医療法人とつか眼科

名古屋市南区にある眼科クリニック。とつか眼科。

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疾患Q&A

28. プールの後の洗眼と目薬 200908

 小学校の保健だよりで、泳いだ後の目洗い(洗眼)は長くしない方が良いと書いてありました。以前はプール後にはよく目を洗ってとなっていましたし、自分の子供 (小学校3年生)には泳いだ後に洗眼してから、さらに市販の子供目薬を使っていました。小学校では、ゴーグルをしてもよいことになっているのでまだよさそうですが、 スイミングスクールでは高学年にならないと、ゴーグルの着用を認めてもらえないようです。泳いだ後は実際にはどうすればよいのでしょうか(38歳女性)

 プール後の洗眼は、目の周りや目の中に入った汚物を取り除くために推奨されてきました。しかし、以前からわかってはいたことなのですが、大量の水道水で目を洗うとくろめや しろめの表面に傷が付きます。これは、目の表面を覆っている涙の成分が、水道水とは異なるからです。最近、水道水による洗眼で目に傷がつくことを発表されたことが報道で大きく 取り上げられたことから、一般に周知されてきて学校現場でも洗眼に対する考え方が変わってきました。現在では、プール後の洗眼は、数秒程度行えばよいと思います。 ゴーグルをしっかりしていて目に水が入らなかった場合には、洗眼なしでもよいと思います。一方、ゴーグルなしで潜ったり、目を開けて泳いだりした場合には、軽く洗眼することが 勧められます。目薬を使用するとすれば、洗眼の代わりに涙液に組成の近い防腐剤抜きの生理食塩液を大量に点眼することもよいと考えられます。しかし、防腐剤抜きの点眼は高価ですし、 使い捨てのものになりますから、常に清潔な生理食塩液を点眼することは現実には困難です。また、抗菌の目薬や用途の不明な目薬を頻繁に使うことは、かえって弊害となることが 考えられますから、お勧めできません。健康な方の場合には、プール後はさっと洗眼するのみでよいと思います。

27. くろめの周りが白いです(老人環と若年環) 200907

 私の65歳になる父のことです。本人から言われて気付いたのですが、くろめの周りが白くなっています。両眼とも同じような感じです。痛くもかゆくもないといいますし、私が見る 限りでは、充血もしていません。見えにくさも訴えません。本人は去年までこんなことはなかったと言います。何か病気でしょうか。次第にくろめが全部白く濁ってしまうのでしょうか。 放置しておいてよいのでしょうか。(35歳女性)

 これは老人環といわれるもので、心配ありません。角膜(くろめ)の周りに脂質成分が沈着して白色ないし黄白色の環状混濁をきたすものです。角膜の上方または下方から始まり進行 すると全周に及びます。70歳以降では、90%に認められるとされます。年齢とともに角膜の周りに目立つようになりますが、決して中央までは至りません。したがって、視力が落ちる ことはありません。見た目上の問題以外にはこれによる症状は全くありません。したがって、治療の必要も全くありません。ただし、50歳未満に老人環が見られた場合には、全身的な 脂質代謝異常との関連があり、狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患の危険性が高いとされています。また、新生児にも青色強膜や巨大角膜、無虹彩症などの先天異常に合併して 見られることがあります。40歳以上に見られたものものを老人環、それ以前のものを若年環や胎生環と呼んでいるようです。老人環と似ているものに角膜潰瘍の瘢痕である場合があり ます。念のために受診して確定診断をしてもらうことは言うまでもありませんね。

26. チカチカと光ります(光視症) 200906

 数日前から、時々チカチカと光が飛んでいるように見えます。誰かに懐中電灯を照らされたわけではありませんし、明りの方を見た時ではありません。 右目の上の方に見える気がするのですが、見ようとすると消えてしまってよくわかりません。痛くもかゆくもありませんし、見えにくさも感じません。1日の中でも、感じる時と感じない 時があります。目の病気でしょうか、それとも脳梗塞の前触れでしょうか。(28歳女性)

 光に照らされていないのに、キラキラもしくはチカチカやピカピカと光が飛んでいるように感じる現象を光視症と言います。網膜の急激なひずみによって電気信号が伝わり、 光視症として感じるものが、網膜剥離の前兆とされます。特に飛蚊症が直後に起こった場合には、要注意です。しかし、多くの場合は生理的な硝子体の動きによる網膜の牽引によるもので 心配ありません。ぼんやりと見ているとキラキラが激しく動いているようにみえるものは自分の網膜血管の白血球像である場合があります。頸動脈閉塞性疾患による網膜の虚血による 場合や、急性視神経炎でも出ることがあるようです。音に誘発される光視症では視神経障害の可能性が考えられます。脳腫瘍などの圧迫性病変では、視野欠損に先行して光視症が生じる とされます。数分から数十分続くギザギザ様の光は、片頭痛の一症状として有名です。てんかんや一過性脳虚血発作でも起こるとされます。抗マラリア薬などの薬の中毒でも光視症が 起こるそうです。このようにいろいろな場合があり、病気でないことが多いかも知れません。ですが、時に重症の病気であることがありますから、早めに眼科を受診して精密検査を 受けることをお勧めします。この場合には点眼薬により瞳を拡げて眼底を詳細に検査しますので、検査後は見えにくくなりますから、自動車を運転して受診しない方が良いと思います。

