医療法人とつか眼科

名古屋市南区にある眼科クリニック。とつか眼科。

TEL.052-613-4001   〒457-0808 名古屋市南区松下町1丁目1番地

疾患Q&A

21. くろめにできもの 200811

 翼状片は、よくある良性疾患です。多く見られるのは鼻側の眼球結膜(しろめ)から、角膜(くろめ)の中央に向かってのびる三角形様の血管が入ったできものです。 瞼裂班というしろめのできものが大きくなっていって角膜に侵入してくるものもありますが、多くの場合は原因不明です。紫外線との関連や粉塵などの機械的刺激が誘因として考えら れており、戸外で陽を浴びることの多い仕事をする方に多く見られます。角膜異物などのケガや病気のあとにできるものは偽翼状片として区別されます。良性の変性疾患ですから 誤診がない限り悪性化することはないと思います。逆をいえば鑑別疾患として悪性腫瘍のこともまれにはありますし、経過観察は必要です。放置しておいて治ることはまずありません。 通常は、数年から数十年を経て角膜中央に進展します。瞳孔領(瞳の真ん中)近くに及ぶと視力が低下します。視力が低下してから手術するのは少し遅いと考えます。切除したところにも 白い瘢痕が残ることがあり、視力障害が永久に残ってしまう場合があるからです。手術自体は難しくありませんが、再発することが時にあります。報告者によってまちまちですが 10~40%程度です。ある程度経過観察した後に、どうしても気になるようであれば、切除してもよいと思います。まずは、しばらくの間信頼できる先生に経過観察していただくのがよい でしょう。抗炎症剤などの点眼で、充血が引いているとあまり目立たないこともあります。

20. まぶたのピクピク 200810

 1か月ほど前から、右側の上まぶたがピクピクけいれんします。疲れた時になるように感じます。左はなりません。長く続く時もありますが、気づくと止まっていたりします。 原因は何でしょうか。顔面神経麻痺なのですか。痛みはないのですが、最近パソコンをしすぎたせいか、視力が下がったように思います。眼科に行った方がよいでしょうか。 簡単に止める方法はありますか。(27歳女性)

 眼瞼けいれんのようです。まぶたの筋肉が、意志とは関係なくピクピクけいれんしてしまうものです。多くの場合は、原因は不明です。顔面神経麻痺とは全く違う病気です。 小児の場合には、チックやヒステリーなどの心因反応が原因の場合があります。他には、角膜や結膜の異物や傷など何らかの刺激感が原因となる場合もあります。薬剤の副作用の 場合もあります。片側性の顔面のけいれんに伴うものもあり、これは表情を作る顔の筋肉を動かす神経が、脳内の血管に圧迫されて起こるとされますが、時に脳腫瘍や血管のコブなどが 原因となっている場合があります。いずれにしても、眼科と神経内科を受診して原因を調べることがよいと思います。原因が見つかればそれに対する治療を行い、原因不明の場合には 経過観察することが十年前までは多かったように思います。近年はある薬剤を注射することによって、劇的に改善することが知られています。ボツリヌス毒素と呼ばれるものです。 名前から想像すると特殊な治療のように思いますが、心配ありません。重篤な合併症も報告されておりますが、頻度的には稀であり、米国では、特発性眼瞼けいれんの場合には、 他の治療に先行してまず行われる治療となっているそうです。3~4か月に1回打ち続けなければならない方もいますが、初期にこの治療をすると完全に症状が出なくなってしまうことが 報告されており、私自身も経験があります。まずは、正しく診断をしてもらい、適切な治療をお受けになることをお勧めします。

19. 親の白内障手術いつにする 200809

 母親から、通院中の眼科で白内障の手術を勧められたと、相談されました。同居していませんし、その眼科の先生から詳しく聞いていませんのでどの程度なのかよくわかりませんが、 受けさせるべきでしょうか。視力がどれくらいになったらしてもらうべきでしょうか。高血圧や何かで内科にも通院していて、薬を飲むのが大変だといっていますが、 見た目は健康そうな69歳です。私が聞くとそれほど見えにくいとは言っていないのですが。(44歳娘)

