医療法人とつか眼科

名古屋市南区にある眼科クリニック。とつか眼科。

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100.TS-1(ティーエスワン)の副作用 201509

 少し前に胃ガンを手術して、現在TS-1という抗ガン剤を服用しています。涙が多くなってきて、主治医の先生に相談したところ、眼科受診を勧められました。まだ、受診はしていません。目に副作用が起こるような話でしたが、どんなことがおきるのでしょうか?今は、涙もそれほど気にならなくなってきましたが、眼科受診したほうが良いでしょうか?特に見えにくいことはありません。涙は少し様子を見て、もう少し悪化してからではいけませんか?教えてください。(51歳男性)

 TS-1という抗ガン剤は、2007年ごろから多用されるようになりました。これは、胃ガンの手術後などに用いられ、比較的副作用が少なくガンの再発予防に有効とわかってからです。長期間にわたり飲み続ける方が増えています。一般的には、脱毛や吐き気、貧血などがその副作用ですが、眼科的な副作用もよく起きることがわかってきました。一つはご相談者のように涙目になることです。涙管という涙の通り道がふさがってしまうことによります。もう一つは、角膜上皮が混濁すること、やさしく言えばくろめが濁ってしまうことです。後者については抗ガン剤が涙に出てくるために正常な角膜上皮細胞が障害されることによると考えられています。ひどい場合には視力も落ちてしまいますので、他の抗ガン剤に変更していただくか中止にするかを主治医の先生と眼科医とで協議するべきです。多くの場合には中止することで混濁は次第に改善します。涙目になってしまう理由ははっきりわかっていませんが、放置すると不可逆性となり、一生涙目になってしまいます。涙管が閉塞しそうになったらすぐにシリコンでできたチューブを入れることで予防できます。チューブ挿入は外来で比較的簡単にできますが、完全に閉塞してからですとチューブ挿入はできなくなってしまいます。そうなると新たに涙管を開ける手術をしなければならなくなり、難しくなります。その他にもまつ毛が抜けたり結膜炎になったりする場合もあるようです。TS-1を内服し出したら、定期的に眼科を受診して、人工涙液などを点眼することでこのような副作用が起きにくくできる可能性があります。ご相談者の場合もすぐに眼科受診するべきかと思います。

99.老視とは 201508

 43歳のサラリーマンです。以前から目だけは自信があって、何処もかしこもよく見えていました。私の体の中で唯一の自慢だったのですが、最近パソコンを見ているとすごく疲れて、しばらくすると見えなくなってきます。眼科を受診したところ、老眼と言われました。年だということでしょうが、老眼というのは本当のところどういう状態なのでしょうか。普段からメガネをかけたほうが良いのでしょうか。(43歳男性)

 老眼とは医学用語では老視と言います。老視はおっしゃる通り中年期以降に生じる目の変化の一つです。具体的には調節力の低下です。私たち人の目は、近視や遠視・乱視などの屈折異常の無い場合、正視と言って遠方は何の力も必要とせずによく見えます。これに対して、近くを見る時には水晶体という眼をカメラに例えた場合のレンズに相当する部分を厚くさせます。これを調節と呼びます。調節力をできるだけ使って眼に最も近くの物体を見る場合、最高に近くを見ることが出来るのは10歳位と言われています。つまり調節力は小学校高学年以降落ちる一方です。通常の読書をする距離おおよそ眼前30cmを見えなくなるのが40歳ごろです。この手元が見えなくなった時期を老視と診断をします。わかりにくいのは、屈折異常がある場合です。調節力の低下は、眼鏡などで屈折異常を矯正した状態の時の近くの見え方で測定します。近視があると眼鏡を外すと近くが見えますので、見かけ上は老視が無いように思いますが、そうではありません。老視は誰にでも起こる老化現象の一つですから、上手に対処しましょう。ご相談者の場合には、正しく眼科を受診されて診断されていますから、眼鏡については主治医の意見に従ってください。正視である場合には、普段から眼鏡をかける必要はありません。近業を行う場合にのみ使用すればよいです。もちろん、近くをみたり遠くを見たり、一瞬にして見るべき位置が頻繁に変わる場合には、累進屈折力レンズや二重焦点レンズといった、遠近両用レンズもご使用になると便利だと思います。このQ&A8「近視と老視」もご参考にしてください。

