医療法人とつか眼科

名古屋市南区にある眼科クリニック。とつか眼科。

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80. PC用メガネはどうか 201401

 仕事でパソコンをよく使います。以前は何となく疲れを感じていましたが、最近すごく目が疲れます。メガネ屋さんに行ってみるとPC用のメガネを勧められました。最近、テレビなどの情報番組でもパソコンによるブルーライトが目に良くないと耳にします。PC用メガネ(ブルーライトをカットするもの)を作った方が良いのでしょうか?ドライアイも少しあるとは思うのですが、目薬をさしたほうが良いでしょうか。(28歳男性)

 そうかもしれません。ただ、まずは眼科に行って診察をお受けになってください。疲れの原因として近視や遠視、乱視などがあるかをチェックし、眼鏡の必要性や他の眼疾患の有無についてなども検査が必要です。おっしゃるようにドライアイも病気の一つですから、正しい診断と治療が必要なことは言うまでもありません。ご指摘のようにパソコンやタブレット端末などの液晶画面からはブルーライト(可視光線の青色波長領域)が出ることが近年問題になっています。紫外線が眼に良くないことは明白ですが、ブルーライトも長時間浴びていると網膜に良くないことがわかってきました。ただし、その端末からどれくらい眼に影響する量が出ているかはよくわかっていません。あまり気にしなくても良い可能性すらあります。一方でドライアイの患者さんにはブルーライトは、健康な方よりも見えにくく感じたり疲れやすくなったりする可能性も言われています。つまりドライアイ患者さんでは、眼表面の涙が安定しないため青色の波長の光が散乱しやすいために見えにくくなると考えられています。この見えにくさについてはブルーライトを軽減させるPC用メガネの着用で改善することがあります。一方でブルーライトが睡眠と深く関わっていることもわかってきました。したがって、ずっとブルーライトを制限しているとよくない可能性もあります(これについては次回書きます)。まずは眼科受診をお勧めします。目薬を使うべきかどうかもお尋ねください。

79. 網膜剥離とは? 201312

 先日、急に目の前にゴミのようなものが多数見えるようになって眼科を受診したところ、網膜剥離と言われました。すぐにレーザーの手術をしてもらい、一応治ったということです。ただ、ゴミのように見えたもの(飛蚊症というのだそうですね)が、少なくはなったというものの1か月以上たった今もずっと見え続いています。治療してくれた医師は気にするなというのですが、気になります。一生このままなのでしょうか。どうして手術したのに、飛蚊症がなくならないのでしょうか。教えてください。(54歳男性)

 網膜剥離というのは、カメラで例えますとフィルムに相当するところの網膜という組織に穴が開いてそこから眼内の液体(液化した硝子体)が入り込み、眼球壁から剥がれて内側に突出してしまった状態です。剥離した網膜は放置すれば次第に網膜全体に及んでいき、失明していきます。緊急治療が必要な病気で、発症率は10000人に一人程度と言われます。網膜剥離が小さい場合にはご相談者のように緊急にレーザー治療を施行します。レーザー治療は剥離していない部分の網膜を焼き付けて剥離の進行を抑えるものであり、飛蚊症をなくすものではありません。網膜剥離が大きくなると、レーザー治療で治すことは難しく、入院してメスを入れる手術をすることになります。ご相談者の場合には恐らく裂孔原性網膜剥離といわれるもので、突然の飛蚊症(このQ&A No.4「飛蚊症」参照)を自覚した直後に発生する場合が多いです。この飛蚊症は、混濁した硝子体であることが多く、引きちぎられた網膜のかけらや裂孔部の出血による場合もあります。いずれにしろこの場合の飛蚊症の多くは、次第に数が減っていきます。ただ、一部の硝子体の混濁は残ることもよくありますから、ずっと見え続けることも起こりえます。指導されているように、気にしないことが大切です。白い壁を見て飛蚊症をわかりやすくしたり、青空を見上げて飛蚊症を探そうとしたりすれば、「ずっと見え続ける」ということになってしまいます。しかし、ずっと見え続いていても心配ありません。視機能には全く影響がありません。ただ、気にしていなかったにも関わらずに、再度急激に飛蚊症が生じた場合には、また別の部分の網膜剥離が生じていたり、別の病気であったりすることがありますから、すぐに受診することが大切です。網膜剥離には、裂孔原性のもののほかに、滲出性のものや牽引性のものもあります。

