医療法人とつか眼科

名古屋市南区にある眼科クリニック。とつか眼科。

TEL.052-613-4001   〒457-0808 名古屋市南区松下町1丁目1番地

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142. 遠近両用メガネ  201904

  先日、少しずつ近くが見えにくく感じていて、眼鏡店に行ったところ「老眼」と言われてしまいました。もともと軽い近視だったので、人より老眼でないことを密かに自慢に思っていましたが、近眼だったから少し得していたのですね。遠近両用メガネを勧められて、試したのですがどうもうまく見えないためとりあえずやめて帰ってきました。もっとよく見えるメガネはないでしょうか?(43歳、女性)

 遠近両用メガネにも色々あります。日本で最も普及しているものは累進屈折力レンズと呼ばれ、まっすぐに前を向いて顎を少し引き気味にして遠くが見えます。また、そのまま視線のみを下の方にずらしてメガネレンズの下側を使って手元を見るように設計されています。逆に横方向や斜め下方向にはよく見えないレンズ領域が存在します。遠用と近用がミックスされたレンズですが、複雑な構造のため近用部のはっきり見える領域がとても狭いレンズです。階段を降りるときにはしっかり顎を引いてレンズの上の方を使って見るようにしないと階段のステップにはピントが合いませんし、掲示板に貼ってある広告の文字を読むときには掲示物に近づいた上で顎を上げて見ようとしない限り文字を読むことが難しいレンズです。長時間読書をしたり、パソコン作業をし続けたりする場合には、あまりお勧めしません。一方、近用のみを重視し、運転などには向いていない代わりに室内では有用であるレンズや、どちらかといえばパソコンと読書など1m以内のものをよく見えるようにした近々レンズと呼ばれるものもあります。
レンズの上半分を全て遠用に下半分を全て近用にしたエグゼクティブと言われる遠近両用メガネがあり、欧米では今も広く普及しています。レンズの上の方を使えば斜め方向も横方向も遠くはよく見えますし、レンズの下側を使えば斜め下側も近くがよく見えます。長時間の近くの作業にもお勧めです。一方でこのエグゼクティブタイプはレンズの中央部分に水平状に見えない領域(境目)が存在し、慣れないとうまく使えません。その他に、レンズ面の大部分を遠用にして下方に小さい丸型の近用部分を入れた小窓タイプと言われる遠近両用メガネもあり、見栄えを気にしなければ使い方によってはとても見やすいメガネになります。眼科の先生によく相談して、患者さんの使用する状況にあった遠近両用メガネを作られるのが良いと思います。経済的に余裕があるのであれば、1つに限らず、複数の遠近両用メガネを使い分けることもお勧めです。
いずれにしろ、その見えにくさが、屈折異常だけではない場合もありますので、まずは眼科を受診して、しっかり診断してもらってから、適切な眼鏡をおつくりになることが望まれます。

141. 緑内障手術とは  201903

  緑内障で近くの眼科に通院しています。3年ほど通っていて4種類の目薬をつけていますが、眼圧の下りがあまり良くなくて、手術を勧められています。今は見なくて困るということは無いのですが、検査の結果を見せられると確かに悪化しているようです。見え方が良くなることはないという説明や色々な手術方法があって、受けるべきか悩んでいます。どうすればよいでしょうか?(59歳、男性)