25. 眼圧が高いって? 200905

 会社の健康診断にて、眼圧が高いと指摘されました。眼科で精密検査をしましたら、右目が24、左目が25と言われました。健康診断では、右目が25で、左が22だったので、 右の方が悪いと思っていたのに反対の結果でした。今のところ、緑内障ではなく、定期検査を受けるように言われました。眼科での検査でも、空気がプシュッとでる機械で測った場合と 先生が測った場合とが違っていました。眼圧って何でしょうか?こんなに数値が違うものでしょうか?どんなことに注意すればよいでしょうか?(28歳女性)

 眼球は、名前の通り球状をしていてある程度の弾力性があります。この眼の硬さが、眼圧です。通常は水銀柱 (mmHg)で表示され、正常値は10mmHg〜21mmHg(日本人の上限値は20mmHg) とされます。空気を噴射する非接触型の眼圧測定器は、簡便であり眼に接触しないため衛生的である反面、測定誤差が大きいとされます。通常は、3回測ってその平均値を眼圧値とします。 眼科医が機械を使って測定した眼圧は、点眼麻酔が必要で眼に接触しなければなりませんが、比較的信頼性が高い数値とされます。眼圧は、緑内障などの病気がない方でも日内変動が 3〜6mmHgありますから、測る時間によっては数値が変ります。また、1~2mmHg程度は測定誤差もありますから、 その時々の値が違っても心配ありません。調査結果によれば、横になっている姿勢の方が座っている姿勢より高いことや夏より冬の方が高くなり易いこと、近視の方は高くなり易いこと、 角膜が厚い方は高く出易いことなどがわかっています。運動やアルコール摂取は一過性に下がり、カフェインや大量の飲水は上げる可能性があります。血圧が上がると眼圧も上がると されますが、10mmHgに対して1mmHg以下程度しか上がらないとの報告があります。私の外来で高眼圧の方にお話していることは、 毎日わざわざ大量の飲水をするとかずっと倒立し続けるなど、通常は考えにくい生活を行わなければ極端に眼圧に影響することは少ないと考えて、あまり生活上制限することは無いと しています。

24. 遠視って何ですか? 200902

 最近目が疲れて見えにくくなりました。1年ほど前から近くが見えにくくなってきて、老眼の始まりだと思い、メガネ屋に行ってメガネを作りました。近くはメガネをかければ見える のですが、裸眼では遠くも近くもよく見えなくなってきました。眼科で見てもらったところ、遠視と言われ、常時メガネをかけている必要があるといわれました。遠視って何ですか? よく見える目とは違うのでしょうか?時々メガネをかけるのではダメでしょうか?(43歳女性)

 近視いわゆる近眼の方がわかりやすいので先に説明します。近視では遠くのものがよく見えません。遠方の物体は網膜(カメラのフィルムに相当する部分)より手前で焦点を結んでしまう ためです。ですから、近くの物体では焦点が合い、よく見えます。これに対して、遠視は、焦点を結ぶ位置が網膜より後ろにあるため、遠くの物も近くの物もよく見えません。ただし、 読書をする時のように調節という機能を無意識で行いますから、軽い遠視の場合には、遠くの物はよく見えます。しかし、遠方を見る時からすでに調節を使ってしまうので、近くの物を 見るときには調節能の限界が来てしまい、近くがよく見えないということになります。つまり軽度の遠視では、どちらかというと遠くがよく見え、近くが先に見えなくなるので、 老眼が早く来たように感じます。強度の遠視では、近くも遠くもよく見えないため、子供のうちからメガネを常用するようになります。ご相談者の場合には、比較的軽度の遠視と 考えられます。調節力の旺盛な成人以前は自慢するほど遠くがよく見えていたかもしれませんね。医師に勧められたように遠視の眼鏡を常用するのがよいです。そうすればしばらく 老眼鏡(近用鏡)を必要としないと思います。この遠用鏡は常用せずに時々掛けるのはお勧めしません。常用しにくくなりますし、かけていないときには、絶えず調節力を使うことを 余儀なくされるため目が疲労しやすくなり、頭痛や肩こりの原因にもなります。