78. コンタクトレンズを作るのはどこで? 201311

 若い時分からの近眼(きんがん)で、高校生の時からずっとコンタクトレンズをつけてきました。かれこれ30年になります。初めはハードコンタクトレンズをしましたが、すぐにソフトコンタクトレンズになり今に至っています。中学生の娘にもソフトコンタクトレンズをさせようと思いますが、コンタクトレンズはどこで買うのがよいのでしょうか。友人は、インターネットで購入しています。娘はまだ若いので、あまりいい加減にはしたくないのですが、うちの近所の眼科クリニックでは安売り店に比べると同じ商品でも大分高いです。私が購入しているお店にも医者はいますが、一言もしゃべりません。そこで作るのは少し心配なので教えてください。(49歳女性)

 コンタクトレンズ(以下CLと略します)は、国内では大きく分けると、一般の眼科診療所(の併設コンタクトレンズ店)、安売り専門コンタクトレンズ販売店、インターネットのどこからでも購入できます。ただし、CLは薬事法の高度管理医療機器クラスⅢに属している医療機器です。クラスⅢというのは、心ペースメーカーなどと同じ範疇であり、間違った使いかたをすると人体にかなり強い影響が出るものとされています。したがって、CLを購入するのは一般の眼科診療所か、もしくはそこで処方箋を発行してもらってから安売り専門店で指定通りのCLを購入するのがよいと思います。もちろん定期検査は、眼科医の診察をお受けになってください。安売り専門CL販売店にも医者はいますが、残念ながらアルバイトもしくは眼科を専門としない医師の場合が多く、そのようなCL販売店に勤務する眼科専門医は著しく少ないのが現状です。ですから貴方がいわれるような「一言もしゃべらない」のです。インターネット販売も安売り専門店も患者さんの健康を守るためにCLを販売しているわけではなく、単に自分たちの商売をしているだけです。患者さんの目がどうなろうと知ったことではないという立場です。CLをはじめて作る場合はもちろん、定期検査も必ず眼科専門医の診察をお受けになってください。適切な指導が受けられます。長いこと安売り専門店で購入していた方が、不可逆性(元に戻らない)の眼の病気になってしまったり、白内障の手術が適応なのに頻繁にCLを作り替えさせられたり、定期検査の指導が不適切なために重症な結膜炎にかかってしまったりするケースが、最近は非常に多いです。また、カラーコンタクトレンズを、医師の診察なしでインターネットや雑貨屋で買って装着したことにより、眼障害をおこす方も急増しています。CLは必ず眼科専門医の診察を受けてください。

77. メガネを作るのはどこで? 201310

 近眼(きんがん)で、小学生の時からずっとメガネをかけてきました。最近は、仕事で、パソコンを見ることも多いのですが、どうも疲れやすくて、メガネを作り直そうかと考えています。子供のころからすると多分10回以上メガネをつくりかえてきたと思いますが、今まではいつもメガネ屋さんで作っていました。友人に相談したら彼はいつも眼科へ行って処方箋をもらってきて、メガネを作るのだそうです。メガネはメガネ屋さんで作るものと思い込んでいたので、少しびっくりしました。メガネは眼科で作るのがよいのでしょうか。それともメガネ屋さんで作るのがよいのでしょうか?最近はすごく安いメガネを売る店も出ていて、どこで作ればよいのか正直迷ってしまいます。 (43歳男性)