 白内障は、お年をとればどなたでもかかる病気で、目の中の水晶体という光を集める組織が混濁します。先天性や薬剤性などもあり、赤ちゃんにもおきる病気ですが、 一般的には高齢者に多いです。手術時期は高齢者の場合には、他の眼の病気のために白内障の手術をしなければならない場合を除くと、本人がどのくらい日常生活で困るかで 決めるとよいと思います。例えば、現在の日常生活であまり不自由を感じていなければ手術を受けるのは1カ月延ばしにして、あわてる必要はないと思います。 運転手さんなどで雨の日の矢印信号が見えないなど、職業上支障をきたす場合には、逆に視力が(1.0)以上あっても、手術を早くした方がよいと思います。白内障の手術は 10年以上前と比べて合併症の少ない、短時間で終わる手術となっていますので、寝たきりの方や全身的には重症の病気をお持ちの方でさえも、行われるようになっています。 ですが、眼の中をいじる手術であることに違いはなく、手術さえしなければ少しは見えていたのにと思うような、予期せぬ重篤な合併症が手術中もしくは手術後に起こることも 頻度は稀ですがあります。まず、お母さまがどれくらい不自由に感じているかを具体的に聞いてみてください。正しいメガネをかけても新聞の字が読めないとか、 好きな趣味がやりにくいかどうかなどです。担当の先生にも、他の病気が関係するから早くやるべきなのかなども、詳しく聞いてみてお決めになるのが良いと思います。

18. 眼に悪い目薬・その1「充血をとる目薬」

 眼が赤くなったので、眼科に行ったら、結膜下出血と言われました。また、いつもさしている市販の目薬が良くないとも指摘されました。赤みがとれますし、さすと気持ちがいいので、 目薬は若いころからずっとほぼ毎日使用しています。ただ、最近、今回のように出血することが多くなりました。目薬なのに眼に良くないとはどういうことでしょうか?目医者さんの 目薬では充血がとれませんし、気持ち良くないので、出血が引いたらまた市販の目薬を使い続けようと思いますが、いかがでしょうか。(52歳男)

 良い質問です。結膜下出血については、しろめが真っ赤になってしまうものですが、前述の結膜下出血を参考にしてください。市販の目薬の中には、 充血を取る作用のあるものが多くあります。テトラヒドロゾリンやナファゾリンなどが入っている目薬です。これらの物質の薬理作用は血管を収縮させるものです。ですから、 点眼後には充血がとれるというより、白い目になります。毎日のようにさし続けますと、目薬の効果がきれてきた時には何の目薬もさしていなかった頃よりももっと充血が目立つように なります。血管が弛緩してしまうためです。連用し続けることによって、結膜の血管は収縮と弛緩を繰り返しますので、破れやすくなることは想像しやすいと思います。 このような理由で今回のように結膜下出血をきたした可能性があります。診察した先生はそのことを指摘されたのだと思います。充血を取る目薬をやめると一時期は、 かなり充血が目立ちますがしばらくすると元に戻りますので、眼科医と相談して、中止後にその充血が病的かどうか調べてもらって対処するのが良いと思います。ただ、 長い年月点眼していた場合には短期間で治るのは難しいこともあります。薬局で簡単に購入できる目薬でも、点眼し続けることによって副作用ともいうべき状態が出ることがありますから、 長期の連用はやめたほうが良いと思います。今回ご紹介した血管収縮剤は、カップを用いて目を洗う洗眼剤にも入っている場合がありますので、これも常用するのはおやめ下さい。

17. 目つきがおかしい(斜視って何) 200807

 子供の目つきが変です。今1歳3ヶ月で、健診では異常を言われていないのですが、祖母から目つきが変だといわれました。気にしてみると、どうも左目が中に入ってしまうように思います。斜視というものでしょうか。物をつかんだり追いかけたりしますから、よく見えているように思うのですが、見えていないのでしょうか。自然に治りますか。(27歳母)