98.涙とまばたき 201507

 ドライアイで近所の眼科に通院しています。すごく疲れ易いのとパサパサもします。パソコンを長時間見ていたりした後は、ゴロゴロすることもありました。今は処方されている目薬で、それほどひどい症状は無いのですが、角膜に傷がついていることが多いらしく、眼科医からいつも瞬きをするように指導されます。目薬をさした後にパチパチしているのですが、それでよかったでしょうか?(40歳男性)

 瞬き(まばたき)は通常3秒から10秒程度に1回無意識で行われる瞼の運動です。一方涙は、1日に2〜3ml、1分間では1〜2μl、瞬きするたびに出ている(基礎分泌)と考えられています。涙は、瞬きによって目の表面についた異物を洗い流し、眼表面の細胞の栄養も行っているため、涙がないと失明してしまうほど重要です。健康な方の涙は瞬きから次の瞬きまでの間、膜状に眼表面を覆っていて(涙膜と言います)壊れません。つまり涙膜が外界からの刺激から眼表面を守っています。悲しかったり強い痛みを感じたりした場合には、いわゆる反射性流涙という一時的な涙が出ます。ドライアイは量的もしくは質的に涙が少なくなってしまう状態で、眼表面に傷がついたり見えにくくなったりする病気です。瞬きはとても大切で、パソコンを集中して見るなどすると、10秒以上瞬きしないこともあり、このような状態が長く続けば多くの方がドライアイになってしまうと言われています。ですから瞬きについてはよくご理解ください。通常何をしているときにでも3秒に1回程度、眼をつぶってください。目薬を差した後にするものではありません。3秒に1回わざわざ瞬きをし続けることは不可能と思いますが、集中してパソコンやテレビを見ている時などに、思い出してやってください。パチパチするようなあまりに早い瞬きでは涙は出ないと言われています。また、完全につぶらない瞬きも涙膜がすぐに壊れてしまいますのでよくありません。ただしギュッとつぶるような強い瞬きもあまり眼によくありません。優しくしっかり(完全に)そしてゆっくり3秒に1回瞬きしてください。顔面神経麻痺や顔のけがや手術後に目の表面がぬれにくくなった場合にも、意識して瞬きしてもらうとよいと思います。

97.近視とは 201506

 小学校5年生の男の子のことです。視力検査がよくなかったということで学校から受診のお勧めをもらってきました。近所の眼科を受診したところ、「近視」と言われ、右が0.4で左が0.3でした。私も夫も全くメガネをかけたことがなく、老眼ならよくわかりますが、近視というのはいまいちよくわかりません。眼が悪いということでしょうか? 昨年までは紙をもらわなかったので、急に悪くなってしまったのでしょうか? もう治らないのでしょうか? 本人に聞くとそれほど見えにくいとは言わないのですが、眼科の先生はそろそろメガネをかけた方がよいと言われました。必要でしょうか? (35歳母親)

 近視(いわゆる“きんがん”)とは近くのものはよく見えますが、遠くのものがよく見えない状態です。カメラに例えて考えます。フィルムに相当するのが、網膜という神経で出来た膜組織となります。外界から来た光がフィルムに集光するとピントがあった写真が写るのと同じ原理で、遠方の物体が正しく網膜に集光すれば、良く見える眼ということになります。近視では遠方の物体の像が網膜より手前で集光してしまうため、網膜にはピンボケの画像が写ることになります。なぜ網膜より手前で集光してしまうかというと、多くの場合は眼の前後径(これを眼軸長といいます)が長くなってしまうためです。ではさらになぜ眼軸長が長くなってしまうのかというとはっきりはわかりません。近視の原因については、ある程度は遺伝の影響があります。その他には近くを見る時間が長いと近視化しやすいと言われています。詳しくは別の機会にお伝えします。ある程度近くにある物体についてはちょうど網膜にピントを結ぶことができるため、良く見えます。学校生活では、教科書やノートはよく見えるのに対して、黒板の字がよく見えないということになります。両眼の視力で0.7見えれば、近視のメガネをかけなくてもよい場合が多いですが、それ以下しか見えないということであれば近視のメガネをお勧めします。授業中など遠くを見ることが必要な場面では、近視のメガネをかけると良いです。適切なメガネであれば、メガネをかけたから近視が進むということはありません。また逆に近視のメガネをかけないために近視が進行したり別の病気が出たりするということもありません。軽い近視の場合には近くはよく見えますので、40歳以上になって老眼が出る年齢になっても老眼鏡をかけなくてもよいことが多いです。つまり軽い近視は決して悪い眼ではありません。強い近視になりますと物体にかなり眼を近づけないと見えなくなり、その他の眼の病気も出易くなりますので、注意が必要です。

