医療法人とつか眼科

名古屋市南区にある眼科クリニック。とつか眼科。

TEL.052-613-4001   〒457-0808 名古屋市南区松下町1丁目1番地

疾患Q&A

48. 黄斑円孔って? 201105

 1ヶ月ほど前から右眼の中心部分が見えにくく、黄斑円孔と言われました。早めに手術をと勧められました。どんな病気なのでしょうか。今まで目の病気は、したことがなくて 手術と聞くと心配です。手術以外の治療はないのでしょうか。入院が必要とのことですが、手術は難しいのでしょうか。(55歳女性)

 私たちの眼は、注目したところはよく見えますが、それ以外の周りの部分はぼんやりとしか見えない構造をしています。カメラに例えるとフィルムに相当することころが網膜であり、 その中心部分を黄斑と呼び、視力をつかさどる最も重要な神経細胞の集まりです。特発性黄斑円孔とは、文字通り黄斑部に、月にあるクレーターのような円形の小さい孔が開いてしまう ものです。50歳~70歳代に好発し、発症頻度は1万人に0.3人程度と推測されています。原因は、硝子体の加齢性変化が考えられていますが、男性より女性に多く、その原因は不明です。 早期の場合には視力もよく、自然治癒することもあります。以前はこの病気には治療方法がないと考えられていましたが、20年ほど前から手術治療でよくなることがわかってきました。 しかし、黄斑円孔を発症して時間がたつほどに手術成績が悪くなります。つまり、手術しても1回で治らなかったり、治っても視力がよくならなかったりします。2年以上経過したと考え られる場合には、手術適応にならないと言われています。ですから、ご質問者の場合には早めに手術をお受けになることをお勧めします。手術は、通常長時間は必要とせず、手術中の 痛みはあまりありません。1週間程度の入院が必要で、術後うつ伏せ姿勢をとることがややつらいです。手術後半年ほどで白内障が進行しやすくなるために、白内障手術を同時に行う 場合も多いです。外傷で生じた黄斑円孔は、外傷性黄斑円孔と呼び、自然治癒する症例が多くあり、発症後3~4か月程度はすぐに手術をせずに経過観察することもあります。

47. スポーツするにはコンタクトレンズが良いのか? 201104

 息子は、少年野球をやっているのですが、近眼のためメガネをかけています。小学校6年生です。コーチから危ないとの理由でコンタクトレンズを勧められました。 スポーツするにはやはりコンタクトレンズのほうが危なくないのでしょうか。プロ野球の選手でもメガネをかけている方がいると思いますが、よくないのでしょうか。 教えてください。また、小学生でコンタクトレンズをさせるのは心配です。いかがでしょうか。(35歳の母親)

 非常に多い質問です。お母様の感じている通りで、結論から言えば、野球はメガネのほうが良いです。これは、メガネには、眼を打撲から守る働きがあるからです。硬いボールが 当たったりすることでレンズが割れることはもちろん考えられます。しかし、そのような場合にもしメガネをかけていなければ、眼球そのものがボールの外力を直接受けるために 重篤な怪我になってしまいます。メガネが眼を怪我から守ってくれることにはエビデンスがあります。是非今のままメガネ装着で野球をやらせてください。プロの野球選手も その考えがあってのことだと思います。もちろんメガネがしっかり目に合っていて激しい動きをしてもずれないようなものにするべきです。眼鏡処方箋を眼科でもらってから眼鏡店に 行って、スポーツ用にとお伝えすれば多数の商品を勧めてくれると思います。また怪我から眼を守る以外に、ある程度の遮光も重要で、有害な紫外線から眼を守る働きもあります。 この意味もあり、私のクリニックでは、屈折異常のない児童つまり裸眼でよく見える子供にも眼鏡装用をお勧めしています。スポーツ全般にメガネをお勧めしていますが、 柔道の寝技やレスリングなど、顔が頻繁にこすれるようなスポーツでは眼鏡が凶器になりかねないために、メガネをお勧めできない場合もあります。コンタクトレンズ(以下CLと略します) は、やはり小学生にはお勧めしません。このQ&Aの38「子供のCLいつから」にもありますように、正しくCLの知識が持ち、装着も正しく行え、 緊急時の対処法を理解してから始めることをお勧めしています。ご参考にしてください。

