のために、やりたくなくてもすぐに受けなければならない場合もあります)。ご自分の現在の目にあった眼鏡を使っていても見えにくくて困ることがあれば、手術を受けることが望ましいです。 
2)術後に全く眼鏡を使いたくない場合
多焦点眼内レンズを使うかモノビジョン法という左右眼のピントをずらすやり方のどちらかを選ばなければなりません。手術代金も大きく違いますし、どちらの方法も適さない方もいますので、詳しい説明を聞いてください。
3)裸眼で見やすいところはどこになるのか?
2)の方法を選ばない場合には、裸眼では見やすい距離と見にくい距離ができ、眼鏡をかけずに遠くから近くまで良く見えるようになることは通常ありません。つまり手術後は、裸眼で見やすい距離以外は眼鏡を使わねばなりませんので、じっくり考えてください。 
4)白内障以外の病気はあるのかないのか。
あればどのような状態なのかを把握する。手術時に合併症が出やすい眼病が基礎にあれば、少し先に伸ばした方が良いこともあります。逆に急がねばならないこともあります。一方眼底疾患など、眼底の病気を治療するために白内障手術をした方が良いこともあります。
 白内障手術と言えども、100%うまくいくわけではありません。5000人が白内障手術を受ければ、一人くらいは、手術しなければこうはならなかったという術後の状態に不満を訴える患者さんもいらっしゃいます。利点と欠点を天秤にかけ、納得のいくまで担当の先生のお話をお聞きした上で、手術時期や手術後のピントのことを考えてください。わかりにくいこともありますので、手術前の説明を受ける際にはご家族に付き添っていただくことをお勧めします。

123. スマートフォンの悪影響  201708

   小学校5年生の男の子です。学校で眼科受診のお勧めをもらって、近所の眼科を受診しました。案の定メガネが必要だと言われてしまいました。心配なのは、今後です。学校へ行く前も帰ってきてからも、四六時中、スマートフォンを見ています。眼への悪影響はどのくらいあるのでしょうか?(36歳母)

 とても良い質問です。考えられる影響を箇条書きします。1. 近視化:近くをずっと見続けていると近視化し易いと考えられます。 2. ドライアイ:凝視することから瞬きが減ってドライアイになります。 3. ブルーライトの影響:液晶画面にはブルーライトが出ているとされていますので、これによる体内時計(睡眠と覚醒のリズム)への悪影響が懸念されます(ブルーライトは自然光にも含まれる午前中には必要な光ですから、常にカットしてもいけません)。 4. 調節障害:俗に言うスマホ老眼の言葉のように、調節する力が不安定になり焦点があいにくくなります。 5. 斜視の悪化:画面までの距離が近いと、両眼で見ていないことが多くなり、斜視が出やすくなります。 6. コミュニケーション能力の低下:話せる距離や環境にあるにもかかわらず、コミュニケーションツールでやりとりをしてばかりいると話す力が育ちませんし、人とうまく話せなくなります。 7. スマホ姿勢による肩こりや体の痛み:スマートフォンを見る姿勢が円背となり肩や首の筋肉に負担をかけます。8. 大脳への悪影響:悪影響を実証することはとても難しいと思いますが、人格形成の大切な時期にスマホを使ってばかりいて良いはずがありません。 その他にもあるかもしれません。スマホの使いすぎは避けた方が良いと思います。

122.コンタクトレンズの洗浄消毒剤  201707

   ソフトコンタクトレンズが原因でひどいアレルギー性結膜炎になってしまいました。2週間交換タイプのものです。コンタクトを中止して目薬をさすことになったのですが、消毒方法についても指導されました。洗浄も保存もそれ1本で済むものでは無く、錠剤を入れて行う面倒なタイプのものを勧められました。コンタクトレンズの消毒はどれが良いのでしょうか? (28歳女性)