23. 視力の発達 200901

 生後3か月の赤ちゃんがいます。いたって健康で身長や体重は順調に成長しています。首が据わってきて縦抱きができるようになったのですが、私のほうをあまり見てくれません。 友人の子は4カ月なのですが、あやすと他人の私のほうをじっと見つめてくれるし目でものを追うので、目がよく見えているように感じるのですが、 私の子は目が見えているのか心配です。まだ見えていないのでしょうか?赤ちゃんはいつ頃から見えるようになるのでしょうか?(28歳女性)

 視力は、持って生まれる力ではなく、生後に獲得していくものとされています。当然大人と同じような正確な視力は、3~4歳ごろにならないと測ることができません。乳幼児の視力は、 眼振という目の揺れを測定することや、縞の指標を見せて注目するかどうかを見たりすることで測定します。これらのデータをまとめた教科書によれば、おおよそ生後1か月で0.03、 3か月になると0.1、6か月で0.2、1歳ごろに0.3~0.4となるとのことです。3歳では8割方の子が1.0以上の視力が出るようになります。ですから質問者のお子さんの場合には 0.1ぐらいは見えているのではないかと思います。0.1というのはCの字がたくさん並んでいる視力検査表でいえば、一番上の大きな指標の切れ目がわかる程度のものです。 その程度の視力ですから、お母さんの顔をじっと見つめていないからといって見えていないとはいえません。あまり心配しなくてもよいかと思います。 もちろんくろめが極端に大きかったり、瞳が白く光って見えたり、瞳のかたちがおかしいなど外見上明らかに異常に見える場合には、眼科受診をしてください。 成長は人によって早い遅いがあります。視力の発達もそうです。3か月では目でものを追いかける追視という機能が見てとれるようになる時期ですから、それがあれば少なくとも 片目は見えていると考えてよいでしょう。大事なのは、3歳児検診です。3才での視力検査は大変重要です。この時期に見えていないで放置されると弱視になる可能性が生じます。 これについては、別の機会に書きたいと思います。

22. 眼に良い食べ物 200812

 仕事で1日中パソコンを見ています。最近、遠くも近くも見えにくくなってきたので、友人に相談したところ、ブルーベリーのドリンクを勧められました。 彼女はそれを飲みだしてからすごく見やすくなったと言います。ブルーベリーは目に良いのは知っていたのですが、少し値段が高くてどうしようか迷っています。 私のような症状の場合、効果がありますか。他に何か、目に良い食べ物がありますか。教えてください。(40歳女性)

 大変よい質問ですが、難しい質問です。お話からすると、比較的軽い遠視だったのではないかと思います。目の調節力は、成人以降次第に低下しますので、「遠くも近くも見えにくい」 という具合になってしまったかと想像します。まずは、眼科に行って正しく診断してもらうことが必要と思います。目に良い食べ物としてのブルーベリーですが、抗酸化物質の ポリフェノールの中のアントシアニンという物質が多く含まれています。これが目に良い理由ですが、医学的にエビデンスが確立しているとは言えない、即ち日常で人の目に効果が あるかわからないと思います。最近では、同じアントシアニンが含まれているものでもカシスのほうが良いという説もあります。有名な眼科医の受け売りですが、目に良い食べ物を考える より、体に良い食べ物を考えるほうがよさそうです。抗加齢医学として考えると、抗酸化物質は良さそうです。最近ではポリフェノールの中のレスベラトロールという物質が良いそうで、 ピーナッツの皮や赤ワインに多く含まれているとのことです。失明原因としての上位を占める加齢黄斑変性の予防にはルテインやアスタキサンチンが有効とされています。また、ビタミン A、C、Eも重要とされています。しかし体に良い食べものがどれかを医学的エビデンスとして確立するには、検討項目が多すぎて単純にこれが良いと結論しにくいと思います。 健康食品としての何らかの商品を探すより、毎日野菜とフルーツを摂取することがよいことは明白と思いますし、私自身はそのように患者さんに説明しています。