 緑内障手術は目まぐるしく進歩してきています。まずレーザー手術か観血手術かに別れます。前者のうち急性発作予防の手術は行うことが少なくなりました。進行予防のためのレーザー手術は短時間で済み術後の管理も難しくありませんが、効果(眼圧が下がる量)が大きくはなく、また3年以上経つと効果が弱くなることが多いです。通常2回はできますから、試してもよいかもしれません。観血手術は侵襲が少ないものが増えてきました。眼の中の水(房水と言います)の出口にあたる線維柱帯という組織を切開するタイプはいくつかに別れます。後に説明する手術よりは効果が弱いですが、初めて緑内障手術を受ける方にはお勧めだと思います。これも効果が数年で薄れてきます。最後に濾過手術と呼ばれる新しく房水の通り道を作る手術があります。もっとも効果が高いですが、他の手術に比べると術後の管理に少しだけ手間がかかったり、合併症の出る割合が高くなったりします。それでも技術の進歩により、とても安全になりました。他にもいくつかの手術があります。ご指摘のように緑内障手術は、見え方が良くなることはあまりありません。しかし、目薬や飲み薬でも進行してしまう場合には、必要となります。緑内障の手術にはそれぞれに利点と欠点があります。手術を受けたらそれで終わりということはあまりありません。ですから、担当の先生に現在の緑内障の状態と進行スピード(手術を受けない場合に将来の見え方の進み具合)についても詳しくお聞きになってから、ご自身で最終判断するのがよいと思います。

140. 糖尿病網膜症  201902

  糖尿病になって10年定期的に通院していましたが、近所の内科の先生が閉院されることになりました。そこで、糖尿病がご専門という新しくできた内科医院へ紹介されて通い始めたところ、すぐに眼科へ行きなさいと言われてしまいました。目は良く見えて全くなんともないですし今までの先生はそんなこと言われなかったのに、眼科にかからないといけないのでしょうか?(62歳、男性)

 糖尿病網膜症は、糖尿病からくる3大合併症の一つで、少し前までは中途失明の原因のトップでした。現在は緑内障の次になりましたが、重症の視力障害をきたす疾病であることを忘れてはいけません。糖尿病網膜症は、網膜という目の底のカメラに例えるとフィルムに相当する網膜という神経の膜に、出血をきたすことから始まります。ただし、網膜にたくさんの出血をきたしても、自覚症状が出ることはあまりありません。大量に出血したり、黄斑部という網膜の中央に出血やむくみをきたしたりしますと、初めて視力が低下します。つまり、後遺症を残すような重篤な状態になってから初めて気づかれるのです。重症になってからは、レーザー治療や手術治療などを行いますが、網膜症が出る前の状態に戻りにくいのが糖尿病網膜症の問題です。ですから、糖尿病と診断されてからは、自覚症状がなくても6ヶ月ごとに眼科検診をお受けになることをお勧めします。新しくかかられた先生の言われる通りです。自覚症状が出てからでは、手遅れになる場合があります。これは、糖尿病の管理が良くても、仮にもう飲み薬を飲まなくても良いくらいに良くなったとしても、網膜症が発症することが知られています。もちろん糖尿病の管理が悪い方の方が網膜症の出現頻度も高くなります。糖尿病では網膜症以外にも、白内障や眼筋麻痺、虹彩炎や緑内障など、他の目の病気も引き起こします。糖尿病については、この疾患Q&AのNo.10 やNo.92も合わせてご参照ください。

139. 目薬の副作用  201901

  緑内障で近くの眼科に通院しています。先日診察に行った際に、少し悪化している可能性があるとのことで、新しい目薬をもらいました。この目薬をつけるととてもしみて、しばらく見えにくくなります。まだ3日間つけたところですが、なんだか視力が落ちた気がして勝手に中止してしまいました。すると、見え方も元に戻って、快調です。目薬の副作用だと思いました。1か月後の予約なので、少し心配ですがこのまま中止していてよいでしょうか。(52歳、女性)