 その先生がおっしゃる通りです。最近では、ハードコンタクトレンズ(以下HCLと略します)よりもソフトコンタクトレンズ(以下SCLと略します)装用者の方が圧倒的に多くなりました。1日使い捨てのSCL以外のCLでは、HCLであってもSCLであっても洗浄消毒が必要です。こすり洗いが不要かのように宣伝している洗浄保存液も目にしますが、CLの保存・消毒にはこすり洗いは必須です。手指による機械的な洗浄は丁寧に必ず行ってください。また、ご質問にありますような、洗浄保存液もそれ1本で済むタイプのもの(マルチパーパスソリューションと呼びます)は消毒効果が弱いことがわかっています。CL装用者に多い重症の感染症として恐ろしいのは、アカントアメーバです。アカントアメーバ角膜炎では、治癒しても重度の後遺症を残すことがしばしばあります。そうなりますとCLをしてもメガネをしても一生元通りに見えるようにはなりません。洗浄消毒剤としまして、過酸化水素を利用するものもマルチパーパスソリューションよりは消毒効果が高いですが、大部分の微生物やアカントアメーバにもより有効とされるのがヨードという消毒薬を利用するタイプのものです。黄色の液体が消毒作用を持ちます。錠剤にこの成分が入っていたり、溶液のヨード剤を錠剤で無毒化したりするものがあります。HCL、SCLともこれをお勧めします。

121.免許証と視力  201706

   もうすぐ自動車免許証の更新があります。体はいたって健康で通院中の病気はありません。しかし、視力が少し衰えてきて、今年受けた健康診断では0.5と0.6と言われました。今までメガネを使ったことはありません。小さい字も少し見えにくいです。0.7が見えないのでメガネを作ってから、更新手続きをしに警察に行くのがよいでしょうか。それとも、とりあえず更新手続きに行ってしまって、問題があればメガネを作るのがよいでしょうか。 (56歳男性)

 とてもよい質問です。こういう場合には、まず眼科に行ってどうすべきか相談してください。お話からすると普通自動車の運転免許のお話と思います。普通車では、「視力が両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上であること。一眼の視力が0.3に満たない方若しくは一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上であること」と規定されています。大型第一種免許や第二種免許では、両眼で0.8以上、かつ、一眼でそれぞれ0.5以上であることや三桿法の奥行知覚検査をパスしなければなりません。乗り物の種類によって異なりますので、まずどんな免許の更新で、規定がどうなっているかをお調べください。その情報を持って、眼科で正しく診断してもらってから、眼鏡を作るべきなのか、治療するべき疾患があるのか、免許証の更新はどうすればよいか、を尋ねるのがベストです。時には手術が必要な場合もありますから、更新手続きが可能となる誕生日の1か月前よりはずっと前に眼科受診してください。誕生日を1か月過ぎてしまうと、通常は免許証を失効することになります。期日が過ぎてしまえばどうしようもありませんし、警察署や運転試験場の視力検査が通らなければ、視力に問題がないというような趣旨の医師の診断書があっても不能です。その場しのぎでメガネを作ってしまって免許証をもらえたとしても、手術治療を受けることでメガネが必要でなくなってしまうこともよくあります。また、普通免許であれば両眼で0.7見えるとパスしてしまいますが、緑内障やほかの病気で視野が狭くなっていて、運転しない方がよいとアドバイスすることも、眼科診療上ではよくあります。今まで運転して困らなかったと言っていた方でも、正確な視力は0.7見えなくなっている場合や、他の病気があって遠近感や立体感を失ってしまっていることなどもよくあります。先天色覚異常が原因で自動車事故を起こした事例や網膜色素変性症という病気で死亡事故を起こした事例は有名です。事故を起こしてしまってからでは取り返しがつきません。仮にそのまま更新手続きに行ってしまって、パスしてしまっても、一度は眼科を受診して、現在の状態と運転についてドクターのアドバイスを聞いてみることをお勧めします。

120.緑内障患者さんの日常生活  201705

   緑内障で通院中です。毎日目薬を点けて、1ヶ月に1回通院しています。担当の先生はとても気さくな先生で、それはいいのですが少しずつ悪くなっているように思います。日常生活では特に注意することはないと聞いていますが、本当に何もしなくて良いのか心配です。日常生活で注意することがあれば教えてください。(42歳女性)