21. くろめにできもの 200811

 翼状片は、よくある良性疾患です。多く見られるのは鼻側の眼球結膜(しろめ)から、角膜(くろめ)の中央に向かってのびる三角形様の血管が入ったできものです。 瞼裂班というしろめのできものが大きくなっていって角膜に侵入してくるものもありますが、多くの場合は原因不明です。紫外線との関連や粉塵などの機械的刺激が誘因として考えら れており、戸外で陽を浴びることの多い仕事をする方に多く見られます。角膜異物などのケガや病気のあとにできるものは偽翼状片として区別されます。良性の変性疾患ですから 誤診がない限り悪性化することはないと思います。逆をいえば鑑別疾患として悪性腫瘍のこともまれにはありますし、経過観察は必要です。放置しておいて治ることはまずありません。 通常は、数年から数十年を経て角膜中央に進展します。瞳孔領(瞳の真ん中)近くに及ぶと視力が低下します。視力が低下してから手術するのは少し遅いと考えます。切除したところにも 白い瘢痕が残ることがあり、視力障害が永久に残ってしまう場合があるからです。手術自体は難しくありませんが、再発することが時にあります。報告者によってまちまちですが 10~40%程度です。ある程度経過観察した後に、どうしても気になるようであれば、切除してもよいと思います。まずは、しばらくの間信頼できる先生に経過観察していただくのがよい でしょう。抗炎症剤などの点眼で、充血が引いているとあまり目立たないこともあります。

20. まぶたのピクピク 200810

 1か月ほど前から、右側の上まぶたがピクピクけいれんします。疲れた時になるように感じます。左はなりません。長く続く時もありますが、気づくと止まっていたりします。 原因は何でしょうか。顔面神経麻痺なのですか。痛みはないのですが、最近パソコンをしすぎたせいか、視力が下がったように思います。眼科に行った方がよいでしょうか。 簡単に止める方法はありますか。(27歳女性)

 眼瞼けいれんのようです。まぶたの筋肉が、意志とは関係なくピクピクけいれんしてしまうものです。多くの場合は、原因は不明です。顔面神経麻痺とは全く違う病気です。 小児の場合には、チックやヒステリーなどの心因反応が原因の場合があります。他には、角膜や結膜の異物や傷など何らかの刺激感が原因となる場合もあります。薬剤の副作用の 場合もあります。片側性の顔面のけいれんに伴うものもあり、これは表情を作る顔の筋肉を動かす神経が、脳内の血管に圧迫されて起こるとされますが、時に脳腫瘍や血管のコブなどが 原因となっている場合があります。いずれにしても、眼科と神経内科を受診して原因を調べることがよいと思います。原因が見つかればそれに対する治療を行い、原因不明の場合には 経過観察することが十年前までは多かったように思います。近年はある薬剤を注射することによって、劇的に改善することが知られています。ボツリヌス毒素と呼ばれるものです。 名前から想像すると特殊な治療のように思いますが、心配ありません。重篤な合併症も報告されておりますが、頻度的には稀であり、米国では、特発性眼瞼けいれんの場合には、 他の治療に先行してまず行われる治療となっているそうです。3~4か月に1回打ち続けなければならない方もいますが、初期にこの治療をすると完全に症状が出なくなってしまうことが 報告されており、私自身も経験があります。まずは、正しく診断をしてもらい、適切な治療をお受けになることをお勧めします。

19. 親の白内障手術いつにする 200809

 母親から、通院中の眼科で白内障の手術を勧められたと、相談されました。同居していませんし、その眼科の先生から詳しく聞いていませんのでどの程度なのかよくわかりませんが、 受けさせるべきでしょうか。視力がどれくらいになったらしてもらうべきでしょうか。高血圧や何かで内科にも通院していて、薬を飲むのが大変だといっていますが、 見た目は健康そうな69歳です。私が聞くとそれほど見えにくいとは言っていないのですが。(44歳娘)

 白内障は、お年をとればどなたでもかかる病気で、目の中の水晶体という光を集める組織が混濁します。先天性や薬剤性などもあり、赤ちゃんにもおきる病気ですが、 一般的には高齢者に多いです。手術時期は高齢者の場合には、他の眼の病気のために白内障の手術をしなければならない場合を除くと、本人がどのくらい日常生活で困るかで 決めるとよいと思います。例えば、現在の日常生活であまり不自由を感じていなければ手術を受けるのは1カ月延ばしにして、あわてる必要はないと思います。 運転手さんなどで雨の日の矢印信号が見えないなど、職業上支障をきたす場合には、逆に視力が(1.0)以上あっても、手術を早くした方がよいと思います。白内障の手術は 10年以上前と比べて合併症の少ない、短時間で終わる手術となっていますので、寝たきりの方や全身的には重症の病気をお持ちの方でさえも、行われるようになっています。 ですが、眼の中をいじる手術であることに違いはなく、手術さえしなければ少しは見えていたのにと思うような、予期せぬ重篤な合併症が手術中もしくは手術後に起こることも 頻度は稀ですがあります。まず、お母さまがどれくらい不自由に感じているかを具体的に聞いてみてください。正しいメガネをかけても新聞の字が読めないとか、 好きな趣味がやりにくいかどうかなどです。担当の先生にも、他の病気が関係するから早くやるべきなのかなども、詳しく聞いてみてお決めになるのが良いと思います。