 薬の副作用というのは、病気を治療する効果以外の作用を言います。ですから今回の場合も副作用と呼んでも間違いではないのですが、自己中止してしまうことには問題があります。まず、緑内障の眼薬の中には比較的しみやすいものや一時的に見えにくくなるもの、充血するもの、瞼が黒くなってしまうものなど副作用は比較的多くあります。ですから、今回の新しくもらった目薬の刺激感や一時的な見えにくさといった副作用は、もとからある眼薬だった可能性があります。そうであれば、つけておく必要があると思われます。病気が悪化している最中に自己判断で目薬をやめてしまうと病気(今回の場合は緑内障)が進行してしまう可能性があります。やはり、ご処方いただいたクリニックに行き、ご自分の感じたことを担当の先生に直接お話になることが最善と思います。それまでは自己中止しないことをお勧めします。ただし、目薬の中には、心不全や喘息の方が使ってはいけないものもありますし、直ちに中止した方がよい副作用もあります。すぐにかかりつけの眼科クリニックへ行くことができない場合には、目薬と一緒に渡された薬剤情報をご覧になって、副作用と思われる症状について書かれていないかどうか調べてください。一般的には、点眼してすぐに充血し、強いかゆみが出現した場合、この症状が目薬をつけるたびにひどくなっていく場合には、目薬が合わないと推測されます。また、つけてすぐに充血・流涙・痛みやかゆみなどいろいろな症状が出て顔や体にぶつぶつが出てきた場合には、重症の副作用が考えられますので、直ちに中止してかかりつけの眼科クリニックを受診してください。

138. 白内障の手術前検査  201812

  今度、母親が白内障手術を受けることになりました。手術は短時間で終わるとの説明を受けていますが、手術前の検査がたくさんあって長時間かかると説明がありました。簡単で短時間で終えることができる手術なのに、手術前に長時間にわたり数多くの検査をするのは何故ですか。どんなことをするのですか(48歳、女性)

 まず、白内障の手術は技術がとても進歩しましたので、短時間で終わることも多くなりました。しかし、短時間で終わるから簡単ということではありません。先進技術の結集の結果、時間が早く終わることが多いというだけです。白内障の中にはとても難しく、手術時間が1時間以上となる場合もあります。通常は濁ってしまった水晶体を摘出して、眼内レンズという人工の水晶体を挿入する手術です。つまり、人工のものに入れ替わってしまうため、手術後はもう二度と元の眼に戻ることはできなくなります。したがって、手術前の屈折の状態(近視や乱視・遠視など)や、見え方の状態の把握がとても大切です。具体的には、角膜のひずみ具合を詳しく診たり、まぶしい光が視界に入った場合の見えにくさの具合を把握したり、手術後予想通りに見えるために必要な眼の構造をしているかどうかの検査が必要になってきます。また、手術前の眼の状態の把握のほかに、手術中に全身に問題がおきないかどうかを調べるために血液の検査や尿の検査、心電図検査など、全身のチェックも行います。白内障が全身疾患から起きていることもあります。その結果、全身状態を改善する治療を優先し、白内障手術時機を延期しなければならなくなる場合もあります。手術をしてしまったら、もう元には戻らないこと、手術後の見え方にこんなはずではなかったと後悔しないためにも、手術前の検査は的確にしておく必要があります。そういう意味で、手術時間は短い可能性が高いですが、手術前の検査はとても大切です。少々長く感じるかもしれませんが、しっかり検査してもらい、その結果を踏まえて手術後はどのような見え方になるのかの説明を聞いて頂くと安心できると思います

137. 結膜結石とは?  201811

  少し前に右目がゴミでも入っているようにゴロゴロと痛くなりました。近くの眼科を受診すると、結膜結石と言われ、何個か摘出してもらいました。目の中に石が出来ていたなんてびっくりしました。特別目の病気をした記憶はないのですが、いつの間にできてきたのでしょうか。その先生は、またできるかもしれないと言われましたが、完治しないのでしょうか。(62歳、女性)

 結膜結石というのは、結石と名前が付いていますが、カルシウムは含みませんので、本当の石ではありません。結膜の表層にある凹みが、慢性炎症に起因してある種の細胞が蓄積したり老化したりすることなどによって、偽の腺管構造を作ります。そこに脱落した上皮細胞や粘液などが蓄積して固まったものです。見かけ上は黄色から白色の砂粒状に見えて、単独の1つのものからいくつもつながって多数形成することもあります。これが結膜結石です。何らかの拍子に結膜表層を突き破って眼球側に突出します。すると角膜にあたりますので、砂粒が入っているのと同じように異物感が出現します。できてしまった結膜結石を溶かしてしまうお薬はありません。したがって、症状がある場合には摘出するほうが良いです。ただし、症状がないものは粘膜の下にいるので、自分の目で鏡を通して見えていたとしても摘出する必要はありません。結膜結石ができる背景には慢性の結膜炎などで炎症が続いている場合が関係しています。平常はその背景疾患に対して治療をしながら、粘膜を突き破って出てきた場合に摘出していけばよいと思います。一度摘出した後、生じなくなる方もいますが、たびたび摘出しなければならない方もいます。生じる原因を推測して治療することも大切です。