96.入院手術と外来手術 201505

 78歳になる母は、10年前から白内障で、近くの眼科医院へ通院しています。随分見えにくくなってきたと言って、主治医の先生からもそろそろ手術を考えてみたらと言われ手術する決心が本人もつきました。その施設は日帰りで行うやり方なのですが、母はもともと肺に障害があり、酸素ボンベをひいています。もちろん階段も上がれるのですが、時々息苦しくなるので、入院して手術してもらおうか考えています。主治医の先生は、日帰りでもできるとおっしゃっているのですが、どうしたらよいでしょうか?(49歳娘)

 最近の白内障手術自体は、15分以内で終わる場合が多く全身的負担はほとんどありません。手術した眼を眼帯でふさぐ場合でも、大抵は1日しているだけで、翌朝の診察で眼帯は外れてしまいます。それ以降は両眼で生活できます。手術当日も極端に安静にしている必要なく、暴れるようなことをしなければ動いていてかまいませんので、手術日の夕食の備えさえあれば心配ありません。そういう意味では入院する必要は全くありません。しかし、手術は受けたら終わりということではなく、手術翌日や3日目、1週間目など初めのうちは頻繁に通院が必要になります。経過が悪い場合には毎日のように通院することが必要な場合もまれにはあります。最悪の想定をして、万が一毎日通院することになってしまっても体力的に大丈夫かを考えてください。また、緊急時に1日に2回通院することになってしまった場合の対策などをしておくのが良いでしょう。このような備えは最長でも術後1週間までです。一方入院では、お食事を作る必要はありませんし、近くには看護婦さんもいるので安心です。ただし、寝床が変わることで認知症が進む場合があります。全身管理が必要なご病気をしている場合のほか、白内障の重症度や白内障以外の眼の病気によっては合併症を起こしやすい場合があるので、この場合も入院手術が良いと思います。硝子体手術や緑内障手術などでは、入院のほうが良い場合もよくあります。主治医の先生やご家族とよく相談して決めることがよいと思います。ポイントは、手術時間と合併症が起きやすいか否か、術後すぐに処置が必要になる手術なのかどうか、その施設の手術室の位置と移動手段、クリニックまでの距離や通院手段などです。通院の時から何でも気軽に話すことができる主治医の先生に手術してもらったり、その先生が手術に立ち会ってくれたりすると安心して手術を受けやすいと思います。

49. 結膜弛緩症 201106

 70歳になる母親のことなのですが、ずっと前から涙が出ると言って、ハンカチでいつも涙をふき取っていました。眼科にも通院していたのですが、いつも同じドライアイ用の目薬でした。先日別の眼科で診てもらったところ、「結膜弛緩症」と言われました。どのような病気なのでしょうか。目薬で改善しないようであれば、手術することもあると聞いたのですが、重病なのでしょうか。また、ずっと前からドライアイではなかったのでしょうか。(45歳、男性)