 日本では、メガネ屋さんへ直接行ってメガネを作る方も大勢いらっしゃいますが、正解は、まず眼科を受診して、病気がないかどうか診断してもらってから、メガネの処方箋を出してもらうのがよいと思います。処方箋をもってメガネ屋さんへ行ってください。もちろん眼科の併設眼鏡店で作ってもらうのも良いですが、眼科で診断をしてもらってから眼鏡装用試験をして処方箋をもらえば、併設店で購入しなくてもかまいません。好きなメガネ屋さんへその処方箋を持って行かれればよいと思います。メガネ屋さんの中には、よく勉強している方もいて眼科へ行かずに直接メガネ屋さんへ行ってしまった患者さんに、まずは眼科へと教えてくれる良い方もいらっしゃいますが、まだまだ少ないです。眼科で処方を受けて作ったメガネと直接メガネ屋さんで作ったメガネを、どれくらい正しく出来ているか調査したところ、直接メガネ屋さんで作ってしまったメガネに問題があることが多いという調査結果が出ています。眼科の外来では、過矯正のメガネだったり、まず作るべきは遠視のメガネだったのに老眼鏡だけを先に作らされてしまったり、病気の治療が優先されるべきだったのにその前にメガネを買わされてしまったというような症例に、良く遭遇します。もちろん、眼科で渡された処方箋の記述に間違いがあることもまれには起こりますが、頻度的には少ないです。次に、メガネ屋さんの中でどこを選ぶのがよいかですが、これは難しいです。認定眼鏡士という制度がありますので、そのメガネ屋さんに認定眼鏡士がいるかどうかも参考にしてはどうでしょうか?メガネが出来上がった後で、処方を受けた眼科へ再受診して、正しく出来ているかどうか眼科医にチェックしてもらうことも大切です。

75. 先天ぶどう膜欠損 201308

 4歳の男の子ですが、瞳の形に異常があり、眼科を受診したところ「虹彩コロボーマ」と診断されました。そう言えば、眩しそうにしていることがあったかと聞かれれば感じる程度で、あまり何の症状もありませんでしたし、3歳児健診でもひっかかりませんでした。今のところ視力にも問題がないようです。先天的な異常で治らないと言われました。これから何か気をつけることがありますか?(28歳母)

 虹彩、毛様体、脈絡膜の3つは、眼球の内側を覆い、暗室の役目を果たす血管が多い組織で、総じてぶどう膜と呼ばれます。ぶどう膜は発生学的に、上から包み込まれるように出来上がってきますので、先天的に下側に欠損部分ができてしまうことがあります。これをぶどう膜欠損(ぶどう膜コロボーマ)と言いますが、虹彩コロボーマもこれの一つです。虹彩コロボーマは、瞳の下の方が丸くなく鍵穴のような形に見えます。詳しく検査しなければわからない程度の軽いものから、無虹彩と言って虹彩が全く無いような症例や大きな脈絡膜欠損となっている重症なものまでいろいろなタイプがあるといわれています。遺伝性の場合もありますが、そうでない場合もよくあります。性差はあまり言われていません。欠損の範囲が網膜の中心部である黄斑部や視神経を巻き込んでいると、視力の発達も不良です。小角膜や小眼球、視神経の異常や斜視・眼振など他の先天異常を合併することもあります。また、経過中に白内障や緑内障、網膜剥離などが発生する場合があります。しかし瞳の異常だけの場合には眩しさ以外の症状がなく、機能上全く問題がないこともあります。まずは弱視にならないようにすることが大切です。今の年齢から考えますと、まだ視力の発達段階と考えられますから、これからも通院を続けてください。

74. アンチ・エイジング 201307

 老人性白内障と言われ数年来近くの眼科に通っているのですが、黄斑変性があると指摘されました。まだ発病前のようなのですが、眼科の先生からアンチ・エイジングのことを聞きました。眼科の先生から生活指導をされることは初めてで、少し驚きました。甘いものが好きで少し太っているのですが、糖尿病ではありません。食べ過ぎが良くないということはよくわかるのですが、白いご飯が大好きです。おかずはなるべく少なくして好物のご飯も減らし気味にしています。それだけではだめでしょうか?運動しろとも言われたのですが、小さいころからの運動音痴で好きではありません。また、少し神経質なところがあるのですが、それもよくないというお話でした。何に気をつければよいのでしょうか。(58歳、女性)

 アンチ・エイジングは、端的には年を取らないようにすることですが、老化によって起こりやすい病気を未然に防ぐ効果があり、近年日本でも抗加齢医学会が発足され目覚ましい進歩を遂げている分野です。眼科では白内障や加齢性黄斑変性などに効果が期待されるほか、ドライアイが治ったという報告もされています。アンチ・エイジングの3つの基本は、まず腹八分目です。カロリーが多すぎると老化が進みます。どちらかというとおかずは多種類のものを通常量、特に野菜は多く食べてください。炭水化物であるご飯やパン・麺類は少なめにするとよいですが、中でも血糖を急激にあげる作用の強いご飯はより少なくした方が良いと思います。次に、適度な運動が大切です。早歩きするだけで構いません。ゆっくりとした散歩ではなく汗が出るほどなるべく早く歩く方が運動になります。1週間に2~3回20分程度で良いので汗をかくぐらい歩いてください。何かスポーツをしなくてはいけないわけではありません。脚が悪い場合にはプール歩行をお勧めします。3番目に重要なのは、笑顔です。絶えずしかめ面をしていると早死にするという報告があります。この3つを実践すれば立派にアンチ・エイジングです。黄斑変性にもなりにくくなると思います。黄斑変性に限っては、ルテインが含まれたサプリメントの効果が証明されていますのでお試しになることをお勧めします。