136. シェーグレン症候群とは何ですか?  201810

  先日、熱が出てから体がだるくなりました。風邪かと思っていたのですが、すっきり治らないこともあって、総合病院を紹介され受診しました。いろいろと調べていただいたら、シェーグレン症候群の疑いがあるという結論でした。10年来のドライアイで眼科の先生には、お世話になっていたので、そのことをお話ししたところ、「その可能性はありますが、目のドライアイはとても軽症なので、ほかの症状がなければ、あまり深刻にならなくてもよいのではないか」と言われました。シェーグレン症候群というのはどんな病気なのでしょうか?詳しく教えてください。(52歳、女性)

 シェーグレン症候群は、中年女性に好発する、目の乾燥と口の渇きを主症状とする全身性の自己免疫疾患です。ドライアイのために強い乾燥や異物感や視力低下を自覚したり、口が渇いて喋りにくくなったり、食物を食べにくくなったりします。膣からの分泌物も少なくなって性交時の不快や疼痛を感じることがあります。全身的には、発熱したり関節痛が出たり、だるく感じることもよくある症状です。膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎など)に続発して起こる二次性シェーグレンと原発性シェーグレンに分けられます。遺伝は関係ないとされています。現在のところ完治させる有効な治療法はありませんが、ドライアイの治療や人工唾液など症状を改善させる治療は進歩しています。慢性に経過する難病ですが、シェーグレン症候群と診断された人の中にも、ほとんど日常生活に影響せずに済んでいる方も多いので、現状でむやみに心配する必要はありません。確実なドライアイであることを正確に証明すること、唾液が少ないことを正確に証明すること、血液中に特定の抗体価が上昇していることを証明すること、口唇か唾液腺の細胞を採取して特定の顕微鏡像を証明すること、の4つのうち、2つを満たせば、シェーグレン症候群と診断されます。気になるようであれば、確実に診断してもらい、定期的に通院することをお勧めします。しかしながら、症状がほとんどないのであればあまり気にせず、症状がいくつか出てきて日常生活に支障をきたすようになってから、精密検査しても手遅れにはなりません。その眼科の先生の言われる通りだと思います。

135. 術後にタバコを吸ってもよいですか?  201809

  先日、私の母が白内障の手術を受けました。67歳です。若い時分からタバコが大好きで、今でも1日に10本以上は吸っていると思います。手術した翌日までは、本人も禁煙していましたが、3日目にはいつも通りに吸ってしまっています。折角よく見えるようになったのに、傷口に影響しないかどうか心配です。いつから吸わせてもよいでしょうか?体に良くないことをいつも言うのですが、今まで、タバコを吸い続けてきたけど病気になったことは一回もない、と言い張り、やめようとしません。教えてください。(38歳、娘)

 手術後でなくてもよくありません。もちろん傷口の治りにも影響します。タバコがその病気の原因の一つであることが100%証明されている病気を列挙します。まず、喫煙者本人ですが、鼻腔・副鼻腔がん、口腔・咽頭がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、膀胱がん、子宮頸がん、脳卒中、ニコチン依存症、歯周病、慢性閉塞性肺疾患(喘息・気管支炎・肺気腫など)、虚血性心疾患、腹部大動脈瘤、末梢性の動脈硬化、2型糖尿病、早産、低出生体重児・胎児発育遅延、がん患者の二次がん罹患、肺がん患者の生命予後、などがあります。100%とは言えないが、関係していると考えられるものは、急性骨髄性白血病、乳がん、腎細胞がん、大腸がん、子宮体がん、前立腺がん、認知症、虫歯、結核、関節リウマチ、不妊、術後合併症、骨粗しょう症、白内障、胃潰瘍、など、珍しくない病気ばかりで、数えますとキリがありません。また、受動喫煙(そばにいる人が吸ってしまう状態)では、脳卒中、肺がん、虚血性心疾患、乳幼児突然死症候群、小児の喘息、なども100%証明されています。つまり、ご家族も計り知れない影響を受けるということです。67歳で白内障の手術を受けなくてはいけなくなったのもタバコが関係している可能性がありますし、手術後の治りも悪くなりますので、喫煙はやめましょう。また、喫煙は、ニコチン依存症という病気です。自分でやめられなければ、禁煙外来を受診し、あきらめずに一刻も早く喫煙をやめましょう。ご家族様のためにもやめさせてあげてください。海外の先進国では、喫煙できるレストランはとても少なくなっています。