 結膜弛緩症とは、ゆるんだ結膜組織が主に下まぶたの上にはみ出てしまっている状態です。余剰な結膜は加齢性変化や炎症などを背景に生じると言われ、高齢者の異物感や流涙、うっとおしさなどさまざまな訴えの原因になります。その理由としてはまず、このはみ出た結膜組織が瞬きで挟まることによる機械的な障害があります。余剰な結膜組織が角膜や瞼縁部分に接触しますから、まつ毛が触っているような感覚であったり、物が入っているような感じがしたりします。下まぶたの上には本来わずかに涙がたまるスペースがあります。この部分を余剰な結膜組織が占拠するために涙がさらにこのはみ出した結膜組織の上に載るために、正常な涙の量を異常に多いと感じます。これが流涙症の原因となります。また、正常に涙が広がりにくくなるところからドライアイを増悪させたり、ドライアイそのものの原因ともなります。ご相談者の場合には以前からあったドライアイに結膜弛緩症が合併してきたのではないでしょうか。ドライアイのみでも、反射性流涙と言って刺激を受けた時の涙分泌が多くなっていることもあります。結膜弛緩症は高齢者には非常に多い病気で、症状の面から言いますと多彩で悩ましい病気ですが、強い視力障害の原因になることはほとんどなく、手術も難易度の高いものではありません。しっかり診断がついたようですから、しばらくこれに対して治療してもらい、どうしても症状の改善が見られないようであれば、手術してみることも良いと思います。手術の種類にもいろいろありますから、詳しく聞いてみるのが良いと思います。

95.モノビジョン法を利用した白内障手術の理解201504

 3年前に白内障の手術をした80歳になる母親のことです。何でもモノビジョン法というやり方でやってもらい、手術後は遠くも近くもすごくよく見えると喜んでいました。実際に、56歳の私よりもテレビも新聞も良く見えています。今もよく見えているように思えます。しかし、最近右眼を隠すと左眼がよく見えないと言い出しました。どういうことでしょうか。(56歳女性)

 モノビジョン法というのは、片眼で遠くを見えるようにし、もう片眼で近くを見易くする方法で、両眼を使うことにより遠くも近くも見えるようにするやり方です。白内障の手術時やコンタクトレンズ矯正など、日常生活でメガネを使わないで済む画期的な方法の一つです。恐らくお母様は両眼とも開けて見ていただけば問題なく遠くも近くも見えるはずです。ただし片眼を塞いでしまうと、もともとそちらの眼で見ることにしてあった距離の物が見えにくくなります。お母様の場合には右眼が遠くにピントが合っていて、左眼は近くにピントが合う状態になっていると思います。右眼を隠して左眼で新聞が良く読めれば問題ありません。左眼では初めから遠くはよく見えない設定です。日常的に片眼を隠すことはしないように教えてあげてください。もし、視力をチェックしたいと感じましたら、両眼で遠くを見て良く見えるか、両眼で新聞を見て良く読めるかを調べてください。日常はよく見えているのに片眼を隠すことを頻繁に行うと、かえって見えにくさが気になってしまうことになります。もちろん、本当に眼の病気がおきている可能性もありますから、眼科専門医の診察をお受けになることも大切です。

94.角膜内皮障害201503

 高校生の時からコンタクトレンズを使ってきました。今まではインターネットで購入してきましたが、新発売のコンタクトレンズを購入しようと思い、久し振りに近くの眼科に健診を兼ねて受診しました。しかし、くろめの内側の細胞がすごく減ってしまっていて、もうコンタクトレンズはしない方が良いと言われてしまいました。今までは特にトラブルもなく、今はめてみてもなんら痛くも痒くも無いのにしてはいけないとはどういうことでしょうか?教えてください。(32歳女性)

 “くろめ”つまり角膜は厚さ0.5mm~0.7mmの薄い透明な膜状の組織です。角膜の内側には、角膜を透明に保つために最も大切な役割をする角膜内皮細胞という細胞が一面に張っています。この角膜内皮細胞は、新生児では1mm2あたりに約4000個あります。この細胞は加齢によって少しずつ減少していきますが、40歳の成人でも1mm2あたり3000個程度はありますし、80歳の高齢者でも2000個程度あるのが普通です。現在の眼科学ではこの細胞が自然に増えることはないとされています。検査ではある程度の誤差がありますが、年齢とともに次第に数が減っていく細胞です。角膜内皮細胞は、コンタクトレンズを長期につけていたり、白内障などの眼の手術をしたり、怪我をしたりすることで通常より早く減少します。500個/mm2を下回りますと水疱性角膜症という病気となり、角膜が濁って水膨れになり見えなくなってしまいます。視力を回復するには角膜移植が必要となります。加齢で自然に少しずつは減っていくことを考えますと、60歳~80歳頃に白内障の手術を受ける前には1500個/mm2を下回らないようにしたいところです。30歳前に2000個を下回っていれば要注意と考え、コンタクトレンズの装用が原因であると考えられれば、装用の機会を減らしたり、中止したりする方が無難です。

