医療法人とつか眼科

名古屋市南区にある眼科クリニック。とつか眼科。

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107. 硝子体出血 201604

107. 硝子体出血 201604

 両眼とも近視が強くて、メガネをかけています。先月までは、右目はよく見えていたのですが、急に眼の中ですすをばらまかれたようになったと思ったら、まったくと言っていいほど見えなくなってしまいました。近くの眼科に行くと、「硝子体出血」と言われ、糖尿病が原因かもしれないが、はっきりしないと言われました。20年来の糖尿病で、数年前まで眼科にも通院していたのですが、眼底出血はあると言われるものの、重症ではないと言われていました。メガネをすればよく見える状態であまり変化がなく、引っ越しして以前通院していた眼科が遠くなってしまったこともあって、2年前から眼科通院を止めてしまっていました。今は飲み薬をはじめて1週間経ちましたが、一向によくなりません。激しい運動は禁止されています。このままずっと見えないままなのでしょうか。手術するなど、早く治すことはできないのでしょうか。(60男性)

 硝子体とは、眼球の中央側にある、水晶体と網膜の間の組織で、通常は透明です。そこに何らかの出血や混濁が生じますと、視力低下の原因になります。問題は、その出血がどこから生じたものかですね。急に出る比較的量の多い硝子体出血としては、糖尿病網膜症の増悪や、打撲などの外傷性のもの、網膜裂孔(網膜剥離)に伴うもの、以前に起こった網膜静脈分枝閉塞症からのものや、網膜細動脈瘤からのものなどが多いと思います。網膜剥離が原因のものでは、可及的速やかに手術しなければなりません。糖尿病網膜症の増悪でも急ぐ場合もありますが、網膜剥離ほど数日を争うことは多くはありません。網膜剥離以外では、しばらく経過をみてから改善傾向がなければ、観血手術となります。手術は硝子体手術といって、出血と一緒に硝子体そのものを取ってしまうものです。比較的高齢者(60歳以上)の場合やすでに白内障が進行している場合には、同時に白内障手術も行います。これは、硝子体を取ってしまうことにより、硝子体手術後に白内障が早く進行することになってしまうためです。手術を受けずに出血が吸収されることが最も良いですが、長期間にわたって眼の中に出血塊が残っているようであれば、糖尿病網膜症の悪化やさらなる病気に発展する可能性もあり、手術したほうが良いです。ただし、手術に伴う合併症や白内障の問題などがありますので、常にすぐに手術はしないのが基本的な考えです。しばらく経過を見ることや原因検索が大切になります。激しく動き回ることは、出血の増悪を引き起こすきっかけになる可能性もありますから、比較的安静にして、しばらく通院をお続けください。

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