46. 多焦点眼内レンズ 201102

 私の母親が白内障手術を受ける予定です。まだ63歳で活動的なのですが、見えにくいと言って一人で決めてきてしまいました。なんでも、多焦点眼内レンズと いうものを入れるそうです。 医療機関から頂いた説明書によれば、手術後はメガネを使わずに、遠くも近くも見えるようになるのだそうです。ただ、夜は運転しない方が良いと書いてありま すし、不快なものが見える 場合もあるようです。40万円弱と高額で保険がきかないようなのですが、以前からある眼内レンズと比べてどうなのでしょうか。手術に心配はないのでしょう か。また、見えにくいと いうことはないのでしょうか?(35歳男性)

 多焦点眼内レンズは、10年以上前に一時使用されていたのですが、結果があまり良くなかったために、ほとんど使用されなくなっていました。この2~3年前 から新しいタイプの 眼内レンズが出現し、少しずつ症例が増加してきています。多焦点レンズは、手術後にメガネをかけなくても遠方と近方との二か所にピントが合うように設計さ れた眼内レンズです。 これに対して、今までのレンズを単焦点レンズと呼び、これを入れた場合には遠くか近くかのどちらかがよく見えるのが普通です(手術前に決めます)。この多 焦点眼内レンズを用い る場合にも、白内障の手術方法自体には、基本的に変わることはありません。ただ、乱視が強い場合には適応にならない場合や、単焦点レンズを用いる場合には 問題にならないような 手術中のわずかなトラブルでも、多焦点レンズを挿入できなくなってしまう場合があったります。多焦点眼内レンズを入れられた方は、メガネをかけなくても遠 くや近くが見えるように なるわけですが、これには大脳の機能が関係するため、よく見えるようになるまでに時間がかかることがあります。また、夜間には電灯などの灯りがやや誇張さ れて見えます。 しばらくは光の輪がかかって見えたり、ギラギラが気になったりすることがあります。このために、夜間の運転を職業とするタクシーのドライバーさんにはあま りお勧めしません。 多焦点眼内レンズには遠くも近くも見えるための工夫がされているために、単焦点レンズや病気の無い眼で正しくピントがあった距離の像と比較すると、わずか に焦度が落ちると 言われます。これらの理由ため、右眼と左眼を交互に隠して見え方を比較したり、電灯などを見てどんな感じに見えるのかなどを頻繁にチェックするようなやや 神経質な方は、 不満が出やすい可能性がありお勧めできません。料金については、おおよそ35万円弱の施設が多いと思われますが、先進医療が認められている施設で手術をお 受けになると、 生命保険から全額保険金が戻る場合もあります。

45. 目の応急処置その1(異物) 201101

 先日、目にきりこが刺さりました。仕事上時々刺さってしまうのですが、今までは目を強くつぶったり、こすったりして取れていました。今回は全然取れずに、ごろごろしていました。 爪楊枝で取ろうとやってみたのですが、うまく行かず、痛みが強くなってしまいました。眼科に行ってとってもらったのですが、まだ、痛みがあります。日頃からよく入ってしまうので、 自分で取る場合にはどのようにすればよいでしょうか。また、応急処置としてはどうすればよいでしょうか。教えてください。(23歳男性)

 キリコつまり金属などの削りかす、多くの場合は小さな鉄片異物が、入ってしまう時のことですね。自然に排出されない場合には、角膜(くろめ)上に突き刺さっているか、 まぶたの裏側に刺さってしまっていることが多いです。できれば眼科を受診して、正しく診断してから摘出してもらうことに越したことはありませんが、やむを得ない場合には 洗眼をお勧めします。薬局で売っている生理食塩液を、寝ている状態で、角膜上から流してください。ドボドボ流してしまうイメージです。その後は、抗菌剤の目薬をさしておき、 可及的速やかに眼科を受診することです。深夜で眼科の救急医療機関がなく、薬局も開いていない場合には、水道水をゴムホースからかけることで生理食塩水代わりに使用することも 可能です。しかし、水道水を長い時間(数分以上)目に入れ続けますと、角膜に傷がつきますので、やむを得ない場合のみと考えてください。異物の勢いが非常に強い場合には、 角膜を貫いて眼球内に入ってしまう場合もあります。この場合には、目を洗うことでかえって怪我を重症化させる危険があります。爪楊枝など道具を使って取ろうとはしないでください。 鉛筆の先端や楊枝の先端で眼を突くと、角膜を穿孔してしまうことがあります。鉄片異物を角膜の中央部分に刺してしまうと、摘出しても一生視力が改善しない場合があります。 異物が眼に入る可能性のある作業をするときには、必ず防護メガネを着用してください。また、異物が角膜に刺さっている場合には、速やかに摘出してもらうようにしてください。 時間が経ちますと錆が角膜内に浸潤していき、摘出時の侵襲が大きくなります。摘出前後は冷やした方が痛みは少なくて済みます。温めたり、飲酒したりすることにより強い痛みになる ことがあります。