73. 強膜炎・上強膜炎(しろめの充血がひきません) 201306

 先日、目の充血が続いて痛みもあったため、眼科を受診したところ、上強膜炎と言われました。以前にもなったことがあります。リウマチがないかと聞かれたのですが、ありません。お酒の飲み過ぎ?のための数値が高いと言われていますが、それ以外は健康診断でも全く引っかかりません。眼科の先生は、あまり原因はわからないが時には膠原病が関係しているかもしれないと言われました。目薬をもらって痛みはひきましたが、充血はまだ続いています。このままでよいでしょうか?何か重症な病気でもあるのでしょうか?(45歳、男性)

 強膜とは、眼球を包んでいる比較的固い組織で、透明な角膜から続き眼球の後ろ3分の2を覆い眼球としての形態を保持するものです。眼球の最表面である組織の炎症である結膜炎よりも少し深いところの炎症が上強膜炎で、さらに深部の炎症が強膜炎です。強膜炎では上強膜炎を併発しており、どちらもそれほど多い疾患ではなく、原因が特定できないことも多いため厳密に区別することが難しい病気です。上強膜炎の方が痛みは軽く、予後良好な疾患で、多くは原因不明ですが、まれに関節リウマチなどの膠原病や血管炎の一症状として認められることがあるとされます。強膜炎は痛みが強く、約半数に全身的な基礎疾患が認められ、最も多いのは関節リウマチです。治療がうまくいかない場合には失明することもあります。上強膜炎を強膜炎の軽症型とするのは正しくないとされます。上強膜炎では、ステロイドの点眼でよくなることが一般的ですが、強膜炎では、ステロイドの内服が必要となります。強膜炎では、治療しているにもかかわらず強膜が壊死して薄くなり穴があいてしまう場合があります。初期には正確には区別できないこともよくあり、経過から判断することがよくあります。相談者の場合には、上強膜炎の様ですからそれほど心配しなくてもよいでしょうし、また、原因が特定できないことがほとんどですから、今のまま通院を続けていれば問題ないかと思います。

72. ヘモグロビンエイワンシー(HbA1c) 201305

 私は糖尿病で数年前から内科に通院しています。内科の先生から糖尿病はよくなっていると言われていましたが、眼科を受診しろと言われて行ってきました。眼科の先生からヘモグロビンエイワンシーはいくつですかと聞かれたのですが、そんなこと知りません。内科で血糖を測った時には、130と言われて良いとばかり思っていたのですが、眼科では眼底出血があると言われてしまいました。ヘモグロビンエイワンシーって何ですか?糖尿病の治療がうまく行っていると聞いていたのに、眼底出血してしまうなんてあるのでしょうか?(58歳、男性)

 人の血液にはヘモグロビンという、赤血球の中のたんぱく質があります。これは全身へ酸素を運ぶものですが、血液中のブドウ糖が増えるとこのヘモグロビンとブドウ糖がくっついてしまいます。これをグリコヘモグロビンと言いますが、グリコヘモグロビンの代表がHbA1c(ヘモグロビンエイワンシー)と呼ばれます。正常値は6.2%以下(2012年より前の日本独自の基準値であるJDS値でいうと5.8%以下)です。このHbA1cは、1か月から2か月の平均血糖の状態を表していて、糖尿病のよい指標とされます。普通の血糖値は、空腹時には低く、食後に上がるというように食事の影響を受けてしまうのに対して、HbA1cは、食事の影響を受けません。食事の影響を受ける血糖値に一喜一憂するよりも、HbA1cを調べてもらうことにより、1~2か月の血糖管理状況が明らかになります。是非、この値を記憶していただいて、眼科医へ伝えてください。糖尿病網膜症(糖尿病による眼底出血)の進行は、血糖の管理が悪いほど、言い換えればHbA1cが悪いほどひどくなる傾向があります。ただし、HbA1cが正常、つまり糖尿病が治ったようにお薬でよくなったとしても、網膜症が重症となってしまうことは時に起こります。網膜症の問題点は、失明するほどひどい状態まで進行しない限り視力低下などの自覚症状があまり出ないことです。ですから、一度糖尿病と診断された場合には、血糖値がほぼ正常になったとしても定期的に眼科への通院も怠らないようにしてください。