 そうですね。ご担当の優しい先生が言われる様に日常生活では、極端に変わった生活をしない限りあまり神経質になる必要はありません。エビデンスは高くない、つまり可能性があるかもしれないというレベルですが少し復習してみましょう。基本的には眼圧が上がることが緑内障には悪いので、眼を心臓より下にしない様にすることです。起きている時よりも、寝ている時の方が眼圧は少し上がりやすいです。とは言ってもヒトは睡眠を少なくして良いことはありませんので、できればという程度ですが、うつぶせ寝よりは仰向けの方が良いと思います。緑内障が悪い方の眼が下側になった側臥位(横向き)は、避けましょう。水中にずっと潜っていたり、逆立ちし続けることは、良くないと思います。食事は、あまり注意する必要はありませんが、フルーツや緑黄色野菜は良い可能性があります。コーヒーは良くないとする論文もありますが、はっきりしませんので、食物については身体に良さそうなものは悪くないと考えましょう。ジョギングなどの有酸素運動は良いですが、ウェイトリフティングやポーズを強いるヨガや長い息こらえは良くない可能性があります。水泳は有酸素運動として良いかもしれませんが、ゴーグルの装着は良くない可能性があります。アルコールは関係ないとされることが多いですが、水と同じで短時間で数リットルも飲めば良くない可能性があります。どれも確実とは言えませんが、身体に悪いこととわかっていてやることや記載したすべての悪いことを積み重ねれば、緑内障が悪化してしまう可能性もあるかもしれません。ですが、あまりに神経質になる必要はないと思います。

119.硝子体注射  201704

   10年来、糖尿病網膜症で眼科医院へ通院しています。数年前に両眼ともレーザー治療を何度も受けて、落ち着いていると思っていたので、2〜3年通院するのをやめていました。最近は右眼だけ見えにくくなってきたので久しぶりに眼科へ行くと、黄斑浮腫と言われて、目に注射をすることを勧められました。目に針を刺すのはとても怖いのですが、大丈夫でしょうか。どんな風に行うのでしょうか。(64歳 女性)

 硝子体注射(しょうしたいちゅうしゃ)のことですね。最近は、とてもよく行われる治療方法の一つです。加齢黄斑変性症や近視性脈絡膜新生血管、そして患者さんのような糖尿病黄斑浮腫の3つの病気に対して、盛んに行われます。使用する薬剤は何種類かありますが、ここでは省略します。黄斑部の浮腫を減らす目的で使用されます。通常は、眼の中の手術を行う場合と同じ要領で、手術室や手術室に準じた清潔区域で、ベッドに仰向けになっていただき、顕微鏡の下で行います。眼の周りや眼の表面を消毒して、眼以外の部分は清潔な布で覆います。消毒の最中は眼にしみるような痛みを感じることがあります。角膜(くろめの部分)から、3〜4mm離れたしろめの部分に、針を刺します。この時に少し痛みを感じることがありますが、我慢できないような強い痛みを感じることは滅多にありません。注射している時間は、ほんの数秒です。終了後は、目薬や軟膏を入れて眼帯をします。眼帯をせずにすぐに目薬を開始することもあります。この場合には、眼の中に入った注射薬のせいで、目の前に飛蚊症を自覚したり、小さいあわ粒が見えたりすることもあります。注射後は翌朝、診察を受けるべきです。それまでには、多少の異物感や違和感を生じることもありますが、強い痛みはないのが通常です。硝子体注射による合併症は、極めて稀に心筋梗塞や脳血管障害といった重篤なものが挙げられますので、既往症がある方は注意が必要かもしれません。眼科の主治医の先生と相談してください。また、およそ3000人に一人程度は、白内障などの眼内手術と同様に、眼内に細菌入り込んでしまうことがあり(術後眼内炎と呼びます)、注意が必要です。注射後に、視力が急激に下がったり、強い痛みを感じたりした場合には、術後眼内炎になっている可能性がありますので、緊急に主治医の先生を訪ねてください。

118.緑内障に使ってはいけない薬とは?  201703

   現在、緑内障で眼科に通院していて、もうすぐ3年になります。最近風邪をひいて、内科を受診したところ、緑内障があるのなら薬を出せないと言われました。そこでかかりつけの眼科医に尋ねると、私の場合には大丈夫なので処方してもらうようにと言われました。しかし、インターネットで調べると、緑内障に悪い薬がたくさん出てきて、心配です。本当に大丈夫なのでしょうか。どういうお薬がいけないのでしょうか?詳しく教えてください。(53歳 女性)