44. 目のマッサージ 201012

 私は眼が疲れたり、少し痛かったりするとよくマッサージをします。眼を閉じておいて眼球の上から眼を揉みほぐしたり、撫でるようにするものです。マッサージをすると気持ちが 良いですし、何となくよく見えるようになった気がします。友人にそのことを話したら、やめた方が良いのではないかと言われました。眼のマッサージは疲労回復に良いと聞いたことが ありますが、あまり良くないのでしょうか。教えてください。(47歳女性)

 私たちのご存知のように人間の眼球は2~3cmほどの直径をしています。小さいながらこのスペースに、見えるための微細な構造を収めています。したがって、わずかな形態状の変化でも 病気を誘発する恐れがあります。まず、眼球を圧迫しますと、眼内圧が上がります。それにより眼圧が一時的に高くなりますから、緑内障を持っている方は悪化させる危険があります。 また、眼底にある血管の循環が悪くなる可能性もあります。痒みのため頻繁に眼をこするアトピー性皮膚炎では白内障や網膜剥離になり易く、その原因はこするためと考えられています。 ですから頻繁なマッサージにより白内障や網膜剥離になり易くなる可能性があると思います。さらに、眼心臓反射といって、眼球の圧迫により心臓の働きが抑制されて徐脈(脈が 遅くなること)になります。つまり、眼球をマッサージすることで病気を誘発する場合がかなりあると思われます。絶対にしないでください。ただし、眼科医からの指示で目の マッサージをする必要がある場合を除きます。これは、治療として眼球マッサージをしなければならない病気、例えば網膜動脈閉塞症や緑内障の手術後で必要な場合などがあるためですが、 比較的まれな状態です。一方で眼の周りにはツボがたくさんあると言われます。眉毛の所や頬骨の上の部分はマッサージしても良いです。骨の上の所です。骨のすぐ上の部分は マッサージしても良いと思いますが、その内側で眼球に圧力がかかるようなマッサージは、医師の指示以外では行わないで下さい。

43. 異物が入ったのに視力検査 ? 201011

 先日、目にゴミが入って眼科に行きました。痛かったので早く取ってほしかったのに、視力検査をさせられました。結構良く見えましたが、痛みのために見えにくくても当たり前だと 思います。なぜ、摘出前に視力検査を行うのでしょうか?結局は、くろめに鉄粉が刺さっていたので、取ってもらったのですが、始めから視力検査などせずに、摘出してもらうことは できないのでしょうか?視力検査したことで、窓口で払うお金も増えたと思います。納得がいきません。教えてください。(35歳男性)

 私たちの眼は小さいながら非常に優れた機能を持っています。最も大切な機能が、見えるということです。もし、視力を測定せずに異物を摘出したとします。そして摘出後に視力の 低下がわかったとします。すると、その見えにくさは、摘出する前からある病気によるものか、異物が刺さったために刺入部が混濁して見えにくくなったのか、異物を摘出したところから 微生物が入り込んで潰瘍などが生じた結果の見えにくさなのか、等々、判断がつかなくなってしまう危険があります。また、目の表面は、角膜や結膜という粘膜であり、非常に デリケートな組織です。病気を治すために使用した目薬により、かえって角膜に傷をつけてしまうことはまれではありません。ですから目薬を使用して角膜を治療する場合には、 まず、視力という眼の機能を正確に把握してから、始まります。事前に視力を測定しておかないと、病気が進行したために視力が下がったのか、目薬が悪い影響を与えて見えにくく なったのか、などの判断がつかなくなってしまう可能性があるからです。角膜は、外界からの光を通すように透明な組織となっています。異物が刺さってしまうとよほど浅い場合を除いて、 その部分の透明性が失われます。濁りは次第に薄くなってはいきますが、完全には元に戻りません。濁り方によっては、不正な乱視が出現し、最終的に視力が下がってしまうことも あります。眼表面に刺さった異物は早期に摘出して、治療してください。また、その後の視力経過も重要ですから、完治するまで通院されることをお勧めします。