 片方の目は視線が正しく目標とする方向に向いているのに、もう片方の目が内側や外側、あるいは上や下に向いている状態のことを斜視と言います。俗に「やぶにらみ」や 「ロンパリ(一方の目でロンドンを見ているのにもう片一方の目でパリを見ているという意味と思われます)」などと言われます。 内側によっていれば内斜視、外側に離れていれば外斜視、上を向いていれば上斜視、などと呼びます。斜視には眼鏡で治るもの、弱視(Q&A16)に伴うもの、麻痺性のもの、 原因不明のものなどいろいろな種類があります。新生児からお年寄りまであらゆる年齢に起こることがあります。眼鏡で治るものの代表が、調節性内斜視という状態です。その多くは、強い遠視のために内斜視となってしまうもので、放置すれば 斜視が治らないだけでなく弱視になってしまいます。早期に発見して、遠視を矯正するメガネをかけてさせておけば、内斜視も弱視も治ります。まずは、医療機関を受診して、 本当の斜視なのかどうか診断してもらうとよいでしょう。斜視のように見えて斜視でないものを偽斜視と言いますが、乳幼児では鼻が低いため内斜視のように見える偽内斜視も多いです。 このお子さんもその可能性が高いように思います。偽斜視であれば異常ではありませんから何の問題もありませんが、乳児でははっきりしない場合もあります。 正しく診断できない場合には視力がしっかり測れる3歳ぐらいまで経過観察が必要となることもあります。

16. 弱視(じゃくし)とは 200806

 5歳の子供のことで教えてください。来年小学校に上がるので就学前健診を受けたところ、視力が悪いからとのことで、眼科受診を勧められました。精査したところ、 弱視といわれました。めがねをかけても0.5しか見えないとのことです。弱視というのはどういう意味でしょうか。また、よく見えるようになりますでしょうか。 遠視とも言われ、眼鏡をかけ続けて治療するといわれました。放置しておいてはいけないのでしょうか。(27歳母)

 弱視とは、医学的には斜視や遠視、乱視、左右眼の屈折状態が著しく異なる場合、疾病によるもの、などが原因で視力が正しく発育しなかった場合をいいます。 視力は生まれながら持っている機能ではなく、獲得していく機能です。通常は3歳で、8割方の子供は大人と同じように矯正すれば1.0以上見えます。 弱視という言葉には医学的弱視とは別に、発育障害のみでなくその後の疾病等も含めて何らかの理由で両眼とも視力不良の場合、生活上問題となる0.04以上 0.3未満のものを社会的弱視もしくは教育的弱視と呼ぶ場合がありますから、少し紛らわしいですね。ご相談者の場合には、遠視のために視力がうまく発育 していないようです。放置してはいけません。軽度の遠視の場合には放置しておいても視力が発育することもありますが、現状では視力の発育が不良です。 このような弱視では、両眼視(遠近感や立体感など)もうまく発育していません。教科書的には小学校低学年で、視力の発達はほぼ終了してしまいます。大人に なってから治そうとしても治せません。医学的弱視を治すのは視力の発育が終了するまでの期間だけです。幸い遠視のみのようですから、眼鏡をかけさせる、 もしくはその上に健眼の遮蔽を加えれば、徐々に視力が出てくると思います。将来的にはメガネをはずせる場合もありますし、コンタクトレンズという手もあります。 治せるのは今の時期だけですからしっかりと治療してください。頑張ってください。

15. 眼の打撲 (どの程度のぶつけ方なら眼科受診すべきでしょうか) 200805

 子供の眼の打撲のことで教えてください。7歳と4歳の子供がいるのですが、兄は少年野球をしていてよく目をぶつけます。先日グローブが当たったそうですが冷やしただけで 放置していたら次の日見えにくいと言い出したので、眼科受診させました。眼の中に出血しているといわれ、かなりの重症でした。すぐ受診させるべきだったと反省していますが、 子供ですからよく目をぶつけることがあります。どの程度のぶつけ方なら受診させる必要があるのか教えてください。(36歳母)