 とても良い質問です。緑内障にはいくつかの種類があり、タイプによって違います。眼の中には房水という水が循環しており、その房水の出口が狭いタイプの緑内障の方が要注意です。この房水の出口を隅角とよびますが、隅角が閉塞すると急性の緑内障発作になり、早期に手術治療をしないと失明してしまいます。隅角を狭くしてしまうお薬は、一般的には、風邪薬や抗不安薬・抗うつ薬、アレルギーに使うお薬などに多くありますし、目薬の中にもそのような作用のものがあります。副交感神経に抑制的に働いて、瞳を大きくする可能性のあるお薬(抗コリン作用の薬)です。抗コリン作用をもつ薬は、内服薬だけでなく、消化管の内視鏡検査を受ける際などに用いられる注射薬にもあります。ご質問者の場合には、眼科の先生のお話から隅角が狭いタイプの緑内障では無いか、もしくは手術治療などで、隅角閉塞を起こしにくくなった状態と考えられます。ですから、問題ないのです。ただし、ステロイド薬はどのタイプの緑内障であろうと眼圧をあげる可能性のあるお薬です。重症な緑内障や眼圧コントロールがうまくいっていない場合には、ステロイド薬を使用することに慎重であるべきですし、抗コリン作用をもつ薬を長期に使用する場合には、眼圧の変動に気をつけられるのがよいです。また、血圧が高くなると眼圧も少し高くなる傾向があります。まとめますと、緑内障のタイプによっては、よくない薬がありますので、眼科の先生に緑内障の程度と気をつけるべき薬があるかどうか尋ねるのがよいと思います。

117.半盲って何ですか(脳梗塞で見えにくいです)  201702

   元々緑内障で通院していた75歳の母親のことです。先日、脳梗塞と言われ入院しました。そちらの方は少し話しにくい以外は手足の麻痺もあまりなく退院できました。緑内障の目薬も続けていたのですが、右側が何か見えにくいと言い出し、眼科で診てもらうと脳梗塞のせいで見えにくい部分があるとのことです。緑内障が悪くなったのではないということでした。どうすれば良いでしょうか。(42歳 女性)

 恐らく右側同名半盲(はんもう)と思います。左側の大脳半球に脳梗塞があると推測されます。眼から入った情報は、電気刺激となり視神経を通って最終的には後頭葉(脳の後ろの方)まで運ばれ認識されます。この伝道路を視路(しろ)と言います。右眼も左眼もとらえた情報は半分が反対側の後頭葉へ、残りの半分が同側の後頭葉へ運ばれます。患者さんの場合には左側の梗塞を起こした部分の脳を通過する情報として、左眼の鼻側の視野の情報と右眼の耳側の視野の情報がうまく伝わらずに、どちらの眼も右側半分が見えないということになります。この状態を右側同名半盲と呼びます。脳梗塞や脳腫瘍など、視路を障害するところがあるとそれに応じて見えない部分がさまざまに現れます。どちらの眼も鼻側が見えない両鼻側半盲や両眼とも耳側が見えない両耳側半盲という状態や、同側の四分の一の視野が欠損する同名四半盲という状態もあります。脳神経は再生しないため半盲が治るのは難しいと思いますが、緑内障による視野障害と合わせて、どの辺りが見えにくいかをよく理解することが必要です。残された視野を上手に使うことがとても大切です。

116.外転神経麻痺  201701

  ある日、突然、まっすぐ見ると物がダブって見えるようになってしまいました。左側を見ると大丈夫ですが、正面では片目を塞がないと怖くて歩けません。右側を見ようとするともっとひどくなるような気がします。片目ずつにするとちゃんと見えて問題ないようです。頭の病気でしょうか?どうしたら良いでしょうか? (54歳 男性)

 右眼の外転神経麻痺などが原因の急性斜視になっている可能性があります。最も疑わしい外転神経麻痺について説明します。外転神経というのは、僑という脳の一部にこの神経の元である外転神経核があり、そこから眼球に向かっていき、外直筋まで到達する神経で、左右に1本ずつあります。この神経は、眼球を外側に向かせる筋肉である外直筋を動かしています。従ってこの神経がうまく働かないと、眼が外側に動かなくなります。麻痺の程度にもよりますが、通常は、右側の外転神経の麻痺であれば正面から右側を見ると物が二つに見えます。左側を見ると、いつも通りの見え方になります。左側の外転神経麻痺であれば正面から左側を向くと物が二つに見えてしまいます。右側を向くと、問題ありません。お話にあるような症状となります。両側の外転神経が麻痺することもあります。
 お話になっているような症状があるのであれば、まずは原因検索が重要です。臨床的に頻度の高いのは糖尿病によるものですが、脳腫瘍や脳動脈瘤、外傷によるものなどがあります。脳外科の手術後に起きることも稀ではありません。時間の経過とともに軽快することも少なくありませんが、原因検索を行い、緊急対処的には片眼の視野の外側を隠すメガネが役立ちます。できる限り早く眼科を受診し、眼に問題があるのか、中枢神経(脳)に問題があるのか、ほかの全身疾患によるものかを精査してください。