42. 涙点プラグって何? 201010

 ドライアイで通院しています。目薬をもらってさしていますが、シパシパして充血しますし、乾燥して時にはゴロゴロします。涙点プラグというものを勧められました。 どの様なものなのでしょうか。ネットで検索すると液体のものもあるようなのですが、どのように違うのでしょうか。ずっといれっぱなしでも良いのでしょうか。(28歳女性)

 私たちの涙は、まぶたの上のほうで作られて、目の表面を潤したのちに瞼の内側にある涙点という小さい穴を通って、鼻の奥に流れていきます。涙点は、瞼の内側の上下に一つずつ 両側にありますから合計4か所あります。涙点プラグは文字通り、この涙点に差し込むためのシリコンで出来た詰めものです。ドライアイの患者さんに対する治療方法の一つで、 涙の排出口である涙点をプラグで閉鎖することにより、涙を多く眼表面に保持しようとの意図で行われます。目薬や日常生活の対策でも改善しにくいドライアイの患者さんでは、 試してみる価値があります。重症のドライアイでない場合には、通常上の涙点か下の涙点のどちらか一方のみに挿入します。片眼のみに挿入することもよくあります。ただしその適応は 症状だけで決めるものではなく、主治医の判断によります。適正な位置に挿入できたとしても、その後も管理が必要なものです。プラグを入れればドライアイが治って、 なんら放置しておけばよいというものではありません。プラグがしろめやくろめにあたって異物感を感じたり、涙があふれやすくなったりすることもあります。汚れてきて感染のもとに なったり、涙点が変形してしまったりすることも稀にはあります。プラグを入れると涙も溜まりますが、老廃物なども溜まりやすくなりますので、涙液タイプの目薬をたっぷりつけて 時々眼にたまったものを洗ってあげるような感じでケアするのがよいでしょう。液体のものというのは、液体コラーゲンプラグと言われ、涙点以降の排水口である涙小管というくだに 液体を注入します。これについては、いずれ詳しくお答えする事にします。どちらにしましても挿入後も定期的な通院が必要となります。

41. 眼痛時は温めるべきか冷やすべきか? 201009

 先日、目が痛かったので温めていました。少しも痛みが引かないばかりか、もっと痛くなったので、眼科を受診したところ麦粒腫といわれました。眼科医から冷やした方がよいと 言われました。私は腰痛持ちで温めるとよくなりますし、目を使いすぎて痛くなったら蒸しタオルをあてておくようなこともしてきました。そのような製品も売られています。 目が痛い時には、冷やした方がよいのでしょうか。それとも温めた方がよいのでしょうか。教えてください。(43歳男性)

 患部を温めたり冷やしたりすることを、温罨法・冷罨法と呼びます。古くからある民間療法ですが、現代の西洋医学的には、必ずしも確かなエビデンスを出しにくいところだと思います。 大雑把にいえば、温めることによる効果は、血管が拡張して血液の循環がよくなることです。ですから、急性期の炎症性疾患は悪化する可能性があると思います。 麦粒腫は細菌による急性化膿性炎症ですから冷罨法の方がよかったということになります。また、打撲による腫れや痛みの急性期には、冷罨法は非常に効果的であると思います。 角膜びらんのような傷の痛みにも有効です。ただし、慢性的な炎症には温罨法によって新陳代謝が促進されて、改善効果があると考えられる状態があること、また、マイボーム腺梗塞と いう瞼の脂が詰まるような状態では、ホットパックによってよくなることが知られています。では、急性期の炎症性疼痛時には常に冷やせばよいかというと、そうでもありません。 閉塞性の血管炎では、冷罨法により急性期の炎症を抑制する方向にもっていけたとしても、血液の流れは悪くなるように思います。虚血性視神経症という有名な眼の病気では、 側頭動脈炎を合併することがあり、こめかみの痛みが特徴とされます。この場合に痛いからという理由で顔面を冷やせば、重篤な視力障害を助長させる可能性があると思います。 しかし、抗炎症作用により、血管が閉塞しにくくなるかもしれませんし、であるとすれば疾病の予防として良い対症法となりえます。つまりよくわからないということです。 ですから状態によって温罨法がよい場合や冷罨法が良い場合のどちらもがあること、またどちらがよいのかわからないことも多いので、眼痛時に必ず行うべき方法は状態に左右されると いうことです。その都度、担当の医師に聞くのが最善かと思います。