71. まぶたが下がった 201304

 私の70歳になる母親ですが、瞼(まぶた)が下がっているように思います。両方とも下がっていますが、右眼の方がよけいにひどいように見えます。10年前にはもっと大きな目だったように思いますし、本人も少し気にしていて、瞼を手で持ち上げると見易くなると言います。年齢性のものでしょうか。瞼が下がってしまうだけの病気もあるのでしょうか。眼科を受診するべきか教えてください(37歳、女性)

 瞼が下がってしまっている状態を、眼瞼下垂と呼びます。眼瞼下垂となる原因は、加齢によるもの、先天性のもの、瞼の炎症も含めた機械性のもの、重症筋無力症、Horner症候群という交感神経の障害によるもの、ケガによる外傷性のもの、動眼神経麻痺によるもの、眼瞼痙攣によるもの、偽下垂といって眼球の縮小や眼球陥凹に伴うものなどがあります。このうち最も心配なのは、動眼神経麻痺によるものですが、これは発症が突然であり、同時に瞳が大きくなったり眼が動きにくくなったりします。動眼神経麻痺の原因には、脳動脈瘤ということがあり生命に危険がありますからすぐに対処が必要です。重症筋無力症では、起床直後の下垂は目立たずに、夕方や疲労時に悪くなることが特徴です。相談者の場合には年齢性のものが考えられますが、一度眼科を受診してみてはいかがでしょうか。年齢性のものでも左右差があることもよくあります。特に原因となる病気が見つからない場合の後天性眼瞼下垂では、瞼を上げている筋肉を短縮する手術治療で比較的容易に眼瞼下垂を治すことが可能です。また、眼瞼皮膚弛緩症といって、瞼の皮膚がたるんでしまっている場合には、余剰な皮膚を切除するだけでも見た目上腫れぼったくなっている瞼を治すことができます。いずれも局所麻酔で、強い痛みを感じることはなく手術可能です。

70. 円錐(えんすい)角膜(くろめが飛び出る病気って?) 201303

 最近かなり見えにくくなってきたので、メガネ屋さんに行きましたところ、視力が出にくいので、眼科受診を勧められました。眼医者さんでは、円錐角膜と言われました。右眼が強い乱視になっていて、くろめが飛び出てくる病気ということでした。ハードコンタクトレンズを勧められましたが、つけないといけないでしょうか?今のところ見えにくいだけなのですが、いずれは痛くなったりするのでしょうか。他に治療方法はないのでしょうか。(23歳、男性)

 円錐角膜は角膜を構成する細胞層に異常をきたし、前方に突出した形になってしまう病気です。欧米では女性に多いとされますが、日本では男性の方がやや多いとされます。20歳代で発見されることが多いですが、進行は人により様々であると言われています。原因不明の病気ですが、まれに遺伝性のものがあり、アトピー性皮膚炎の方には合併しやすいと言われます。多くは両眼性ですが、進行には左右差があるのが普通です。円錐角膜では角膜が変形していくため、不正な乱視になります。乱視が軽度なうちは、メガネでも矯正が可能ですが、進行すると強い乱視となり、ハードコンタクトレンズでなければ矯正できなくなります。また、ハードコンタクトレンズをつけておくことが、進行予防にもなると考えられています。さらに進行すると特殊なハードコンタクトレンズも装用できなくなってしまいます。経過中には、急性角膜水腫といって角膜が急に水ぶくれの状態になることがあります。こうなると痛みが出ますが、通常は特殊な治療をせずとも角膜水腫の前の状態にある程度回復します。失明することはありませんが、進行すると矯正視力が出にくくなります。コンタクトレンズ装用ができなくなったり、矯正視力が出にくくなったりした場合に、視力を回復させるには手術治療が必要となります。最終的には角膜移植しかありませんが、近年では、角膜内リング挿入という手術や角膜クロスリンキングという新しい手術も試みられるようになってきました。