93.雪眼(ゆきめ)と電気性眼炎 201502

 先日スキーをしに出かけたのですが、滑った日の夜中眠れないほど目が痛くなりました。救急病院で診てもらったところ、「雪眼」と言われました。スキーをした日はお酒を飲んだのですが、よくなかったのでしょうか。その日は、眼帯をして帰って、朝から処方された目薬を使っています。今日はだいぶ良くなったのですが、「雪眼」はどうして起こるのでしょうか?ゴーグルをしないで滑ったのが悪かったそうですが、ゴーグルを持っていき忘れたときはどうすればよいでしょうか。教えてください。(28歳男性)

 紫外線が眼にあたると、かなりの部分が角膜で吸収されます。この紫外線に細胞を傷害する作用があります。紫外線による角膜障害のうち、スキー場などの雪による紫外線障害を「雪眼」、溶接作業など人工的な紫外線による角膜障害を「電気性眼炎」と呼びます。どちらも短時間に多量の紫外線を浴びたことによる角膜上皮障害です。紫外線は夏より冬に少ないのですが、雪面は反射する紫外線量がとても多いために起こりやすいです。もちろん夏の海水浴でも起こります。主に砂浜や水面からの太陽光の反射によると考えられています。スキーをするときにはゴーグルは必要ですが、サングラスでもある程度は防御できます。眼との隙間が少ないものを使用してください。保護眼鏡なしで、多量の紫外線を浴びてしまったり溶接作業を行ってしまったりした場合には、角膜障害が起こりえます。飲酒をすると炎症が強くなるので、「雪眼」や「電気性眼炎」がおきた場合にはアルコールは避けた方が無難です。強い痛みは、冷やすとよいですが、温めると悪化します。したがって飲酒以外でも激しい運動をしたりサウナで暖まったりすると眼痛が増悪する可能性があります。注意してください。

92.糖尿病治癒後の糖尿病網膜症

 目の前にゴミが飛んで見えるようになったので眼科へ行ったところ、レーザー治療を受けました。元々はよく見える目だったのにレーザー治療を受けるようになってから、視力が低下してきています。担当の先生に理由を尋ねると糖尿病のためだと言われます。糖尿病は若い頃なりましたが、もう血糖値も高くなく飲み薬も飲んでいません。糖尿病はもう治ったのにどうして今頃糖尿病のせいだと言われてしまうのでしょうか。理解できません。別の眼科へ行った方が良いでしょうか。(52歳男性)

 頻度は多くありませんが、糖尿病が治ったと思うほど血糖値が改善した後、数年から十数年してから糖尿病網膜症が発症することがあります。患者さんは恐らくこのタイプと推測されます。明らかに治療を要するほどの高血糖状態が続くと、その時の事を身体の器官(この場合は眼)が覚えていて、長い期間を経てから糖尿病合併症として眼底出血が起こると考えられています。しかし、あまり詳しい機序はわかっていません。糖尿病網膜症は糖尿病眼合併症の中でも、重症化すれば失明する可能性もある合併症で注意が必要です。また複数回のレーザー治療を必要とすることもあります。さらに初老期には、調節力減退が起こり裸眼の視力が自然に悪くなったり老眼がでたりすることもあります。もちろんレーザー治療の副作用として視力が下がる場合も、またレーザー治療をしていても網膜症が進行してしまい、結果として視力が落ちることがあり得ます。セカンドオピニオンを聞くことも悪いことではありませんが、お話を聞く限りでは間違った診療をしているとは思いません。今後もしっかりとした治療が必要です。また糖尿病についても、完全に治療を終了してしまわずに時々内科でチェックしてもらうことをお勧めします。