40. 目薬のさし方 201008

 母親が緑内障で眼科に通院していています。次回の受診予約日まで目薬が足らないということで、母親のかわりにもらいに行った際に、主治医の先生から目薬の消費が非常に速いので、 さし方を見るように言われました。母が点眼するところを見ると、目薬の先端がまつ毛にくっついてしまっている感じで、3~4滴以上入れているように見えます。どのように教えれば よいでしょうか。(40歳女性)

 ご高齢の方では、よく起こる問題です。前回の「目薬の基礎知識」で書きましたように、目薬はしっかり目に入れば1滴で十分に効くように設計されています。一度に3滴さすことで 問題が起こるかというと、1滴分以外は外に流れ出てしまうため眼のふちがただれる以外には特に問題ありません。ただ、緑内障の目薬は自費で購入すると考えますと1本2000円~3000円 するものが多いので、もったいないと思います。また、目薬の先端がまつ毛についたり、目のふちにくっついたりしますと、薬自体が汚染されますので、よくありません。目からある程度 離して、うまく1滴させれば問題ないのですが、ここでは“げんこつ法”をお教えします。まず、点眼前に手を洗います。片手でげんこつを作って、顔を上に向けます。 げんこつの人差し指の付け根もしくは近位指節間関節あたりで下まぶたをひきます。もう片方の手で目薬を持ち、げんこつの上に添えて目薬を滴下します。このやり方で、 先端部分は2cm程度は目から離れていると思います。1滴で入らなければ2滴、3滴とたらしてかまいません。ただ、まぶたについてしまった液は良く拭き取ってください。 緑内障の目薬の中には、点眼後5分してから洗顔をしなければいけないもの、冷蔵保存が必要なものがありますので、確認したほうがよいです。また、1日1回で済む目薬も多いですが、 これを1日複数回つけても意味がないばかりか重篤な副作用を起こす物がありますから、1日の点眼回数についてもよくご確認ください。

39. 目薬の基礎知識 201007

 先日、目やにがひどくなって眼科を受診した時に、目薬の使い方について叱られました。1年前に受診して結膜炎と言われて処方された目薬を、かなり余っていたので、 時々使っていたのです。まだ余っているのですが、これを使ってはいけないのでしょうか?今までは、目やにが出るとこれを使って、よく効きました。娘の眼が赤くなった時にも 使ってみたらよくなおりましたし、もったいないと思います。(45歳女性)

 目薬の基礎知識についてお話します。通常1本の目薬には5ml入っていて、これは約100滴分あります。1滴は50μlです。眼の中に入る量は30μlとされていますから、 正しく目に入れば1滴で十分に効く量です。 多くの目薬には防腐剤が含まれていますのである程度は腐りませんが、点眼によって涙が逆流したり、先端がまつ毛についたりすることから汚染されていきます。したがって、 開封前は正しく保管していれば裏側に記載されている消費期限まで問題ありませんが、開封後は1ヶ月以上になったら破棄することをお勧めします。目薬の種類によっては、 1週間ほどで効果がなくなるものや2.5mlしか入っていなもの、15mlも入っているもの、使用前に粉を溶かして作製するもの、使用直前によく振る必要があるもの、 冷蔵しておかないといけないものなど色々あります。また、飲み薬と同じように病気によって使用する目薬が違います。ですから自己判断で目薬を使うと病気を悪化させたり、 病気を新たに作ったりしてしまいます。抗菌の目薬はかなり濃度の濃いものが多く、最近の抗菌点眼剤はよく効きますが、2週間も同じ目薬を使うと耐性菌が生じるとされています。 正しく使用していても副作用が起こることもよくあります。緑内障の目薬では、まぶたが黒くなったりまつ毛が長くなったり、喘息を悪くしたり心臓を悪くするものもあります。 ステロイドの点眼では、緑内障になってしまったり感染症を誘発したりします。アレルギーの目薬では眠くなったりすることもよくあります。眼表面は非常にデリケートですから、 目薬を使うことでくろめやしろめの表面に傷がついてしまうこともよくあります。ですから目薬を使用している最中は、必ず眼科医の診察をお受けになってください。