 大変よい質問です。基本的に強く眼をぶつけた場合には早めに眼科を受診したほうがよいと思います。私のいる名古屋市では教育委員会と学校医(眼科)会の決め事でそのよう に勧めています。鋭利なものではなく鈍的に眼をぶつけた場合には、外見上なんともなさそうに見えても瞳の周りが傷ついて眼の中に大量に出血したり、水晶体という組織 (カメラで例えるとレンズの部分)がずれてしまったり、眼底(眼の底の部分、カメラに例えるとフィルムに相当する部分)に穴が開いたり出血したりします。眼の中に出血すると 多くは見えにくくなりますし、安静が必要になります。また、眼球内には重度の障害がなくても打撲によって、眼の周りの薄い骨が折れることがあります。この場合は眼を動かすと 痛かったり、二重に見えたり、ぶつけたのは眼だけのはずなのに鼻血が出ることがよくあります。この怪我の場合は鼻をかむと症状が悪化しますので、ご注意ください。ほかには、 まゆ毛の外側を強打した場合には、視神経の周りの骨に影響して極端に視力が低下してしまうことがあります。外傷性視神経症といいますが、薬物治療や時に手術などの治療をすぐに 始めないと永久の視力障害が残ることがあります。子供に限らず、眼をぶつけて痛むときや見えにくいときもしくはかなりまぶたが腫れたときなどは、早めに眼科受診をお勧めしますが、 中でも見え方がおかしい場合(ぶつける前より見えにくいときや両目で見ると二重に見えるときなど)は可及的速やかに医療機関を受診してください。

13. 花粉症の眼病予防 200802

 私は、4~5年前から花粉症なのですが、4月のこの時期、目がかゆくて涙も出てきて困ります。鼻水や鼻詰まりは少ないほうだと思います。いつもは市販の目薬を使用して、 ひどい場合に眼科を受診します。カップをつけての洗眼もやってはいるのですが、コンタクトレンズを使っているので毎日はできません。内科の先生から花粉症予防のお薬を もらうこともありますが、目のかゆみが強いです。何か良い予防法はありませんか?(29歳主婦)

 地域により若干の違いがありますが、この原稿がサイトに載る3月は、スギ花粉症が猛威をふるっているかもしれませんね。ご質問の予防法ですが、これだけでよいという ものはありません。まずは、やや遅いかもしれませんが花粉がたくさん飛びだす2週間ぐらい前から抗アレルギー剤の内服や点眼を始めておきます。 ただ、実際にスギ花粉は11月には飛び出す準備が完了しているということですから、例年の症状の強弱と花粉の量を参考にして、主治医の指示に 従ってください。ご自身の対策としては、花粉症情報を入手して大量に飛散する日には外出を控えてください。やむを得ず外出するときには、マスクとアイガード(保護メガネのこと、 眼鏡の上からかけられるタイプもあります)を装着し、特に目の場合には、花粉を浴びる前から抗アレルギーの点眼をしておくと症状が軽くて済みます。市販の点眼薬の中には、 充血を取る作用のものがあり、長期間連用すると逆に充血しやすくなってしまうので、このタイプのものはお勧めできません。また、ステロイド剤を点眼している場合には、 眼圧のチェックが必要です(この眼科Q&A1「花粉症と眼薬」参照)。洗眼については、やはり市販のカップを目にあてて行うものは涙の成分 以外の不必要な薬液が入っていることや目の周りの皮膚の細菌などをかえって眼の中に入れてしまう可能性が考えられますのでこれもお勧めしません。洋服を玄関前で払ってから 帰宅してよく顔を洗って、人工涙液(涙の成分以外には不要なものが入っていない点眼薬)をたくさんつけて眼の中に入ってしまったと考えられる花粉を洗い流すことをお勧めします。 それでも症状が悪化していく場合には、眼科を受診しなおして強い治療に切り替えてもらってください。

14. 近視手術(レーシックって何ですか) 200801

 最近、芸能人やスポーツ選手などで近視のレーザー手術を受けた方のお話を耳にします。レーシックというものらしいです。私自身も、かなりの近視なのですが、手術を受けたほうが よいでしょうか。普段は、使い捨てソフトコンタクトレンズを使っていてよく見えるのですが、時々購入しなくてはなりませんし、はめはずしが面倒です。眼鏡はなるべく 掛けたくありません。また、子供(13歳)も近視で今回コンタクトレンズを作ったのですが、子供でも手術が可能でしょうか。(42歳女性)