134. 眼からわかる認知症  201808

   85歳になる私の母のことです。周りのものが歪んで見えると言い出しました。そこで、近くの眼科に行くと黄斑上膜と言われました。しかし色々な検査から黄斑上膜のための変視ではないだろうということになりました。また、壁にいるはずのないクモがたくさん見えるとも言いだしました。確かに眼の病気もあるが、認知症の可能性があると言われました。眼の病気ではないのでしょうか。認知機能はそれほど悪くないと思うのですが、認知症なのでしょうか?(58歳、女性)

 レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症に次いで多いと言われる認知症の一つです。認知機能がそれほど悪くない時期にでも、幻視や錯視つまり、現実にはないはずのものが見えたり、物体が曲がって見えたりする症状が現れることが多いようです。黄斑上膜などの黄斑疾患では変視症と言って物が歪んで見える症状が出ることがあります。物が曲がって見えるところが少し似ていますが、幻視の症状は起こりません。レビー小体型認知症では、この幻視が特徴的で、いるはずのない虫や小動物、人の顔などが動きを伴って見えると言われます。ものを見る働きの中枢は後頭葉にあるのですが、その部分の血流が落ちるからではないかと推測されています。お母様の場合にも認知症の可能性があります。もちろん正しく黄斑上膜と診断されているようですから、眼科の病気もあるということだと思います。しかし、見え方の異常、特に幻視の症状をしめす眼の病気は基本的にないと考えられています。まずは内科や認知症サポート医を受診してみることをお勧めします。

133. 網膜振盪症(もうまくしんとうしょう)  201807

   先日、中学校2年生の息子がサッカー練習中に、ボールを右眼にぶつけました。近くの眼科を受診しました。網膜振盪症と言われ、もう2週間通院しています。本人は、直後は少し痛かったり見えにくかったりしたそうですが、今は何ともありません。目薬ももうつけなくてよいと言われていますが、まだ、通院したほうが良いのでしょうか?そもそも網膜振盪症ってどんな病気で、後遺症が残ることもあるのでしょうか?詳しく聞きたいです。(44歳、女性)

 網膜振盪症は、眼を強く打撲した場合に、眼の底の網膜の血行不良を起こした状態です。網膜は周りの健常な部分の色調に比べて赤くなく、やや白色の斑模様に見えます。網膜の比較的広範囲なものから狭い範囲のものまで大きさはさまざまで、また、起こる位置も打撲の仕方によって色々な場合があります。外力による直接の障害が網膜の特に外側の視細胞などに起こることや、脈絡膜という網膜の下の組織に血行不良が起こることによると考えられています。通常は一過性の問題で視細胞が再生して、多くの場合後遺症は残らず、経過を見ているのみで完治します。しかし、打撲の程度によっては、網膜振盪症と併発して網膜出血や硝子体出血があったり、網膜裂孔という網膜の裂け目が生じたりすることがあります。このような場合には止血剤が投与されたり、レーザー治療が行われたりします。また、打撲後壊死という強い外力によりその部分の網膜が機能しなくなってしまう状態もまれにあります。これは視細胞が再生せず、組織が壊死すると考えられています。網膜振盪症と見分けがつかないこともありますので、やはりしばらくは通院することが大切です。