医療法人とつか眼科

名古屋市南区にある眼科クリニック。とつか眼科。

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109. 前房出血 201606

109. 前房出血 201606

 中学校2年生の男の子です。先日、野球のボールが右目に直撃して、その後から見えなくなったそうです。近くにある眼科を受診したところ、前房出血と言われました。目の中の出血だそうですが、どこから出たのでしょうか。安静が必要と言われたのですが、いうことを聞かず、動き回ってしまっています。体育も禁止と言われたのですが、どの程度安静が必要でしょうか?痛みはなくなってよかったのですが、もう3日も経つのに本人は全く見えるようになっていないと言います。大丈夫でしょうか?(45歳母親)

 前房出血とは、眼球の内部、くろ目の裏側に血が溜まってしまうものです。症状はその程度により様々ですが、多めに溜まりますとほとんど見えなくなってしまうこともあります。原因は、瞳を形作っている虹彩という組織のつけ根部分に断裂が生じて出血するものです。虹彩の付け根部分は正式には毛様体といって血管がとても多い組織で、強く打撲した場合によく起こります。他にも特殊な疾患では自然に前房出血が起きることもあります。瞳が大きくなったり小さくなったりするように、虹彩や毛様体は筋肉としての働きから、とてもよく動く組織です。再出血の予防や早期吸収を促すために、瞳の運動を止める目薬を使ったり、止血剤を投与したりすることもあります。安静度は重症度にもよりますが、トイレや洗面などを除き動かないようにする絶対安静が良いです。安静目的に入院してもらうこともあるほどです。動き回って体動が増えるほど、再出血しやすくなります。大量の出血が長時間くろ目の裏側にあり続けると角膜染色と言って、くろ目が赤く染まってしまうことが稀に起こります。また、前房出血から続発性緑内障となってしまうことがあります。医師に言われた通り、できる限り安静にしてください。出血の吸収とともに見えるようになってくると思います。多くの場合は後遺症を残さずに治りますが、場合によっては、断裂した部分を手術して固定しなければならないこともあります。出血が引いてから眼の奥の病気が見つかることもありますので、視力が回復しても通院を続けてください。

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