 屈折矯正手術とは、近視や遠視、乱視などの屈折異常を治す手術の総称です。レーシックというのは、屈折矯正手術のうちレーザーで行う手術の中心で、1999年に、プロゴルファーの タイガーウッズ氏が受けて以来、日本でもかなり有名になってきました。レーシックの詳細については、また別の機会にお話しできるかと思いますのでここでは省略しますが、 短時間で終わり、両眼同時期に手術が可能です。入院の必要もありません。ただこの手術の適応となるのは20歳以上で視力が安定していること、 その他いくつかの基準が設けられています。したがって、お子さんには適応になりません。また、国民健康保険は使えませんので、手術前の診察から手術、手術後の経過観察まで すべてが自費の診療になります。日本でこの手術が認可されたのはまだ2006年10月の話ですが、すでに日本でも年間20万件ぐらいは行われているようです。アメリカでは年間250万件 ぐらいとの話を耳にします。非常に短時間で済みますし、実績もありますから、コンタクトレンズ(以下CLと略す)装用で問題がある場合には一度考えても よいかと思います。ただ、やはり手術ですから頻度は少ないですが合併症はあります。長期経過後の合併症もありますので、くれぐれも慎重に考えてください。施設の選択も重要です。 手術の合併症については、日進月歩の激しい分野なこともあり正確な頻度が不明です。説明会を利用して、手術を担当してくれるドクター個人の経験年数と、レーシック手術のみでなく 他の屈折矯正手術の経験や屈折矯正手術以外の眼科手術の経験も参考にしてください。最もお勧めの方法は、日頃から診察を受けている眼科専門医から紹介してもらうやり方です。 著名な眼科医自身も手術を受けている方がいらっしゃいますので、かなり安全な手術となっていることは事実ですし、私のクリニックでもCLで頻繁に 問題を起こす方には薦めています。しかし手術治療であることに変わりはありませんから、CLでの生活に何ら不都合を感じてみえない方にはお勧めしていない のが現状です。

12. 糖尿病眼合併症(糖尿病で目が心配です) 200711

 骨折で入院した際に、糖尿病と言われてしまいました。今は、内科に通院しており、目のことは言われていませんが、知り合いの人に糖尿病で失明した方がいて眼科に行くように 勧められました。現在は目の症状は全くありませんが、眼科を受診した方がよいのでしょうか?(38歳男性)

 糖尿病患者さんは全国で700~800万人ほどいて、毎年3000人以上が糖尿病のために失明しているといわれます。 糖尿病からくる目の病気は、糖尿病網膜症、白内障、 眼筋麻痺、角膜障害、虹彩・毛様体炎、屈折異常、調節障害、緑内障、虚血性視神経症などがありますが、このうち最も注意が必要なのが糖尿病網膜症です。網膜症は、 眼球の奥底(眼底)すなわちカメラでいえばフィルムに相当するところに、小さい血管のこぶができたり点状出血したりすることから始まります。痛くもかゆくもなく、 視力も全く悪くならないまま、出血は次第に増加していき、増殖性病変に移行します。さらに進行して硝子体出血や網膜剝離になります。このころになると見えにくさを 感じるようになります。増殖性変化を示す前からレーザー光線の治療をすると進行が抑えられますが、この時期を逸するとレーザー治療はできなくなり手術しか手がありません。 ただし、手術しても視力が元のように戻らない場合もよくあります。このように網膜症は始まっても自覚症状がでるのはかなり病気が進行してからになるため、長い間気づかれません。 失明寸前になって初めて気づくと言っても過言ではありません。糖尿病が中途失明者の原因の第1位となってしまうのはこのためです。したがって、糖尿病がある方は、 自覚症状が全くなくても定期的な眼科受診が必要です。まずは、眼科を受診して網膜症やその他の眼合併症がないかどうか、またどのくらいの間隔で通院が必要か、 詳しく診断してもらってください。